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「ググる」は時代遅れ!? これからは「パプる」時代の到来か? 「Perplexity AI」の使い方とメリット

         

インターネット普及の重要なマイルストーンである「Windows95」発売から約30年。1995年~2022年ごろまではそれまでの何百、何千もの情報をいつでもどこでも得られるようにテクノロジーが発展した「ググる」時代だったといえるでしょう。

しかし、平成→令和へと元号が移り変わり、インターネット以上の革命といわれる生成AIテクノロジーの普及によって時代は「パプる」へと移り変わりました。

「パプる」ってなに? どうやって「パプれ」ばいいの?

本記事では、「Perplexity AI」を使ってパプる方法やそのメリット、弱点などについて網羅的に解説いたします。

「パプる」って何!? 「Perplexity AI」の使い方と全プラン

「パプる」とは、2022年に登場した会話型生成AIサービス「Perplexity AIを使って情報収集を行うことを指します。

たとえば「「パプる」とは何ですか」と尋ねた結果表示されたのが以下の画面です。

ご覧の通り、回答の前に「Souces(出典)」が表示され、その下に回答が表示されています。回答中の「①」「②」といった注釈は出典元へのリンクです。このように、情報の出典と回答がセットで表示されるのがPerplexity AIの最大の特徴であり、数ある生成AIサービスの中でもリサーチに適している(=従来の検索システムの代わりとなりうる)といわれる所以です。

上記のような検索は無料・登録不要で行うことができます。ただし、登録すれば過去の質問の参照や設定したプロフィールに合わせた回答の生成が可能になります。また、回答の精度・自由度を高める、画像を生成する、組織での利用に向けてセキュリティ性を高めるといった目的に合わせて、有料のプランが用意されています。

それぞれのプランの概要は以下の通りです。

プラン

価格

主な特徴

無料版

無料

– 基本的な質問応答能力

– 基本的な検索機能

-3回/日の高度な検索(Pro Search)

– 3回/日のファイルアップロード



Perplexity Pro (月払い)

月額20ドル

– 基本的な質問応答能力

– 基本的な検索機能

-300回以上/日の高度な検索(Pro Search)

-AIモデルの選択自由(GPT-4o, Claude-3, Sonar Large (LLama 3.1)など)

– 無制限のファイルアップロード

・画像生成

・毎月$5のAPI利用枠

Perplexity Pro (年払い)

年額200ドル

– 月払いと同じ機能

– 年間プランによる割引適用



Perplexity Enterprise Pro Self-Serve (月払い)

月額40ドル

– 法人・企業向け(250名未満の組織)

– 強化されたセキュリティ機能(SOC2認証)

– 高度なデータプライバシー保護

– チーム管理機能

– シングルサインオン(SSO)対応

Perplexity Enterprise Pro Self-Serve (年払い)

年額400ドル

– 月払いと同じ機能

– 年間プランによる割引適用



Perplexity Enterprise Pro Custom

要相談

-Perplexity Enterprise Pro Self-Serveと同じ機能

-250名以上の組織

※2024年10月31日時点の情報です。

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ChatGPTやClaude 3、Gemini……など、競合サービスに対する「Perplexity AI」の特徴は?

ChatGPTやClaude 3、Geminiなど、ほかの生成AIサービスと比べてPerplexity AIにはどのような特徴があるのでしょうか?

3つのポイントで見ていきましょう。

【1】出典が明記される

Perplexity AI最大の特徴が、回答に利用した情報の出典を明示してくれる機能がデフォルトで備わっている点です。生成AI活用を阻む要因として筆頭に上がるのが‟もっともらしい回答をでっちあげる”AIのハルシネーションや情報の盗用といった問題です。そのため、情報源を明示してくれる仕組みを当初から備えたPerplexity AIはリサーチ業務において高い利便性を誇っています。

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【2】リアルタイム情報検索に対応している

インターネット上に存在する情報を収集して、リアルタイムで回答を行ってくれる機能が当初より備わっていた点もリサーチ業務で特に重宝するPerplexity AIの特徴です。たとえば、以下のように「今日の最新ニュースを教えてください」と要求して日々のリサーチ業務に用いるといった使い方も可能です。

【3】フォーカス機能が利用できる

Perplexity AIのホーム画面からアクセスできる「Focus」ボタンを使用すると、下記の6つのモードを選ぶことができます。

・Web:インターネット全体からの検索
・Academic:学術資料の検索と要約
・Math:計算や方程式の解決
・Writing:テキストライティング
・Video:YouTubeなどの映像の検索と要約
・Social:RedditなどSNS上の意見の検索と要約

検索のみならず、それぞれの用途に特化した能力があらかじめ用意されているユーザーフレンドリーな設計がPerplexity AIの人気の源泉となっているのでしょう。

「Perplexity AI」の弱点とその対策方法は?

Perplexity AIを利用するにあたって注意すべき欠点や弱点はないのか、と気になる方も多いでしょう。

最初に挙げられるのが、ハルシネーションや情報の信頼性の問題です。確認可能なソースが提示されるPerplexity AIですが、だからといって情報がすべて正しいとは限りません。参考にした情報元自体が間違っていることもままあります。

また、Perplexity AIが便利な分、その参考にした範囲にリサーチの幅、ひいては思考の幅や観点が限定されてしまうことも大きな弱点といえるでしょう。Webブラウザによる検索も、書籍やインタビューなどアナログな情報収集と比較して、良い意味でノイズとなる情報があらかじめ取り除かれてしまうことが問題視されることがありました。情報に素早くたどり着けるということは、その分過程で得られるはずだった試行錯誤がオミットされるということでもあります。

こうした問題に対抗するには、従来の「ググる」や「読む」「聞く」「調べる」といった手段と「パプる」を使い分けて情報の検証と視野の拡張に取り組むことが重要です。

便利すぎるがゆえに存在する欠点を踏まえて、Perplexity AIを情報収集の新たなコマンドに加えましょう!

終わりに

情報収集の最新手法として着実に定着していくであろう「Perplexity AI」について解説いたしました。「Perplexity」は‟困惑・混乱”といった意味を持つ英単語で、情報理論において‟統計モデルの予測精度を示す指標(低いほど正確)”を示す言葉でもあります。情報リサーチの「Perplexity」を解決する手段として、その便利さゆえの弱点も意識しつつどんどん「パプる」を活用していきましょう!

(宮田文机)

 

参照元

・perplexity.ai

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