企業の製品やサービスを提供する組織のまとめ役であるプロダクトマネージャー。この役職には現在、新しいスキルが求められているのをご存知でしょうか? 製品・サービスを深く理解することは当然ですが、現在はこれに加えて、製品・サービスをより多く売るための施策を決定する役割の比重が大きくなりつつあります。
たとえば広告戦略にしても、製品を魅力的にみせる発想力や創造力といったクリエイティビティな側面、そして多くの実績から導かれてきた経験と勘も能力のひとつとされてきました。しかし、購買者の情報源が多様化している現在、魅力的にみせる技術や感性によるひらめきが通用しないケースも増えてきたのです。
製品やサービスを相手に正しく伝えていくのに必要となってきているのは、データを正しく見る目です。プロダクトマネージャーはIT技術者でも統計学者でもないので、数字的な知識はありません。しかし、現在は企業が採用しているほとんどのITシステムには分析機能がついています。マネージャーは正しい視点と切り口をIT技術者に伝える、あるいは自ら設定することで、企業が持つ膨大なデータから数字的なヒントを得ることができるのです。
これを実行するには大前提として、担当する製品やサービスについての深い理解度が求められます。また、自社が所有しているITシステムも十分に知っている必要があるでしょう。どちらが不足していても、大量のデータからどこを抜き出し、どのような数字が必要かを指示することもできません。従来の能力に加え、ITシステムへの十分な理解力が求められる理由がここにあります。
たとえば、企業には顧客からの膨大なフィードバック情報があります。これを分析し、得られた情報は製品・サービスのセールスを有利に進めるアイデアの宝庫となるものです。従来の経験と勘、そして直感だけに頼るマネジメントでは、せっかくのデータも表面を見るだけで終わってしまうケースも多かったのではないでしょうか。しかしこれからは、このアイデアの宝庫からトリガーとなるメッセージを読み取り、それに則った上での創造力が発揮されることで、大きな爆発力を持ったセールスが展開できるようになるのです。まずはITシステムが持っているダッシュボード機能を使いこなしてください。優れたプロダクトマネージャーは、これらのグラフやメーターをチェックし、連続した数字の変化や期間内の動き方からヒントを得ることができます。
必要なのは自社のITシステムがなにを行っているかという概念的な知識と、その分析機能を動かすために必要な何通りかの動作手順だけです。すでに製品やサービスへの深い知識が備わっていれば、ITシステムの中に眠っているフィードバック情報から何を引き出せば良いか、プロダクトマネージャーなら分かるはずです。セールスを正しい方向へ導くためのデータ分析力は、これからのプロダクトマネージャーの必須スキルとなるでしょう。
(企画・構成・デザイン:野島光太郎)
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