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EchoのAIアシスタント「アレクサ」の浸透がもたらした意外な影響とは?

         

Amazonが2014年に発表したAIアシスタント、アレクサ。Amazon EchoやEcho Dotといったスマートスピーカーに「アレクサ」と呼びかけることで起動し、質問や命令をすることができます。

質問や命令はAmazonのクラウドに送信され、回答が秒速で返ってきます。仕組みとしてはiOSのSiriと似ていますが、Echoの特徴は家庭内のスマートデバイスと連携させてタスクをこなせること。

例えば音声による照明の調節やドアのロックは朝飯前。テレビやサウンドシステムのコントロールや、ピザチェーンのスマホアプリと連携してピザも注文できます。IoTとの親和性が高いアレクサは今後一般家庭への導入が進んでいくとみられています。

アレクサ(Alexa)のインスピレーション源となったのは、「スタートレック」シリーズなどに登場する会話システムを搭載した宇宙船エンタープライズなのだとか。1960年代のSFで描かれた光景が続々現実になるのは、当時を知る人からすれば不思議な感覚なのでは。

意外なところに現れたアレクサの影響

アレクサの浸透率に比例するように減少しているのが、アレクサという名前の赤ちゃん。もともとギリシャ起源の名前「Alexander」の女性系であるアレクサ。2017年はイングランド・ウェールズの新生児301人にこの名前が付けられましたが、2018年には半分以下の118人に減ったそうです。

英国立統計局の職員によれば「家庭でのAmazonアレクサの使用率が上がってきた影響か」とのこと。確かに、子供の名前を呼ぶ度にアレクサが起動・反応してしまったら不便でしょうが……。

では、アレクサという名前の人はAmazonアレクサを使えないのでしょうか? どうしても使いたい場合は改名の必要があるとか?

そんなことはありません

ウェイクワードと呼ばれるこの起動ワードは、実はアレクサアプリから変更することができるんです。

選べるワードは以下の4種類。

* アレクサ(Alexa)
* アマゾン(Amazon)
* エコー(Echo)
* コンピューター(Computer)

アレクサ以外は何の捻りもないワードですが、子供におもちゃを片付けるように言いつけたら掃除デバイスが起動する、といった混乱はひとまず避けられます。

そのため理屈としては子供にアレクサと名づけても問題ないのですが、Amazonアレクサが普及するにつれAIと同じ名前という印象が強まるため、更に敬遠される名前になるかもしれませんね。

アレクサは常に会話を聞いている

「アレクサ」や「コンピューター」などのワードで起動するアレクサは、いつ呼びかけられてもいいようにアイドリング状態でスタンバイしています。このため、プライベートな会話が録音されデータとしてストックされてしまうのではという懸念が出ていました。

これに対するAmazonの声明は

「エコーはユーザーの「起動ワード」でエコーを動作させた時のユーザーの自宅の声を録音しているだけであるが、技術的には常に声を録音することができ、また実際はユーザーが起動ワードを喋るかを探知するため常に聞いている」

というものでしたが、2019年4月にはアメリカのニュースサイトBloombergにより「Alexaに録音されたデータはAmazonの秘密チームが手動で解析している」と報じられています。

この中ではAlexaに向けられた発話だけでなく、プライベートな会話の中に出てくる単語を解析して会話の種類にタグ付けする、という作業が人力で行われていると明かされています。

このデータがAmazon内で性能向上のみに使用されるのであれば法律には抵触しないという見方が大勢ですが、プライベートな会話が生身の人間に聞かれていると思うとあまりいい気持ちがしないのでは。

アレクサの将来性とは?

このAIアシスタントが「アレクサ」と名付けられたのは、子音が強く出るXが音声認識に向いていたという理由の一方、古代エジプトの知の殿堂アレクサンドリア図書館にちなんでいるとも言われます。

アレクサがその名の通りユーザーに知恵とひらめきを授ける魔法の道具になればいいのですが、「2001年宇宙の旅」の人工知能、HALのように暴走しないための対策も必要かもしれませんね。

参考リンク:
英国で赤ちゃんの名前「アレクサ」の人気低下、アマゾン製品が影響かAlexaスマートホームの開発Amazon Workers Are Listening to What You Tell Alexa

佐藤ちひろ

 
データ活用 Data utilization テクノロジー technology 社会 society ビジネス business ライフ life 特集 Special feature

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