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薬価制度とは、日本において厚生労働大臣が定めた保険医療に使用できる医薬品に公定価格(薬価基準)が定められているという制度です。

欧米諸国では、医薬品は自由価格制度をとっている国もあり、なかには高額になっている薬もあるため、金銭的に余裕がある場合はより良い治療を受けられますが、経済状況によっては満足な治療を受けられない場合があります。一方で日本は、すべての人に公平に治療を施すために、厚生労働省と中医協(中央社会保険医療協議会)によって医薬品ごとに一定の公定価格が決められているのです。現行の薬価制度では、新薬が出るたびに価格が設定され、さらに2年ごとに価格見直しをすることになっています。価格は医薬品の有用性や新規性にもとづき、製薬会社の利益も考慮して設定されていますが、欧米諸国に対して利益率は低い傾向です。価格見直しでは、公定価格と市場における販売価格とが比較され、なるべく販売価格に近づくように改定されるため、年々価格は下がることが多いといわれます。

なお制度の国際比較をすると、アメリカは自由価格制度を、イギリスでは一定の制限内での自由価格制度を採用しています。カナダやフランスは日本と同じく公定価格の薬価制度であり、オランダやアイルランドでは政府が医薬品の上限額を定めています。

薬価制度の改革がビジネスに与える影響とは?

2016年度に日本政府は、薬価制度の抜本的改革に向けた基本方針を策定しました。この改革は、2017年以降も継続して検討されます。この薬価制度の改革について、主要な柱となるのは(1)ジェネリック医薬品の薬価引き下げ、(2)既存薬・新薬のうち販売額が年1000億円を超えるものは薬価引き下げなど、医薬品の価格引き下げによる国の医療費負担減や、患者の自己負担額減を目指した施策です。

その一方で、高い効果や新規性が認められる新薬については、据え置きとし、製薬会社の研究開発を促進します。このような改革により、今後は製薬会社の競争激化や淘汰が見込まれており、既存薬やジェネリック薬品の安定的な販売と、新薬開発の強化という2軸が重要になるといわれています。薬価制度の改革を受け、製薬会社では特許切れのブランド薬品の販売移管や、ジェネリック医薬品の取り扱い拡大、海外企業との新薬共同開発を進めています。このように、薬価制度改革が製薬事業におけるビジネスに与える影響のひとつとして、よりいっそうグローバルな協働体制による利益の確保や製品の拡販が挙げられます。今後は専門知識だけでなく、英語をはじめとする語学力を有した人材の育成も重要になるでしょう。

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