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時間の流れは全員に平等…ではない?
スカイツリーの上では時間がほんの少しだけ早く進むことが明らかに。

         

舌を出しておどけた顔写真でお馴染みの科学者、アルベルト・アインシュタイン。1905年から1915年にかけて「相対性理論」を発表し、天才の名を欲しいままにしました。

当時の科学界に衝撃を与えたこの理論、名前を耳にしたことがある人は多いでしょう。けれど相対性理論に「特殊」と「一般」の2種類あることはご存知ですか?

ものすごく簡単に言うと、特殊相対性理論は「静止している観測者から見ると、光速で移動している物体の時間は止まっている」という光速不変の原理を提唱しており、一般相対性理論は「重力は空間と時間を歪める」という重力の相対性を提唱しています。

相対性理論はそれまで常識だったニュートン力学をくつがえす発見でした。このふたつの理論の相違点をまとめたのが以下の表です。

項目

空間

時間

重力

相対性理論

絶対静止はない

(相対空間)

光や、重力で、曲がったり、伸び縮みしたりする

真空中の光速度普遍

(観測者に対する速度が普遍)

重力に影響される

速度や、重力で変幻自在に伸び縮みする

(相対時間)

消えるときがある

空間や光や時間も引き寄せる

ニュートン力学

絶対静止がある

(絶対空間)

何物にも微動だにしない

真空中の光速普遍

(絶対静止に対する速度が普遍)

重力には影響されない

何物にも左右されない

(絶対時間)

消えない

質量のある物どうしにしか作用しない

特殊相対性理論については、シンクロトロンなどの高速粒子加速器を用いた実験で正しいことが実証されています。ただし一般相対性理論については、試行錯誤が重ねられてきたものの実証には成功していませんでした。

しかし、東京大学の研究チームが2020年4月に専門誌に発表した論文で、東京スカイツリー展望台の時間は地上より速く進んでいると発表しました。これにより「重力が小さい場所では、大きい場所より速く時間が進む」こと、すなわち一般相対性理論が実証されたのです。ノーベル賞に値するとも囁かれるこの成果は、いったいどのようにして導かれたのでしょうか。

「時間だけは誰にでも平等」ではなかった

この実験を行ったのは、東京大学の香取秀俊教授が率いる研究チーム。誤差が300億年に1秒という超高精度時計「光格子時計」を使用して、高低差が約452.6メートルの東京スカイツリーの展望台と地上階の2カ所で時間を計測し、高度によって流れる時間に違いが生まれることを証明しました。

計測によって明らかになった時間差は、10億分の4秒/1日。単位が日常離れしていてピンと来ないかもしれませんが、香取教授によるとこの実験の成果は「これまで宇宙規模のことのように考えられていた一般相対性理論の効果が、光格子時計によって地上の実社会で役立つ計測対象になったこと」。時間差の大小ではなく、時間差の存在を実証したことに意義があるのです。

 
超高精度時計「光格子時計」の仕組みとは

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