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新米がおいしい季節がやってきました!9月のテーマは「お米」です。

         

データのじかんの読者のみなさん、こんにちは!

2018年の十五夜は9月24日の月曜日でしたが、みなさん、お月見はされましたか?

そんなこんなでなかなか編集部の方もバタバタしておりまして、9月も最終週に入るというのに9月のテーマを発表するところまでなかなかたどり着けずにいましたが、9月は新米の季節、ということで9月のテーマは日本人とは切っても切れない密接な関係にある「お米」です

冒頭でネタとして持ち出してはみましたが、お月見とはなんの関係もありませんでした。とにかく、9月のテーマは「データxお米」でお届けしていきます。

武士の給料もお米で支払われていた

かつて「豊かさ」とはつまり主食である米をどのくらい所有しているのかを意味していました。江戸時代までの日本は米本位制とも言える社会で、年貢を収めるのもお米なら武士の給料もお米で支払われていたほどです。

お米の価格が変動すると庶民の生活が直撃され、それにより米騒動などの事件に発展したこともありました。そのため、1942年以降のお米の生産・流通・消費は政府の定める食糧管理法によって管理され、お米の値段は比較的変動が少ない状態が保たれてきたと言えます。

データ出典:総務省統計局小売物価統計調査

お米の値段の推移を見てみると、1950年の5キロで495円から2012年の2,223円へと値上がりはしていますが、現在の貨幣価値で換算してみると、1950年当時の495円は現在のおよそ11,824円に相当し、お米の価値は今の5倍ほどあった、と想定できます。このデータをみると、それだけ、私たちの暮らしは豊かなものになっているのだと言えます。

食生活の多様化によるお米の消費量の減少

豊かになると人は贅沢になるものですが、日本社会もその例外ではありません。

1970年代に入り、お米以外の主食を食べる習慣が定着し、お米の消費量は年々減少していき、お米が余ることが大きな社会問題となってきました。

食糧管理法は1994年に廃止され、その代わりに、1994年(平成6年)12月14日、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(いわゆる食糧法)が公布されました。その後、2004年には食糧法が大幅改正され、農業従事者のみに限られていた米の取引は事実上自由化されました。

お米に限って言えば、日本の自給率は94%と高めですが、全体のカロリー自給率は39%となっています。他の先進国はアメリカ130%、フランス127%、ドイツ95%、イギリス63%となっており、39%は先進国の中で最低の水準となっています

日本が抱えるお米に関する様々な問題や課題

お米は日本の主食だけに、それに関する問題や課題は深刻です。

1955年の米の収穫量は10アール(1000平方メートル)あたり335キロでしたが、2015年には531kgまで増加しています。

面積当たりの収穫量は増加しましたが、その面積に対して必要な直接労働時間は、農耕具の発展や普及などにより減少しています。

このデータは、以前より日本人は多くのお米を少ない労働量で手に入れることができるようになったことを意味しています。しかし、農林水産省が公開している米農家の収入を調べてみると、平成27年度米農家の全国平均年収は約250万円、うち肥料代などの必要経費が平均200万円、経費を差し引くと純利益はなんとわずか52万円前後となることがわかります。つまり、米農家はそれだけで生計が立てられる職業ではないのです。

それに加えて、日本人が消費するお米の量は年々減少しています。1960年には一人当たりの消費量は114.9kgでしたが、2015年にはその半分以下の54.6kgまで減少しています。

 

海外旅行などに行くとお米が恋しくなったり、毎日一度はお米を食べたいと思う人の割合は今も多いようですが、お米の価値はデフレ状態にあることがわかります。

お米事情から見えてくること

かつてお米屋さんは各地域に必ずあり、各家庭へお米を配達していたことから、地域の各家庭の文字通り「台所事情」に通じている存在でした。そのため、いつの時代にも必ずいてチャンスがあればすぐにお見合い話を持ちよろうとする噂好きなマッチメーカー婦人たちは、紹介しようとしている相手が暮らす地域へわざわざ足を運び、お米屋さんからその家庭の暮らしぶりについての情報収拾をしていた、というくらいお米屋さんはコミュニティーの中心的な位置付けだった、と根津神社の近くにあるお米屋さんのおばあさんに聞いたこともあります。

しかし、スーパーやコンビニなどの小売業の発展を受け、由緒正しい「お米屋さん」は日本全国から急速に姿を消しつつあります。

そんな背景の中にある現代のお米事情ですが、IoT技術の発達や普及などの恩恵を受けて変わりつつある、という側面もあります。

データのじかんでは、お米にまつわるデータやエピソードを紹介し、少し深掘りしながら、そこから見えてくる日本が抱える問題や新しい取り組み、今後の展開などについて新米の味を噛み締めながらみなさんと一緒に考えていきたいと思っています。

それではよろしくお願いします!

他のお米関係の記事は9月のテーマ「お米」のタグからどうぞ。

(データのじかん編集部)

 
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