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実はタックスヘイブンは、国際社会からは「不透明なお金の流れ」を助長しているという指摘があります。具体的には、脱税やマネーロンダリングの温床になっていると批判されているのです。マネーロンダリングとは資金洗浄とも呼ばれ、「麻薬取引や粉飾決算など犯罪によって得られた資金を、架空または他人名義の金融機関口座などを利用し、転々と送金を繰り返したり、株や債券を購入したりするなどして資金の出所をわからなくする」ことです。
さて数年前、世界で「パナマ文書」という言葉が話題になりました。パナマもタックスヘイブンの1つですが、パナマ文書とは、この地にある「モサック・フォンセカ」という法律事務所が持っていた過去40年分の金融取引に関する内部文書のことです。この法律事務所は、「租税回避地での法人設立の代行業」「租税回避地を利用した金融アドバイス」を主な業務としていました。
この事務所の内部文書が流出してしまい、多くの顧客が租税回避地にペーパーカンパニーを作っていたことが明らかになりました。なかには世界的に有名な映画スターやスポーツ選手、某国大統領の友人や首相の息子など、著名人やその親族などの名前が載っていました。
タックスヘイブンに会社を持つことは法律に反しているわけではありません。パナマ文書に著名人の名前が載っていても、自国で正しく納税している可能性もあり、決して税金逃れをしているというわけではありません。
とはいえ、実態の見えにくいペーパーカンパニーがあるのは事実であり、これらに対しての監視強化などが焦点となります。パナマ文書は、2016年のG7(主要7カ国首脳会議)、通称「伊勢志摩サミット」でも議論されました。
流出したパナマ文書のデータ容量は2.6TB(テラバイト。1テラバイト=1000ギガバイト)だそうです。データが流出した経緯については謎とされていますが、一説には「WordPressのプラグインが原因」と言われています。上述のモサック・フォンセカ法律事務所のWebサイトは古いバージョンのWordPressプラグインを使用しており、外部からのハッキングに対する脆弱性を持っていた可能性があるのです。
WordPressによって構築されたホームページを持っている企業・組織は、世の中にたくさんあると思います。しかし、セキュリティに関して定期的に見直していないというところも多いのではないでしょうか。パナマ文書のように機密性の高い情報が漏洩してしまうことを防ぐためにも、Web担当者には適切な対応が求められます。
【参考記事】 ※1 タックスヘイブンとは何か _ 注目記事 - 金融を目指す就活生必読のニュース・情報 _ キャリタスファイナンス ※2 タックスヘイブンに関するトピックス:朝日新聞デジタル ※3 マネーロンダリング│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券 ※4 今さら人に聞けない「パナマ文書問題」何がいけないの? _ ZUU online ※5 「富裕層監視」のため世界各国が連携する事情_au Webポータル経済・ITニュース ※6 パナマ文書流出はWordPressの脆弱性?事例から学ぶセキュリティの重要性 - IT業界まるわかりガイド
(安齋慎平)
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