現在、インターネットの普及率は全世代でおよそ80%。特に10代後半から40代にかけての普及率は95%以上になっています。
インターネットを通じてさまざまな人と出会えたり、必要な情報を手軽に得ることが出来たり、人気のお店の商品を片手で操作するだけで購入できたり、と生活様式が大きく変わる中、わたしたちの行動の多くがデータとして記録されるように。
すると、多くの企業がインターネットの行動データをもとに広告やキャンペーンなどを行うようになりました。
そして、私たちの行動データを記録するSNSやさまざまなWebサービス、そして、それらのデータをもとにした「広告」が私たちの生活に与える影響が徐々に大きくなってきています。そうした中で提唱されるようになったのが「監視資本主義社会」です。
日常から切っても切り離せない社会の変容を受け私たちは何を考えるべきなのでしょうか?
監視資本主義社会とは、Web上に記録された行動データなどの個人情報をもとに、企業がユーザー(消費者)一人ひとりの行動を予測し、自分たちの狙いに合わせた行動へ誘導し、利益をあげる仕組みを指します。
この仕組みを構築するサービスの中でも、代表的と言えるがGAFA(Google, Amazon, Facebook, Apple)です。
こうした巨大プラットフォームが織りなす監視資本社会の脅威を人々に知らしめた事件が「ケンブリッジ・アナリティカ事件」です。
データマイニングとデータ分析中心に政治コンサルティングを行っていたケンブリッジ・アナリティカ社がFacebookのAPIを経由し数千万人分のユーザー情報を取得、その情報からターゲティング広告を表示し、2016年のブレグジットやアメリカ大統領選挙において浮動票を大きく動かしたとされています。
この問題は大きく報道され、訴訟でFacebookのCEO マーク・ザッカーバーグ氏も大筋を認め、欧州議会で釈明する事態へと発展しました。
様々な問題が露見する一方で、人々は変わらずインターネット上で日常を営み続け、企業によるユーザー行動の予測、誘導の影響力は日に日に大きくなっています。
まさに民主主義を揺るがしうる力を持つ監視資本主義社会に疑義を呈するのがNetflixオリジナルドキュメンタリー『監視資本主義: デジタル社会がもたらす光と影』(原題:The Social Dilemma)です。
偉大なるものは全て呪われている──。古代ギリシャの戯曲家、詩人のソフォクレスの言葉を引いたエピグラフから始まる今作は、その言葉の通り、”偉大”なテック企業の”光”である利便性とその光が落とす”呪い”の部分に迫っていきます。
GAFAをはじめ巨大なテック企業の関係者がSNSや検索エンジンの闇の部分について語るドキュメンタリーと、インターネットの世界に日常を蝕まれていく家族を描いたドラマを織り交ぜ、その脅威をリアルに描いています。
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