


まずは、大阪市内にあるグラングリーン大阪にある芝生広場の概要に触れておきたい。グラングリーン大阪は、JR大阪駅の北西に位置し、オフィス・商業施設・分譲住宅・公園を有する新しい都市である。もともと、グラングリーン大阪があった場所には、JR貨物の梅田貨物駅があった。2013年に梅田貨物駅が廃止となり、「うめきた2期エリア」として再開発が行われていた。ちなみに、「うめきた1期エリア」には、グランフロント大阪がある。
グラングリーン大阪には、約4.5ヘクタールの広さを誇る都市公園「うめきた公園」が存在する。「うめきた公園」は、ノースパークとサウスパークがあり、芝生広場はサウスパークに位置する。なお、芝生広場の面積は約4000平方メートルだ。
うめきた公園の指定管理者は、一般社団法人うめきたMMO(MMO)だ。MMOは都市公園の運営管理の他に、まちづくりを担うエリアマネジメントも担当する。グラングリーン大阪の建設に携わった事業者JV(共同事業体)が、2023年6月にMMOを設立した。
なお、事業者JVに参画した企業は、三菱地所、大阪ガス都市開発、オリックス不動産、関電不動産開発、積水ハウス、竹中工務店、阪急電鉄、三菱地所レジデンス、うめきた開発特定目的会社(出資者:株式会社大林組)である。
芝生広場には、屋外型屋根付きイベントスペースの「ロートハートスクエアうめきた」(ロートハートスクエア)があり、1万人規模のイベント(芝生広場と合わせて)が開催できる。イベントスペースの前には、天然芝が広がる。「ロートハートスクエア」の基本使用料金(日別)は、平日は100万円・土休日は150万円である。また、「ロバートハートスクエア」の隣には、屋内施設「PLAT UMEKITA –GALLERY-」(GALLERY)があり、面積は120平方メートルだ。「GALLERY」の基本使用料金(日別)は、平日55万円・土休日75万円だ。

東遊園地は阪急・阪神神戸三宮駅、JR三ノ宮駅の南側に位置し、神戸市役所の隣にある。東遊園地は2.7ヘクタールの都市型公園である。ちなみに、「遊園地」とあるが、アトラクション施設はない。
もともと、東遊園地の歴史は古く、1868年に居留地に居住する外国人向けの運動公園として設立されたのがはじまりだ。以降、長年にわたり、神戸市の大型公園として親しまれてきた。2023年4月に東遊園地がリニューアルオープン。「みちひろば」「芝生ひろば」「見晴らしひろば」「にぎわい拠点施設」の4エリアで構成されている。「にぎわい拠点施設」は、カフェ・イベントスペースを有する施設「URBAN PICNIC」だ。
東遊園地の基本的な運営管理者は、神戸市だ。なお、リニューアルにあたり、神戸市は「Park-PFI」(公園設置管理制度)を活用。その結果、「東遊園地にぎわい拠点施設運営事業者」に、村上工務店、ティーハウス建築設計事務所、リバブルシティイニシアティブの企業グループに決まった。現在の管理範囲は「URBAN PICNIC」と「ガーデンステージ」は企業グループ、それ以外は神戸市になっている。
東遊園地の使用料金は、神戸市の都市公園使用料に基づく。神戸市のホームページによると、「行商、募金、出店その他これらに類する行為」の場合、使用料(日別)は150円(1平方メートル)だ。「芝生ひろば」は計約4000平方メートルなので、単純計算すると60万円になる。また、企業グループが管理する「URBAN PICNIC」には、ラウンジ(54平方メートル)とスタジオ(25平方メートル)、テラス(40平方メートル)がある。使用料金(平日・終日)はラウンジが59,400円、スタジオ・テラスが39,600円である。

JR大阪駅うめきた地下口
11月の週末に、グラングリーン大阪の芝生広場を見学した。芝生広場は2023年3月にオープンしたJR大阪駅うめきた地下口に直結している。大阪駅うめきた地下口は、事実上、大阪駅(うめきたエリア)の出入口としての機能を果たす。従来の大阪駅から、大阪駅(うめきたエリア)までは、連絡通路で徒歩5分くらいだ。

ロートハートスクエア
しばらく歩くと、イベントスペースの「ロートハートスクエア」に着いた。「ロートハートスクエア」には屋根があるが、想像以上に大きい。前方もしっかりと覆われていて、ある程度の吹きさらしの雨は防げそうだ。
当日は、自動車のBMWの展示会が行われていた。屋根下にはBMWの車が並び、スタッフがいる中、足をとめる人が多かった。この展示会への入場は無料である。また、別日には野外ハワイイベント「Good Hawaii 2025」も開催されていた。このイベントでは、「ロートハートスクエア」にて、ダンスのショーがあった。

芝生広場の周辺には商業施設が立ち並ぶ
グラングリーン大阪の周辺には商業施設があり、レストラン・喫茶店も入居している。そのため、食事を済ませ、芝生広場に立ち寄る、といった行動パターンも考えられる。そのせいか、13時台のわりに、芝生広場で昼食をとるシーンは、それほど多く見かけなかった。
「Good Hawaii 2025」(主催:Good Hawaii 実行委員会 後援:ハワイ州観光局)開催中は、「ロートハートスクエア」から商業施設までの通路に、雑貨等の物品を販売するブースが並んでいた。
ところで、「芝生広場」では、芝の養生中のため、「ロートハートスクエア」前は立入禁止になっていた。そのため、「ロートハートスクエア」と芝生の部分がうまい具合に分離され、「ロートハートスクエア」付近ではイベント、芝生の部分では、思い思いに休日のひと時を過ごしていた。

「しばふ広場」。大道芸が後ろからだと、見づらかった
私が東遊園地を訪れたときは、イベント「神戸グルメディスカバリー」(主催:神戸グルメディスカバリー制作・神戸市)を開催していた。公の施設らしく、イベントも市主催である。
「芝生ひろば」をはじめ、園内には多くのブースがあった。参加者は、芝生やベンチに座り、神戸市のグルメを味わっていた。

神戸グルメディスカバリー」の地図
東遊園地の周辺は、グラングリーン大阪の芝生広場とは異なり、飲食店はあまりない。そのため、イベント開催日ではなくても、園内で飲食を楽しむ姿を見かける。ところで、地図を見ると、奇妙なことに気づいた。入口からも行きやすい「ガーデンステージ」には、ブースがないのだ。
さらに、「芝生ひろば」において、大道芸のパフォーマンスが行われていたが、ステージではないため、後列は見づらい状況になっていた。せっかくのパフォーマンスなのだから、ガーデンステージでやればいいものを、と思っていた。これは私の憶測だが、先述したように、「芝生ひろば」と「ガーデンステージ」では、運営管理者が異なる。前者は神戸市、後者は企業グループなのだ。そのため、「ガーデンステージ」を利用する場合、新たな使用料が発生するのかもしれない。
また、グラングリーンと比較するのは酷かもしれないが、神戸三宮駅・三ノ宮駅からのアクセスが少し悪い。まず、駅から東遊園地まで、徒歩10分を要する。駅から東遊園地まで通じる地下道はなく、地上を通る必要がある。駅から神戸市役所までは地下道がある。理想は、神戸市役所から東遊園地までの屋根付き通路があればよいが、なかなか難しいだろう。
グラングリーンの芝生広場と、東遊園地は同じ都市型公園とは、まったく異なる。芝生広場は、グラングリーンの運営自体が民間のMMOが一手に引き受けているため、統一感があり、合理的な設計になっている。一方、民間ということもあり、施設の使用料が高い。そのため、市民が気軽にイベントがやりづらい環境にある。多くの市民が交流する場というよりは、家族やグループ、個人がイベントに参加したり、それぞれが楽しむという形だ。
一方、東遊園地は園内で「民」と「公」が混在している。また、周辺の店舗との連携はとれていない。一方、施設使用料はグラングリーン・芝生広場と比べると安価なため、市民を中心としたイベントが期待できる。多くの市民との交流も期待できるだろう。
(TEXT:新田浩之 編集:藤冨啓之)
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