OECDとは「経済開発協力機構」という国際組織の略称です。
元々は第二次大戦後のヨーロッパの復興を行うために発足したOEEC「欧州経済協力機構」という組織でしたが、ヨーロッパの経済成長に伴い、先進国間における自由な意見・情報交換を通じて世界経済に貢献することを目的として1961年にアメリカ、カナダが参加を機に誕生しました。
日本は1964年に加盟しており、2017年3月現在では35か国が加盟していますが、中国やロシアといった国は加盟していません。先進国の中でも自由経済国家が中心となっている組織です。 OECDの大きな目的としては「経済成長」「貿易自由化」「途上国支援」の3つが挙げられます。
OECDが行う役割として経済統計や分析といった分野があります。各国の政策や状況の調査、分析を行いその結果を加盟国の政府へ提言するシンクタンクとしての役割も担っています。また、経済統計といっても開発や金融だけでなく、教育や貧困率といったテーマについても議論されており、単なる経済発展のための組織というよりも、世界全体の社会福祉の向上を目指している機関であるといえます。
OECDのメリットとしては、議論が進展しやすいという点が挙げられます。これは加盟国が基本的に自由主義経済を採用する先進国であるために価値観が比較的近い国で構成されていることが理由のひとつです。
貿易方法の違いなどで利害関係が対立していると、どの分野においても議論が進みにくくなるという問題が起こりやすいのですが、OECDはそういった摩擦は生じにくい構成になっています。 また、OECDには1400人を超える専門家がおり、世界最大のシンクタンクとも呼ばれています。これだけの専門家と先進国といわれる国々の間で、様々な分野の議論が行われるのですが、特に「経済政策・分析」「規制制度・構造改革」「貿易・投資」「環境・持続可能な開発」「ガバナンス」においての活動が活発です。これらの物事について加盟国同士で相互審査を行うため、自国の経済や社会政策が他国と比べて良いかどうかを測る物差しのひとつになっています。OECDで話し合われた政策が世界標準になっていくことが多いため、「世界のスタンダード・セッター」とも呼ばれています。
このように加盟することで得られるOECDのメリットは非常にたくさんのものがあります。デメリットを強いていうなら、非加盟国の経済活動が世界標準から取り残される恐れがあるということで、「加盟しないことがデメリット」であるといえるでしょう。
(データのじかん編集部)
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