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【タイムくん – 第69話:認知バイアス】

         

ここがポイント:カツカレーを注文するだけでもそれが藤井七段だった場合、人はそこに勝手に深い読みを感じる


みなさん、おはようございます。新米社員の時田大夢です。


なんだかプロ野球も始まらないし、甲子園もなくなっちゃったので、今年はちょっとライブ中継で楽しむものがあんまりないなーって思ってたんですけど、最近僕、見つけちゃいました。今、ライブ中継で観るオススメはなんといっても将棋なんじゃないかと思うんです。

将棋ってエクセルと同じくらい地味なイメージがあったんですけど、その世界を覗いてみるとエクセルかそれ以上にディープな世界で、僕はかろうじてルールがわかるくらいなんですけど、ライブ中継につきものの大盤解説の女流棋士の表情とか棋士同士の会話とか意外と面白いんですよね。もう1つの大きな特徴は、1局がやたら長いところなんです。野球とかだと3時間、長くても4時間で常に何かが起こってる状態で解説が同時進行で入るのに対して、将棋は8時間とか持ち時間が長い名人戦とかだと二日に渡って行われるんですよね。脳が使う消費カロリーも相当で、1局終わったら体重が2、3キロ減るって話も聞いて事あります。これはもはやスポーツですね。緊迫した状況のなか繰り広げられる攻防は格闘技さながらです。

 
 

昔はそんな長い枠のライブ中継って考えにくかったと思うんですけど、最近はAbemaTVに将棋チャンネルができたので、棋士のリアルな感じまで見れて、なかなか味わい深いんですよね。



最近だと、先日の渡辺明三冠と藤井聡太くんの一戦、つまり第91期棋聖戦五番勝負 第1局のことですけど、終盤に渡辺三冠が立て続けに王手をかけて、藤井聡太くんがずっと逃げていたんですけど、正しい手が一手しかない緊迫した状態が続いていたのに、淡々と刺し続ける藤井聡太くんってほんとスターの器って感じがしますよね。

最近は将棋がそんなにわからなくてもAIが最善手を教えてくれて、形勢判断も数値化されているし、大盤解説のベテラン棋士が何が起きてるのかをわかりやすく説明してくれるので、僕みたいな素人でも詰むや詰まざるやの攻防を固唾を飲む感じで楽しめるのもありがたいです。

そうそう、棋士の人たちにも今回漫画に出てきた認知バイアスって大いにあるみたいで、かつて飛ぶ鳥も落つ勢いだった羽生九段が指す手は全部良い手に見えていたそうです。羽生九段が初手に7六歩と角道を開ける手を打ったのを見て、プロ棋士が「なるほど」と膝を打って唸ったとかいう笑い話もあるそうです。初手7六歩って小学生でも打ってるくらいめちゃくちゃ一般的な手なんですけどね(笑)

最近では藤井聡太くんが打つ手は全部良い手に見えるそうです。個人的には彼がどんなものを昼食と夕食に注文するかにも注目してます。藤井聡太くんが注文するものは全部おいしそうに見えるのも認知バイアスなんでしょうね(笑)

彼ってまだ17歳で、もちろん僕よりずいぶん年下なんですけど、そんなこと関係なく尊敬しちゃいますよね。

みなさんも将棋は地味でつまらないって認知バイアスをお持ちかもしれないですけど、だまされたと思って一度将棋のライブ中継を眺めて見てみてください!将棋以外の部分でも結構楽しめますから。ちなみに先日の渡辺三冠と藤井聡太くんの一戦は渡辺三冠がうな重、藤井聡太くんがカツカレーでカツカレーの勝利でした。彼がカツカレーを注文するのにも深い読みがありそうに感じるのはハロー効果、なんでしょうね(笑)単純に僕がカツカレー好きだってのもあるかもしれませんが。。。

それはさておき、先週のマンガを見逃した方はこちらをどうぞ。1話目から読むにはこちらをどうぞ!「タイムくんの特集ページ」へはこちらから。それではみなさんまた来週!

(時田大夢)

作者:トツカケイスケ

埼玉県生まれ/東京都在住
明治大学理工学部卒業、デザイン制作会社にてグラフィックデザイナー・イラストレーターとして勤務し、2004年に独立。
「タイムくん」の漫画は、そんな作者のITへの予備知識やデザイナーとしての情報整理、イラストレーターとしてのスキルとシュールな性格が掛け算されて生まれています。

 
 

普段は本作とは違う3つの作風(コミカル・キュート・クール)を持ち、子供をモチーフにしたシニカルな作品で海外の展示にも多数出展。

 

https://www.totsunet.com/
Twitter | Instagram


「データのじかん」はThe Data Empowerment Company「ウイングアーク1st株式会社」が運営するオウンドメディアサイトです。

 

 

作者:トツカケイスケ

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