About us データのじかんとは?
まいどどうも、みなさん、こんにちは。
わたくし世界が誇るハイスペックウサギであり、かのメソポ田宮商事の日本支社長、ウサギ社長であります。週ごとの連載ですので、先週も今週も、そして来週も全国津々浦々のお茶の間から電車の中までそこにスマホがある限りあらゆるところから失礼させて頂いております、ありがとうございます、と、ここまで書いて、この口調が何かに似てるなぁ、とふと思ったのですが、あれですね、名前を連呼した後にお礼を言い、白い手袋をつけた手を振りながら走り去っていく選挙カーのそれ、ですね。わたくしのようなウサギにとって聴覚はやはり五感の中でも非常に重要な感覚となっておりますので、毎日のように耳にしていると自然に影響を受けてしまうものなのであります。ありがとうございます。わたくし、データのじかんで連載中のタイムくん、そしてこのちょびっとラビットでお馴染みのウサギ社長でございます。
えーと、そんなわけでここ日本では選挙期間の残すところ一週間を切りましたが、10月15日に衆議院選挙が公示されたことも含め、今週もいろんなニュースが世界を駆け巡りました。プロ野球はクライマックスシリーズが盛り上がりを見せていたり、大谷選手が所属するドジャーズがワールドシリーズ進出を決めたり、自民党本部への火炎瓶投げ込みの事件が起きたり、アメリカの大統領選をめぐってはハリス氏の誕生日にスティービー・ワンダーがハッピーバースデーの曲を歌いに来たり、トランプ氏が某ハンバーガーチェーンでフライドポテトをあげるパフォーマンスを行ったりなどがニュースになっていて、一体どこからどこまでが政治の話なのかちょっとよくわからない気もしますが、11月5日の投票日は刻一刻と近づいて来ておりますです、はい。
まぁ、現状で言えば、さすがに政治家のみなさん、というのはまだしばらくは二足歩行を基調とする人間の方々がお勤めになることが必須かと思いますし、AIロボットが市民と握手して回る選挙活動にはそれほど意味がないような気もしますが、たとえば議員先生のスピーチ原稿などではAIを使って叩き台の部分をしたためる、なんてことはすでに行われているのではないでしょうか?この原稿はさすがにわたくしが一文字一文字真心を込めて、パソコンのキーボードを活用したブラインドタッチ入力により作成させて頂いておりますが、最近の世の中ではAIを使って作曲した音楽、動画やイラストなどがかなりのスピードで増えつつあります。それもそのはず、人間が頭を抱えて悶え苦しみながら何日もかけて必死に制作した作品もAIの手にかかると似たようなものが1日に何十も何百も、なんなら一秒間に30万パターンのメロディーを作れてしまうわけですので、作品数で言えばAIが作る作品数が人間が手がけたものよりも多くなるのはもはや時間の問題だと言えます。そこで、今回のちょびっとラビットでは、AIが制作した作品は誰のものか?という話をちょっと取り上げてみたいと思っております。まだまだ結論が出ていない議題ではあるので、今後解釈が変わってしまう可能性は十分にありますが、現段階での話を少しさせて頂きたいと思っております。ありがとうございます。毎度お馴染みのウサギ社長でございます。
えー、おっほん。つまりその、人間の作品にはいわゆる「著作権」という権利が認められておりますが、では、AIを使って作った作品はどうなるのか、というのは非常に興味深い問題であります。米国ノースカロライナ州に住む52歳の男性、マイケル・スミス氏がAIを使って作った何十万という数の曲を大量にSpotifyなどのストリーミングサービスに登録し、自動再生するボットを活用してこれらの楽曲を1日あたり66万1440回再生させることにより、年間約120万7128ドル(約1億8000万円)を不正に稼いでいたことが判明し、2024年9月に逮捕された、というニュースが先月音楽業界を中心に話題になっていました。このニュースはどちらかというとボットによる不正な再生の部分の方が大きな問題だったのですが、AIを使って作曲した場合の著作権はどうなるのか、というみんなが不思議に思っていたグレイゾーンに光を当てる形となりました。
そんなわけで、AIが作成した楽曲の著作権がどうなっているのか、について最近わたくしの人生になくてはならない存在になりつつあるPerplexityというAIに「AIを使って作った音楽の著作権は誰のもの?」と聞いてみたところ、下記のような回答を得ることができました。
AIを使って作った音楽の著作権については、現状では明確な答えがない複雑な問題です。主なポイントは以下の通りです: 1. 完全にAIが生成した音楽は、著作権保護の対象にならない可能性が高いです。多くの国の著作権法では、人間の創造性が必要とされているためです。 2. AIを補助的に使用して人間が作曲した場合は、著作権保護の対象となる可能性があります。ただし、AIの寄与度によっては判断が難しくなります。 3. AIツールの利用規約によって、生成された音楽の権利関係が異なることがあります。例えばSunoでは、有料会員は生成された音楽の所有権を得られますが、無料会員は非商用利用のみ許可されています。 4. AIの学習データに著作権で保護された楽曲が使用されている場合、権利侵害の問題が生じる可能性があります。 5.有名アーティストの声や曲調をAIで模倣する行為は、パブリシティ権や著作隣接権の侵害につながる恐れがあります。 6. 現行の著作権法では、AIが生成した音楽の権利を適切に扱えない可能性があり、法改正の必要性が議論されています。 結論として、AIを使った音楽制作の著作権問題は未解決の部分が多く、今後の法整備や判例の蓄積が待たれる状況です。クリエイターはAIツールの利用規約を確認し、著作権侵害のリスクに注意を払う必要があります。
AIの著作権についての質問をAIに直接聞いてみると現段階での回答がちゃんと返ってくる、という本当に便利な時代になったものであり、便利だなぁ、と思うのと同じくらいの畏怖の念も湧き上がってくる今日この頃ではありますが、日本の著作権法では「思想又は感情を創作的に表現したもの」を保護対象としているらしく、AIのみによって生成した音楽作品は著作権が認められていないそうです。音楽に限らずあらゆるクリエイティブにこれと同様のルールは適応されることになるかと思います。
しかし、AIが作った大量の作品群の中から「良いものを選ぶ」という選定部分は人間にしかできない作業であり、このプロデューサー的な役割を誰が担うかによって楽曲がヒットしたり、かすりもしなかったりするので、音楽を作る、という作業的な部分を機械が担うようになったとしても、何がよくて何がいまいちか、という取捨選択の判断をするのはどこまで行っても人間がやる必要がある作業でありますし、どんなメロディーを心地よく思うか、あるいはどんな歌詞やハーモニーに感動するか、という部分に関する決断をするところがいわゆるセンスと言われる部分であり、お金が儲かるか儲からないかの分かれ目でもあるので、人間の判断なくして「良い音楽」というのは少なくともまだ現段階あり得ないことなので、非常に判断が難しいところではあります。たとえば、AIが作成したメロディーやリズムパターンからクインシー・ジョーンズ氏が良いと思うものを選りすぐって作成したアルバム、とか言われるとやはり聞いてみたいと思ってしまうわけですし。ちなみに、この例のように人の手が加えられた作品は著作権の対象になるという解釈が有力だそうです。
ちなみに、前述のマイケル・スミス氏は電信詐欺共謀罪、電信詐欺罪、マネーロンダリング共謀罪の3件の罪に問われており、彼の場合は、ナスカの地上絵を発見したAIとはまた別のアングルでやりすぎちゃった感が否めないわけですが、最高60年の禁固刑に処される可能性がある、とのことです。
さて、そんなわけで、どんどんこれから解釈が変わっていくであろうトピックではありますが、今週はAIが制作した作品は誰のものか?という話題を取り上げてみました。それでは、また来週までごきげんよう。ちなみに、ちょびっとラビットのまとめ読みはこちらからどうぞ!アデュー、エブリワン。
(ウサギ社長)
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・Music Producer Accused of Using AI Songs to Scam Streaming Platforms Out of $10 Million in Royalties | VARIETY
・AI作曲の音楽と著作権法 JASRACの懸念と対応の現状 | AILANDS
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