こうした条件を聞くと、ジャパン・サーチの用途は現時点ではそれほど広くないようにも聞こえます。しかし今回の試みの成果は、各種文化施設が分野をまたいでデジタルで繋がったという点、また膨大なデータが一般に公開されたという事実にあります。
推進事務局としては今後、閲覧に留まらないデジタルアーカイブの活用を目指す意向。そのベースツールとして、ウェブサイト上で開発者向けのAPIや資料を提供しています。
また国立図書館では2019年9月に、略してGLAMデータ(Galleries, Libraries, Archives, Museumsの頭文字)と呼ばれるこのデジタルアーカイブの活用方法についてのハッカソン「GLAMデータを使い尽くそうハッカソン」を開催しました。
これはGLAMデータを利用した新しいウェブサービスやアプリの開発を目指すエンジニア、職場向けのコンテンツを作成したい学芸員や図書館司書に向けた勉強会で、今後もジャパン・サーチ参加機関によってこうしたイベントが積極的に開催されていく予定です。
面白い活用例としては、源氏物語を電子書籍リーダーで、絵巻物の挿絵入りで読めるというもの。
このeBookはジャパンサーチに登録されている『絵入源氏物語』(国文学研究資料館所蔵)のメタデータから電子書籍ファイルを作成し、Bibiという電子書籍リーダーで表示させています。
また『絵入源氏物語』には挿絵情報は含まれていませんが、IIIFサーバーから取得した画像を該当位置に挿入しました。青空文庫から取得した与謝野晶子の現代語訳付きです。
参考リンク: ・美術館、図書館、公文書館、博物館などのデジタルアーカイブを分野横断で検索できる「ジャパンサーチ」を使い倒せ! ・ジャパンサーチ非公式サポートページ
(佐藤ちひろ)
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