まいどどうも、みなさん、こんにちは。
わたくし世界が誇るハイスペックウサギであり、かのメソポ田宮商事の日本支社長、ウサギ社長であります。あっという間に12月に入り、わたくしも年の終わりの経営会議から忘年会、そしてクリスマスパーティーまで走り回る気満々でありますが、そんな中でもやってまいりました今週のちょびっとラビットであります。みなさんわたくしのラビットホールへようこそ。
さてさて、今週も色んなニュースがありましたね。秋田県でスーパーにクマが立てこもっていた事件などは大小の違いはあれど同じ哺乳類としてわたくし的には非常に痛ましいニュースでありました。また2024年の「新語・流行語大賞」が発表されましたが、「ふてほど」が選ばれたのはわたくし個人、あ、いや、個兎的にはちょっと意外でした。できれば「地面師たち」でのピエール瀧さんの発言、「もうええでしょう」に取ってもらいたかったわたくしであります。世界的には、オーストラリアで16歳未満のSNS使用を制限する法案が可決されたことはなかなか衝撃的なニュースでした。スマホもそうですが、10代の子供を持つ親にとって学校から支給されるiPadなどのタブレットは深刻な闇である、という話もよく耳にします。デジタルデバイスやSNSなどとの向き合い方に違うレベルのリテラシーが求められる時代に突入したと言えるかと。
そして、本日取り上げたいのは、プラスチック環境汚染防止条約、というのが正式名称なのか若干の不安が残りますが、プラスチックによる環境汚染防止のための国際条約案の合意が先送りされた、というニュースであります。人類にとって便利なこと極まりないプラスチックですが、なかなか複雑な問題を世界にもたらしていることも確かであります。しかし、そのプラスチックゴミに対する国際的なルールというものが存在しないことは大きな問題であり、何はともあれとりあえずなんらかの国際ルールを制定しようじゃないか、というのが今回のプラスチックゴミによる環境汚染を防ぐ国際条約作りを進める政府間交渉委員会であり、今回は約180の国や地域が参加し、韓国の釜山で開催されたのですが、残念ながら合意には至りませんでした。具体的にはそもそもプラスチックを用いたモノの生産を規制すべきだ、と主張する規制推進派と、生産に対する規制は行わず、廃棄物対策のみに限定すべきだ、と主張する産油国側の主張が真っ向からぶつかり、妥協案が見つからないままに先送りになった、ということです。
プラスチック生産規制を巡る各国の利害対立となった今回の交渉でしたが、プラスチック問題が極めて深刻な問題である上に参加している国や地域の数も非常に多く、特に産油国にとっては、プラスチックの原料である石油の輸出量の減少に直結する上、EV車などの普及により減少している石油需要にさらに追い討ちをかける形となり、国単位での経済インパクトも大きいことが予想されるため、今後も交渉は難航しそうである、と言われているわけであります。
日本でもプラスチックゴミの問題は度々議題に上がっておりますし、日常生活においてもレジ袋の有料化や紙ストローを普及させる動きなどを通じて割と身近な問題として認識されている方も多いと思います。そもそもプラスチックというものは比較的近年の発明でありまして、ルリョーというフランスの化学者が1835年に塩化ビニルとポリ塩化ビニル粉末を発見し、これがプラスチックの始まりだと言われています。その後、1869年にアメリカの印刷工であるジョン・ハイアットがセルロイドを発明し、これが世界初のプラスチック商品と言われています。その後、ベルギー出身のレオ・ベークランドが1907年に初の合成高分子プラスチックを発明し、その後急速に世界中に普及した、という歴史があります。
しかも、全世界のプラスチックの生産量は年々増加を続けており、1975年に5000万トンだった生産量は2015年には4億トンに達し、わずか40年で4倍に増加していることがわかります。総量としては、1950年以降に生産されたプラスチックは83億トン以上、そしてそのうちの63億トンがゴミとして廃棄されていると言われています。63億トンがどのくらいかよくわからないので、調べてみると、東京スカイツリーが約17万個分だそうで、結局それもいまいちよくわからないですが、とにかくすごい量だということです。
そんなわけで、データのじかんでもタイムくんの連載においてもプラスチック問題については度々取り上げてきているのですが、他の世界のエリート経営者と同様に環境意識が非常に高いわたくしもこのようにプラスチック問題に関してはついつい関心を示してしまうわけです。と、世界のエリート経営者とうっかり言ってしまいましたが、企業の経営者が環境問題を優先しているとは限らない、というドキュメンタリー映画を最近わたくしは拝聴させて頂きまして、その内容がなかなか衝撃的でしたので、プラスチックに限った問題ではないですが、ここでちょっと紹介させて頂きたいと思います。
そのドキュメンタリー映画というのはNetflixで公開されている「今すぐ購入: 購買意欲はこうして操られる」という作品なのですが、顧客に絶え間ない消費を促すために企業が実践している戦略的アプローチ、アマゾンやアディダスなどの元従業員の証言に基づく消費文化を助長させるための手法やデータ分析、過剰生産と大量廃棄が地球環境に与える深刻な影響、加速するファストファッションが作り出す衣服廃棄物の現実、そして修理できないように設計され、製造された電子機器などの不適切処理の問題などが描かれた強烈なインパクトのある作品でしたので、ぜひ関心を持たれた方には拝聴をオススメしたいと思っております。
プラスチック問題、というのは比較的新しい素材であるプラスチックと共存する方法をまだ見出せていない地球全体の問題であり、プラスチックに限らず、過剰な個人消費は環境に悪影響を及ぼすものであり、個人個人がそれについて考えながら、また「モノは手に入れるよりも捨てる時の方が難しい」という事実を噛み締めながら「足るを知る」生活を心がけることが大事なのではないかと、わたくしはウサギなりに考えている今日この頃であります。といいつつ、紙のストローだけは今だに違和感しかないので、もう少しましな紙のストローを作れないものかと、日々不快感を露わにしてしまい、悔しさに地団駄踏んだり、ギャフンと言ったりしている師走ウサギがここまでお届け致しました。
それでは、また来週お会いしましょう。ちなみに、ちょびっとラビットのまとめ読みはこちらからどうぞ!アデュー、エブリワン。
(ウサギ社長)
・プラスチック規制の世界的合意、まとまらず 産油国が反対 | BBC NEWS ・プラスチックめぐる国際条約 合意見送り 各国の隔たり埋まらず | NHK NEWS ・<国際プラスチック条約の現在地>交渉難航のINC-3、生産規制はどうなるのか | GREENPEACE ・環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書 | 環境省 ・プラスチックっていつからあるの? プラスチックの歴史をざっくりとご紹介! | データのじかん ・EU・産油国の対立解消先送りの公算…プラスチック規制条約案、詰めへ最終交渉 | ニュースイッチ
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