今や世界的なトレンドとして広まりつつあるパブリック・ドメイン。有名なところでは、アメリカのメトロポリタン美術館やシカゴ美術館が膨大な数の作品をパブリック・ドメインとして公開しています。
以前の記事では、愛知県立美術館が1200点以上の画像をパブリック・ドメインとしてウェブ上で公開した、という話題を取り上げました。
日本では最近、その一歩先を行くような試みが始まりました。その名も「ジャパン・サーチ」。現在β版ウェブサイトが一般公開されており、2020年から本格運用の予定です。
国名「ジャパン」を冠したこのウェブサイトで、一体どんなことができるのでしょうか?
ジャパン・サーチは、国立国会図書館と内閣府知的財産戦略推進事務局が指揮をとり、国内の著名な美術館・博物館・図書館と連携して立ち上げられました。ここでは、各機関の合計約1800万件のデータ(作品名、著者、サムネイル画像、所蔵機関、二次利用条件などのメタデータ)をデジタルアーカイブを通して検索・利用できます。
参加機関はこちらの18機関で、今後も増えて行く見通し。教育・商用に利用できるパブリック・ドメインコンテンツは43万点以上、インターネットで閲覧できるコンテンツは118万点以上あります。(いずれの数字も2019年9月時点)
作品のサムネイル画像は、32,400画素(縦横約5cm)以下であれば著作権の許諾なしでインターネット上で公開できます。用途としては、例えば参加機関から作品を借りて展示する施設による、サムネイル画像を使用した展示作品の紹介。また、研究者による資料や個人ブログの記事にサムネイルを使用することも可能です。
ただし今年1月に発表された改正著作権法第47条のガイドラインによると、画像を利用した二次制作や、広報での利用については、これまで通り許諾の取得が必要とされています。
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