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【意外と複雑】東海道新幹線東京~新大阪間は結局いくら?—新サービスに追加料金は必要?

         

コロナ禍もようやく落ち着き、東海道新幹線もコロナ禍前の混雑に戻りつつある。実はコロナ禍中、東海道新幹線では新たな料金制度や新サービスを導入したのだが、お盆の帰省などで新幹線を利用したにも関わらず、その全貌を把握していない方も多いのではないか

意外と複雑で色々な選択肢がある東海道新幹線東京~新大阪間の運賃を改めて整理するのも、日常生活における「データ整理」の一環だろう。今回はその内容をまめとめてみよう。なお、特記がない限り、本記事中の料金はすべて東京~新大阪間片道である。

2023年4月からシーズン別4段階制に

東海道新幹線に乗車するには、乗車券の他に特急券が必要だ。もちろん、普通車指定席に乗車するには乗車券と指定席特急券が必要になる。また、「のぞみ」と「ひかり」「こだま」では料金が異なるのは前提として覚えておきたい。

問題は指定席特急券で、指定席特急券はシーズンにより料金が異なるのだ。JR東海は2023年4月に閑散期、通常期、繁忙期、最繁忙期のシーズン別4段階制を採用した。

通常期を基準にすると、閑散期は-200円、繁忙期は+200円、最繁忙期は+400円となる。各期のスケジュールはJR各社の公式ホームページに掲載されている。

「のぞみ」普通車指定席(通常期)の料金は乗車券・指定席特急券合わせて14720円となる。閑散期は14520円、繁忙期は14920円、最繁忙期は15120円にもなる。

「ひかり」「こだま」(通常期)の料金は14400円である。閑散期は14200円、繁忙期は14600円、最繁忙期は14800円だ。

少しでも安くなる方法は

東海道新幹線にはさまざまな割引制度が用意されている。大別すると、「EX予約」「スマートEX」関連、もしくはJR東海ツアーズの旅行商品だ。

「スマートEX」「EX予約」はJR東海が運営するネット予約&チケットレスサービスである。

「スマートEX」は無料サービスの一方、「EX予約」は年会費1100円が必要だ。「のぞみ」普通車指定席の料金に関して、「スマートEX」は駅窓口での販売価格とほぼ同じ。シーズン別4段階制も適用される。

「EX予約」は1100円オトクの13620円で「のぞみ」普通車指定席を利用でき、しかも1年中・列車種別に関わらず料金は同じである。

「スマートEX」「EX予約」限定の割引商品、「EX早特21ワイド」が存在する。この商品は乗車日21日前までに予約する必要がある。「のぞみ」普通車指定席の料金は12370円となり、2350円(通常期)もオトクだ。シーズンによって料金が変わることもない。ただし、ゴールデンウイークやお盆などのオンシーズンには利用できない。

子ども連れなら「EXのぞみファミリー早特」がおすすめ。2名以上の土休日に利用でき、「のぞみ」普通車指定席は大人が12570円、子どもが6280円。乗車日3日前まで予約を受け付ける。また、特急券の効力のみの「e特急券」も存在する。

「スマートEX」「EX予約」以外の割引商品はJR東海ではなく、JR東海ツアーズという旅行会社が販売する。

JR東海ツアーズは「ぷらっとこだま」「ずらし旅!日帰り1day」を販売する。「ぷらっとこだま」は各駅タイプの「こだま」に割安で乗車できる旅行商品だ。料金は「こだま」普通車指定席が通常期は10900円、繁忙期は12500円で乗車できる。「ぷらっとこだま」の”通常期”、”繁忙期”のスケジュールはJR東海が定めたシーズン別4段階制とは異なる。

ちなみに、「こだま」東京~新大阪間の昼間時間帯における所要時間は約4時間。「のぞみ」より約1時間30分もかかる。

「ずらし旅!日帰り1day」は東京~新大阪間を日帰り利用する際に使える。2023年7月28日までの料金は「のぞみ」普通車指定席が往復21000円、片道にすると10500円だ。

「ぷらっとこだま」「ずらし旅!日帰り1day」共にJR東海の商品にはない特別サービスが付属する。まず、「ぷらっとこだま」には1ドリンク引換券、「ずらし旅!日帰り1day」には現地で利用可能な体験クーポンが付属する。

二つ目の特徴はグリーン車に気軽に乗車できる点だ。「ぷらっとこだま」だと普通車指定席プランに+1400円、「ずらし旅!日帰り1day」だと+1200円でグリーン車に乗れてしまうのだ。

一方、両商品とも乗車日の数日前に販売を締め切るので注意が必要だ。スケジュールに余裕を持って購入することをおすすめする。

新サービスに追加料金は必要なのか

東海道新幹線は新型車両のみならず、サービス面でもアップグレードを続けている。近年、大きく変わったのが「荷物の扱い」だ。現在、東海道・山陽・九州・西九州新幹線では3辺の合計が160cm~250cmの荷物を「特大荷物」に指定。「特大荷物」と共に乗車する際は事前に「特大荷物スペースつき座席」もしくは「特大荷物コーナーつき座席」を予約する必要がある。

事前予約に関して、追加料金は不要だ。ただし、事前予約なしで「特大荷物」を持ち込んだ場合は持込手数料(1000円)を徴収されるので注意したい。

忙しいビジネスパーソンにおすすめの車両が「のぞみ」7号車にある「Swork車両」だ。

「Swork車両」車内の仕様は通常の普通車指定席と変わらない。利用者はビジネスパーソンに限られるため、仕事に打ち込める環境に。通常座席でははばかられる、WEB会議も利用可能だ。

また、N700S車両限定サービスとして、新横浜~京都間ではビジネスサポートツール(膝下クッション、簡易衝立、PC用ACアダプタ、USB重電器、小型マウス等)の貸し出しを行う。従来の約2倍の通信容量を誇るWi-Fiサービス「S Wi-Fi for Biz」の提供も見逃せないポイントだ。

「Swork車両」は「スマートEX」「EX予約」利用者しか予約ができない。料金は「スマートEX」「EX予約」で普通車指定席を予約する場合と同額だ。

2023年秋には「スマートEX」「EX予約」の大変更が待ち受ける

JR東海は2023年秋に実施する「スマートEX」「EX予約」の価格体系の見直しを発表している。「EX予約」では割引を縮小する。現在は「EX予約」普通車指定席は13620円だが、見直し後は14230円となる。また、シーズン別4段階制も導入する。

見直しの背景としてJR東海は新幹線とホテルや旅先での交通手段、観光プラン等の旅行全体をシームレスに予約・決済できる「EX-MaaS(仮称)」の導入、乗車日の約1年前から指定席予約するといったサービスの充実を挙げている。

一方、新商品の発売も行う。それが乗車日28日前までの予約で最もお得になる「EX早特28ワイド」だ。

「EX早特28ワイド」を使うと、「のぞみ」普通車指定席は12240円となる。「EX早特21ワイド」よりもわずかに安い。詳細は決まり次第、ホームページ等で告知するとのことだ。

今までの解説をまとめると、日帰りを除き、少しでも安価に「のぞみ」を利用したい場合は「スマートEX」「EX予約」の利用が必須となる。

一方、時間を要してもいいから、「とにかく安く」という方は「ぷらっとこだま」の利用がおすすめだ。少しでも賢く東海道新幹線を使いたいところだ。


書き手:新田浩之氏
2016年より個人事業主としてライター活動に従事。主に関西の鉄道、中東欧・ロシアについて執筆活動を行う。著書に『関西の私鉄格差』(河出書房新社)がある。

 
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