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2019年9月6日、「UPDATA! 製造業 全国3都市開催セミナー」の東京会場イベントが御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターにおいて開催されました。

当日は、製造業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みの現状と先進企業の実例を学ぶために、400名を越える参加者が集まり、最新のデータ活用とデジタルテクノロジーの可能性をひしひしと感じるセミナーとなりました。

今回の東京会場のフォーラムでは、建設・土木機械の株式会社小松製作所 開発本部 ビジネスイノベーション推進部 部長 浅田寿士氏による「コマツにおけるダントツサービス、ソリューションとイノベーション 〜製造業におけるIoT、DXの重要性と親和性〜」の発表、電気部品メーカーの株式会社村田製作所 モジュール事業本部 IoT事業推進部 m-FLIPソリューション企画開発課 シニアマネージャー 郷間真治氏による「村田製作所のデータ活用の進め方と実践事例のご紹介」の発表、続いて、ウイングアーク1st株式会社のプロダクト戦略室 副室長 大畠幸男氏による「IoTデータのリアルタイム集計による製造現場の可視化」の合計3セッションが行われました。

事例紹介を行った二社は世界でもトップクラスの企業として、デジタルテクノロジーとデータを活用し、飛躍的な生産性の向上と製品開発の効率化によるROEの向上を実現しています。製造業ならではのデータ活用の技術とノウハウに加え、生産性向上や新たなサービスの開発などに活用されている製造業の未来を感じることができるイベントでした。

中でも、株式会社小松製作所 浅田氏による発表は、データ活用を高度化することにより、自社の生産性向上や効率化だけにとどまらず、新たなソリューションの開発や製品の革新的な進化につながる例としてとても興味深い発表でした。

この記事ではこの発表の内容を簡単にご紹介します。

真の顧客満足には、顧客目線からのバリューの実現が必須

株式会社小松製作所 浅田寿士氏

世界的な建設機械メーカーであるコマツでは、従来、製造現場のデータを活用することで、生産性の向上と製品開発の効率化を実現してきた企業です。その顧客は全世界に広がり、製品が使われる現場も熱帯から極地まで、市街地から標高4000mを越す高地まで広がり、それぞれの環境に適した製品を開発しています。

コマツでは、真の顧客満足を実現するために、生産から流通、稼動現場まで、すべてに「段トツのバリューを実現する」という企業戦略を持っています。他社との圧倒的な差別化を実現するために行ったのは、「真の顧客目線」へのシフトだったのです。

コマツは実際に自社製品が使われる環境や顧客の収益構造に関しても調査を行い、徹底的にデータを収集し分析を重ねました。IoT技術やデジタルテクノロジーを活用し、全世界で稼動する56万台にもおよぶ自社製品の利用データをモニタリングし、稼働状況やランニングコスト、メンテナンスコストやサービスに至るまでありとあらゆるデータの収集を徹底して行いました。

収集した膨大なデータを分析してみると、建設機械の初期導入コスト以上にランニングコストが高い製品があること、機械故障による機会損失が多いことなどの問題が見えてきました。また、機械故障の予測と最適な保守メンテナンスサイクルを実現することで生産性の向上が見込めること、それにより顧客側のコスト削減が可能になることが分ってきたのです。

データが創り出した新たなソリューション:最善の商品とともに最善の使い方を顧客に提供する

顧客への建設機械の稼動データから見えてきたのは、サービス部門の最適化だけではありません。顧客の保守整備データは、開発・生産現場にもフィードバックされ、「最善の商品とともに最善の使い方を顧客に提供する」ことを可能としています。

また、建設機械の稼動データを収集・解析することで、オペレーターの高年齢化や熟練技術者の不足など、主要な顧客である建設・土木業界の抱える問題点も浮かび上がってきました。現場での作業は個人のスキルに依存する面が多く、施工品質の高度化や生産性の向上が単純ではありません。また、工程管理やコスト管理などにも多くの課題があります。

コマツは、デジタル技術の導入が遅れている建設・土木施工現場において、生産性の向上のために建設機械メーカーができることがあると考え、顧客目線のデータ収集を重ねてきました。その結果、顧客の事業領域に踏み込んだ各種のソリューションが生み出されたのです。

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