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雨の日が続きますね。こういう日は自宅から出ずに籠っていたいところですが、なかなかそうも行きません。雨の日も風の日も出勤しなければなりませんからね…。
ところで、雨の日の出勤前にチェックするものといえば「降水確率」。普段何気なく見ている予報ですが、例えば降水確率50%ってどういう意味なのでしょうか?
ということで今回は、「降水確率」の疑問に迫ります。
降水確率とは、ずばり雨が降る確率です。気象庁では、降水確率を以下のように定義しています。
・予報区内で一定の時間内に降水量にして1mm以上の雨または雪の降る確率(%)の平均値(%の下一桁は四捨五入)
・降水確率30%とは、30%という予報が100回発表されたとき、その内のおよそ30回は1mm以上の降水があるという意味
降水確率は、しばしばその地域で雨の降る「面積」や「時間の割合」と誤解されがちですが、雨の降る「確率」であることに注意が必要となります。
上の定義だと難しいので、以下で解説して参ります。
気象庁の定義によれば、降水確率50%というのは、50%という予報が100回発表されたときに、そのうちの50回は1mm以上の雨が降るということです。
ちょっとわかりにくいと思いますので言い換えますと、過去に同じ気象条件が100回あったとして、そのうち50回で1mm以上の降水があったら、降水確率は50%となります。つまり、過去のデータの統計に基づいているわけです。
さらに、予報区(予報および警報・注意報の対象とする区域)で一定の時間内に1mm以上の雨が降る確率の「平均値」であることから、単純に降水確率が50%だとしても地域によって確率が異なることがわかります。具体的には、「東京で降水確率50%」と言っても、世田谷区と荒川区では降水確率が違うというわけです。
降水確率50%というのは、雨の降るエリアや時間の割合ではないことを押さえておきましょう。
降水確率が100%だから大量の雨が降る、というわけではありません。
降水確率100%とは、予報区内で同じような気象条件が100個あったとして、そのうち100回の気象条件で1mm以上の降水があるということです。
こちらもあくまでも確率であって、1mm以上の雨が過去100回降ったというだけを表しています。そのため、必ずしも大雨が降るというわけではないのです。
また降水確率0%とは、降水確率が5%未満のことであり、雨が降らないわけではない点も注意です。ですから、降水確率0%で小雨が降った場合は、気象予報士のミスというわけではなく、定義上0%としているだけなのです。
降水確率予報は1980年6月から東京地方で始まり、1986年3月から全国で発表されるようになりました。
降水確率が開始されてから30年以上も経過しているのですね、降水確率は「確率」ですから、他のデータ活用の場合と同様、データが集まれば集まるほど精度が上がっていきます。ゆえに、今後時代を経るごとに降水確率の精度が上がっていくと思われます。 そして、降水確率とはつまりデータの賜物ということになります。
以上、降水確率の謎に迫ってみました。「降水確率100%というと土砂降り」「降水確率0%だと雨が降らない」と思いがちですが、実際はそうとは限らないということがわかりました。数字のマジックに騙されないようにしたいものですね。
降水確率は「確率」です。傘を忘れて大雨に打たれても、決して気象予報士を恨むのではなく、「確率だから仕方がない。運が悪かった」と思うようにしたほうが良さそうです。
「降水確率の謎」に興味を持たれたあなたに、データリテラシーを高めるための次のステップをお勧めします。”データリテラシーを高める5つのステップ”の記事は、データをどう解釈し、活用するかに焦点を当て、ビジネスパーソンがデータから価値を引き出す方法を具体的に解説しています。降水確率の解釈に関する前の記事と同様、この記事もデータの理解を深め、その活用方法を学ぶ上で非常に役立ちます。5つのステップを通じて、データを基にした意思決定を行い、ビジネスの競争力をさらに高める手法を学ぶことができます。データの背後にある意味を理解し、それをビジネス戦略にどう取り入れるかを学びましょう。
(安齋慎平)
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