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【2022年最新版】日本において政治の意思決定をしているのは何歳?

         

新型コロナウイルス感染症のパンデミック、そしてそれに伴う医療や経済への影響はもちろん、ウクライナ侵攻、また加速する少子高齢化など、激動の時代となった昨今。政治による意思決定の重要性や注目度は高まってきているように感じます。

一方で日本社会の政治においてここ十数年指摘されている大きな課題は若者の政治への無関心です。

日本総研が2022年7月に行った「U30世代の政治意識調査」では、選挙で投票すると回答した人は54.5%。一方で現状で満足している、と回答した人は16.9%、一方で自分の将来に漠然とした不安を抱えている人は65%と、現状に満足している人は少なく、その多くが将来に不安を抱えています

引用:U30世代の政治意識調査

そうした中で、選挙に行かない理由としては、投票しない理由は「選挙にあまり関心がないから」(32.6%)、「投票所に行くのが面倒だから」(27.9%)、「忙しい、時間がないから」(21.2%)など関心のなさや忙しく時間がないことが大きく占めています。また、「私一人が投票してもしなくても世の中は変わらないと思う」(15.2%)、「選挙によって政治はよくならないと思うから」(12.4%)など、投票をすることで社会を変えられるという実感を持てず、選挙に対し無力感を感じている人も少なくありません。

一方で、SNSなどで、若い世代が選挙について発信する様子が以前以上に見受けられるようにも思います。本当に若者は政治に無力感を感じる一方なのでしょうか?今回は、国政選挙の結果とともに、日本の意思決定の年齢を深掘りすることでその実態に迫ります。

国政選挙における年齢別の投票率はどのくらい?

続いて、国政選挙における年齢別の投票率を見ていきましょう。

1967年以降の衆議院・参議院における国政選挙の年代別の投票率は以下のようになっています。

出典:総務省|国政選挙の年代別投票率の推移について

年代別では1980年代以降、60歳代の投票率が最も高くなっています。一方で、20代30代の若者世代では投票率が低くなっており、成人年齢の引き下げに伴い2016年から参政権を得た18~19歳の世代の投票率も低くなっています。多くの人が定年を迎える60代の投票率が高い傾向が続いていることを見ると、冒頭の若者の政治への無関心、無気力だけでなく、進学や就職、結婚や育児など人生のターニングポイントを多く迎える10〜30代の投票率が低いのは、余暇の少なさなども原因に挙げられそうです。

選挙年別に見ていくと、2000年代では、自由民主党における短期政権が続いたことで民主党に政権交代の風が吹き、リーマンショックにより経済的な変動が大きかった2009年の投票率が最も高くなっています。その後、2010年代は投票率は低調となり、参議院選挙での投票率がとりわけ低くなっています。

特に2019年の参議院選挙では、過去2度目となる50%を割りこむ低い投票率(48.8%)となりました。この背景には、台風の影響で大雨が続いたことが挙げられ、特に60代以下の勤労世代での影響が非常に大きいことがわかります。一方、2021年の衆議院選挙では全体で55%を超えました。

【2022年度最新版】日本の政治における意思決定の平均年齢は?

ここで、年齢別の投票者数から、大まかな投票者の平均年齢を計算してみます。

投票者数は2022年のデータを利用し、投票率は年齢階級ごとに仮の平均年齢を下の表のようにおきました。

年齢階級

投票者数

仮平均年齢(歳)

18〜19歳

4,581

18.5

20〜29歳

18,927

25

30〜39歳

29,357

35

40〜49歳

45,029

45

50〜59歳

47,305

55

60〜69歳

49,832

65

70歳代以上

78,384

75

上記の表をもとに投票者の平均年齢を求めたところ、 2021年の衆議院選挙における結果は、56.07歳となりました。なお前回の2017年の衆議院選で同様に計算すると56.18歳となり、前回の衆議院選挙より0.11歳下がっています

年齢階級

投票者数

仮平均年齢(歳)

18〜19歳

5,117

18.5

20〜29歳

17,496

25

30〜39歳

28,975

35

40〜49歳

42,626

45

50〜59歳

43,952

55

60〜69歳

59,536

65

70歳代以上

71,990

75


投票率を比較すると10〜40代の世代で2〜3%程度上がっている反面、50〜60代の投票率は下がっています。

年代

2017年の年代別投票率(%)

2021年の年代別投票率(%)

10歳代

40.49

43.21

20歳代

33.85

36.5

30歳代

44.75

47.12

40歳代

53.52

55.56

50歳代

63.32

62.96

60歳代

72.04

71.43

70歳代以上

60.94

61.96

全体

53.68

55.93


10代については、投票率は上がっている反面、人口減少により、投票者数は減っています
しかし、若い世代の投票率が満遍なく上がったことで、意思決定の年齢は下がる結果となりました。

なお、人口を0歳から年齢順に並べ、その中央で全人口を2等分する境界点にある年齢となる中位年齢の推移を見ると2022年まで年々上がっているため、今回の結果は継続する高齢化に反するものだと考えられます。

出典:World Population Prospects 2022

数%の違いが、意思決定を変える

今回の結果からは、継続した高齢化が続く日本においても、1〜3%の投票率の違いが意思決定を変える可能性を感じさせました。一方で、限られた期間で投票をしなくていけない選挙において、勤労世代は天候などさまざまな要素の影響をより受けやすいのではないか、という可能性が挙げられました。そうした中では、インターネットを介した投票など、選挙方法の多様化が今後の大きな鍵になるのかも知れません。

【参考引用サイト】
U30世代の政治意識調査(速報)の公表について
人口推計| e-Stat
総務省|国政選挙の年代別投票率の推移について
総務省|国政選挙の年代別投票率の推移について|第31回~第49回衆議院議員総選挙年齢別投票率調査
World Population Prospects 2022

(大藤ヨシヲ)

 
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