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データで検証:リモートワークによって女性の働き方やウェルビーイングは改善されたのか?

         

育児や介護、家事など、ケアの仕事の負担がかかりがちな女性たち。

女性の社会進出が叫ばれ、家庭のケアと仕事の両立が求められる世の中になる中で、それを実現するためには柔軟な働き方が必要となります。

そうした中で、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、テレワーク化がすすみ、以前よりもより柔軟に働けるようになったり、家事や育児・介護などの負担を分散できるようになったりした、と感じている方も多いのではないでしょうか。

アフターコロナで、女性達がより良い環境で働くために、テレワークに対しどのような利点を感じているのか、さらにそれが、女性たちの仕事やライフスタイルにどのような影響を及ぼすのか、を理解することは非常に重要です。

そこで今回は、テレワークの環境によって女性の働きやすさがどのように変化したのか、あるいは課題に感じていることは何なのか、についてデータで見ていきたいと思います。

女性たちの間で広がるテレワーク、アフターコロナでの需要は?

まず新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、女性たちの間でどの程度、テレワークが広がっていったのかについてデータで見ていきます。

ここでは、株式会社エン・ジャパンが2020年6月に発表した「女性800名に聞いた『テレワーク』実態調査―『エンウィメンズワーク』ユーザーアンケート―」を参照します。

働く女性たちの中で、実際にテレワークで働いた経験についてアンケートをとったところ、2020年1月と比較して2020年5月時点では、テレワークの経験があると回答した人が25%増加の34%となったそうです。

引用:株式会社エン・ジャパン「女性800名に聞いた『テレワーク』実態調査―『エンウィメンズワーク』ユーザーアンケート―」

業務がテレワークに移行したきっかけとして、最も多かったのが「新型コロナウイルスの影響」で78%となっています。

引用:株式会社エン・ジャパン「女性800名に聞いた『テレワーク』実態調査―『エンウィメンズワーク』ユーザーアンケート―」

ついで、「元々テレワーク勤務が可能な職場・仕事」や「フリーランスで働いている/働いていた」のように、そもそもの環境としてテレワークを選択していたという回答がならび、「子育てと仕事の両立のため」という回答も7%程度ありました。

アフターコロナでもテレワークを継続したい女性達の意図とは?

コロナ禍を機にテレワークを選択する人が増える中、アフターコロナで働く環境について女性達はどのような希望を持っているのでしょうか?

そこで続いて、「今後、テレワークで働きたいと思いますか」という設問について見ていきます。

 

引用:株式会社エン・ジャパン「女性800名に聞いた『テレワーク』実態調査―『エンウィメンズワーク』ユーザーアンケート―」

この設問に対し、テレワークの経験の有無を問わず、70%以上の人が今後もテレワークで働きたいと感じていると回答しました。

特にテレワークの経験がある人では80%以上が今後、テレワークで働きたいと回答しています。

テレワークで働きたい理由として、「通勤のストレスがなくなるから」が全体の3/4を占める75%、また、「ウィルスなどの感染予防になるから」が次いで70%となっており、移動における心身や時間の消耗の削減や、健康維持を目的とした回答が高く支持されています。

引用:株式会社エン・ジャパン「女性800名に聞いた『テレワーク』実態調査―『エンウィメンズワーク』ユーザーアンケート―」

一方で「家事・育児に充てる時間を作りたいから(37%)」や「介護に充てる時間を作りたいから(6%)」など家庭内でのケアワークとの両立を目的にテレワークを望む人も見られました。

テレワークはウェルビーイングにつながる? 女性たちの実感

ここまでのアンケート調査を見る中で、テレワークによって、家庭内でのケアワークと仕事を両立する女性は以前よりもケアワークに充てられる時間が増えている、ということがわかってきました。

そうした中で、テレワークが女性たちにとって生活の満足度(ウェルビーイング)の向上につながっているのか、をデータで見ていきます。

株式会社野村総合研究所が2020年9月に発表した資料「アフターコロナの働き方改革と女性活躍推進に向けて~在宅勤務経験者とマネジャーの意識の変化からの展望〜」によると、「在宅勤務を活用することによって、家事や暮らしにかけられる時間が増えた」という回答が働く女性全体の68%、 「在宅勤務を活用することによって、育児・子育てにかけられる時間が増えた」 という回答が子どもがいる女性の60.6%が実感している、ということです。

引用:株式会社野村総合研究所「アフターコロナの働き方改革と女性活躍推進に向けて~在宅勤務経験者とマネジャーの意識の変化からの展望〜」

さらに働く女性全体の半分にあたる49.4%が「在宅勤務を活用することによって、暮らしに対する満足度が高まった」が感じていることがあきらかになり、在宅勤務による柔軟な働き方や可処分時間の増加は生活満足度の向上につながるとわかります。

また、男性を含む、在宅勤務実施者にウェルビーイングの向上についてアンケートを行った結果、全体のおよそ半数に当たる47.9%が「在宅勤務を活用して働き方でウェルビーイング向上を感じた」と回答したそうです。

引用:株式会社野村総合研究所「アフターコロナの働き方改革と女性活躍推進に向けて~在宅勤務経験者とマネジャーの意識の変化からの展望〜」

性別・年齢別に見てみると男性と比較して女性の方がよりウェルビーイングの向上を感じており、40代〜50代と比較して子育て世代にあたる20代〜30代のほうが、多く見られたようです。

さらに同調査の中における「ウェルビーイングを高めていくことは仕事の生産性をあげるのか」という設問についても、回答者の65%以上が「生活満足度の向上が仕事の生産性に影響をもたらす」と考えていることが明らかになりました。

引用:株式会社野村総合研究所「アフターコロナの働き方改革と女性活躍推進に向けて~在宅勤務経験者とマネジャーの意識の変化からの展望〜」


こちらも男性と比較して女性のほうが、「生活満足度の向上が仕事の生産性に良い影響を与える」と感じているという結果が出ており、テレワークによって実現する柔軟な働き方が生活満足度、ひいては仕事の生産性の向上につながりうるのだ、ということがわかりました。

1年以上にわたって続くコロナ禍。それを乗り越えた先でよりよい社会を実現するために、今後も「テレワーク」をどのように取り入れていくかを考えていきましょう。

【参考引用サイト】
・ 「アフターコロナの働き方改革と女性活躍推進に向けて~在宅勤務経験者とマネジャーの意識の変化からの展望〜」女性800名に聞いた「テレワーク」実態調査34%が「テレワークの経験がある」と回答。1月より25ポイントアップ。 経験者の78%が、「新型コロナウィルスの影響でテレワークを開始した」と回答。―『エンウィメンズワーク』ユーザーアンケート―

(大藤ヨシヲ)

 
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