世の中にはMaaSだとか、SaaSだとかPaaSだとかIaaSだとか、似たような言葉が多いですね。似てはいますが、もちろん、それぞれ意味は全然違いますので、きちんとその意味を覚えておきたいものです。
今回取り上げるのは、RaaSという言葉。「また同じような言葉かよ…」と思わずに、その意味を見ていくことにしましょう。
RaaSとはRobot as a Serviceの略で、「サービスとしてのロボット」という意味になります。これはロボットメーカーとクラウドサービス企業が協力し、必要な時に適切な費用のみを出してロボットを使用できるサービスのこと。いわばロボットのシェアリングエコノミーです。ロボットを動かすための制御用のソフトウェアを、クラウド経由で提供しています。
使用量に応じて課金するサブスクリプション(購読)モデルによって提供されているので、導入時の初期投資がゼロになるというメリットがあります。ロボットの稼働状況などもクラウドで把握できるため、ロボット設置後の最適化も図りやすい設計となっています。
アメリカ・カリフォルニア州にあるSavioke(サヴィーオーク)というロボットメーカー。
この会社はホテル用デリバリーサービスロボット「Relay」を製造しており、RaaSとしてホテルチェーンに提供しています。このロボットはホテルスタッフの代わりに客室に飲み物やアメニティグッズなどを自動運転で届けるもので、エレベーターや内線電話との連携機能を持ち、自分でエレベーターに乗ってフロアを移動。客室前に到着すると内線を鳴らしてゲストに到着を知らせることができます。
Relayは、1台あたり月に2000ドル(約22万円)くらいから導入できるそうです。(注:2018年10月時点でのアメリカにおける参考価格。)利用した分だけコストが掛かるという料金形態なので、導入のハードルは低いと言えるでしょう。Relayのサービス自体は2015年から始まっているのですが、ウェスティンホテルやヒルトンなどですでに実際に採用されています。導入後の調査によると、Relay導入によってホテルスタッフの生産性が上がり、宿泊客の満足度も高まったそうです。最近では、日本でも導入事例が増えているようなので、目にする機会も今後増えてくるかもしれませんね。
Relayの仕事っぷりは下記の動画でチェックできます。
Savioke以外にもRaaSのビジネスモデルを採用している企業はたくさんあります。
一例を挙げると、ドローンを使って農業地域を測量するPrecision Hawk(プレシジョンホーク)、監視用ロボットのサービスを行うKnightscope(ナイトスコープ)、病院用の輸送ロボットを提供するAethon(エイソン)、モバイル遠隔診療ロボットメーカーのInTouch Health(インタッチヘルス)、無人水中探査ロボット開発メーカーのLiquid robotics(リキッドロボティクス)などがあります。
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