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AI(人工知能)についての話を聞いていると「強いAI」「弱いAI」という単語が出てくることがあります。
「弱いAI」とは、人間を模倣しているかのように知的処理ができるAIのことで、「強いAI」とは、人間と同じように思考し学習能力を備えているAIのことです。明確に区別されてそれぞれの研究が進められています。
これまで実用化されてきたAIの大半は弱いAIの方だったといえます。
弱いAIには人間と同等の学習能力はありませんので、情報をインプットするときには一から十までの詳細を入力する必要がありました。人間のように「一を聞いて十を知る」という思考がAIには困難だったためです。機械は異なる情報を紐付けて新しい結論を導き出すのが苦手です。そこで、人間の手で複数の情報をカテゴライズし、機械が計算できるように整理する必要があったのです。しかし、この方法では人間の負担が大きくなりますし、精密で複雑な思考は機械に任せることがなかなかできませんでした。
そこで注目され始めたのが、ニューラルネットワークを駆使して人間の思考プロセスをトレースした強いAIの開発です。 機械が人間と同等の思考力を手に入れたら、わずかな情報を発展させて新しい情報を導き出すことも可能になります。これまで機械には不可能と思われてきた、人間の感情を理解することも期待できます。強いAIは汎用性の高いAIとして発展が望まれています。
強いAIの先駆けとして名前が挙がることの多いシステムがAppleの「Siri」です。
音声で質問を入力すると、的確な答えを教えてくれるSiriはこれまでのAIにはなかった機能をいくつも備えています。中でも衝撃的だったのは人間の言葉の文脈を読み取る性能があったことです。弱いAIであれば、正確な文脈以外の言葉には反応できず、思考停止に陥りがちでした。しかし、Siriは曖昧な言葉を投げかけても文脈を推測し、思考できるようにプログラムされているのです。
Siri以降、強いAIの利便性は一般に広く認知されるようになりました。 しかし、Siriが本当の意味で強いAIと呼べるのか疑問視する意見もあります。現在のところ、Siriが質問を聞き返してきたり、思考停止したりする頻度は高く、いまだプロトタイプにすぎないのではないかとも言われています。長期的視野に立てば、Siriもまた弱いAIの範疇である可能性もあります。今後、AIの研究がさらに進行したとき、強いAIの本質が明らかになると考えられています。
今後のAIの発展に期待しつつ、データのじかんとしても注目していきたいと思います。
(データのじかん編集部)
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