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ちょびっとラビット耳よりラピッドニュース #007:ビジネス書の振りをするマンガ本「生きのびるための事務」 が素晴らしかった件

         

まいどどうも、みなさん、こんにちは。

わたくし世界が誇るハイスペックウサギであり、かのメソポ田宮商事の日本支社長、ウサギ社長であります。さて、お盆休みでしばしのお休みを頂いておりましたため二週間ぶりのちょびっとラビットとなりますが、その間に人間界ではおフランスはパリスの方で開催されていた某世界大会が閉幕したり、高校球児による野球大会が盛り上がりを見せていたり、台風七号がやって来て去って行ったり、南海トラフ地震臨時情報が出されたり、ハリス副大統領が民主党の大統領候補に正式指名されたり、と盛りだくさんでありました。終戦記念日だったということでわたくしはONODA 一万夜を越えてという戦争が終わったことを知らずフィリピンの島で30年近く生き延びた小野田少尉についての映画作品を鑑賞いたしましたが、非常に素晴らしい作品でウサギの目にも涙の物語でありました。

で、今回はですね、最近わたくしが拝読させていただいた「生きのびるための事務」という書籍のお話をさせて頂こうかと思っております。この本は坂口恭平さんという建築家、作家、音楽家などの肩書きを持つ方が執筆というか原作を作り、道草晴子さんと言う方が漫画に落とし込んだ本なので、ビジネス本のセクションにおいてあるマンガ本的な分類になる本で、マンガになっているのでわたくしのようなウサギにとっても内容が想像しやすく、非常に読みやすいプレゼンテーション手法となっております。事務について教えてくれる謎のキャラの名前が「ジム」というのもひねりがなくわかりやすくてわたくし好みでありました(笑)。

この事務作業と呼ばれるタスクの集合体は「面倒臭い作業」と認識されがちではありますが、実はどのような職業についたとしても、あるいは職業についていなかったとしても避けることのできない人類に課された義務のようなものです。どんな天才アーティストも事務作業を避けて通ることはできません。というか、実は天才アーティストと呼ばれる人とそうでない人の違いの一つがこの事務作業との向き合い方である、というのがこの本の最初の部分の主張となっています。アーティストが天才として世の中に受け入れられるためにはそのアーティストがまず作品をつくることが不可欠であり、その作った作品の存在を知らしめる何かプロモーションというかマーケティングというか啓蒙活動というかそのようなアクティビティも不可欠です。このようなアクティビティも「事務」に分類されますし、作品を作る過程でも事務の概念はとても役に立ちます。そして、天才と呼ばれるアーティストは実は天才的にこの事務作業を行うことが得意だった人である場合が多いようです。この本では、事務の仕事で重要なのは「スケジュール管理」「お金の管理」である、と説きます。そして、「スケジュール管理」も「お金の管理」も「量」に落とし込む必要があります。

たとえば、「作家になりたい」という夢があったとしましょう。しかし、「作家になりたい」という夢を目標にするためには「作家になるためにはどうすればよいのか?」ということを具体的に考える必要があります。事務というのは「量」に一冊の本を執筆するのにどのくらいの時間と量力がかかるのか、そもそも一冊の本とは何文字くらいで構成されているのか、ということを調べていく必要があります。そして、自分が執筆したいと考えている本が8万文字くらいの長さだとわかった場合に1日に何文字のペースで書けば何日間かかる、ではその文字数を書くには1日どのくらいの時間を執筆にさけば良いのかというのを突き止め、それを達成するためのスケジュールを作成することが大切であり、ここまでやれば「作家になりたい」はただの「夢」ではなく、具体的なスケジュールに落とし込まれたタスクの集合体になり、さっきまで夢という漠然とした概念だったものが実態を伴う「作業目標」に早変わりする、という塩梅です。1日5000文字書ければ、8万文字を書くために必要なのは16日間であり、5000文字書くのにたとえば4時間必要であれば、16日x4時間=64時間あれば本が一冊執筆できる、ということがわかります。本を一冊書く、というと大変そうですが、64時間で終わるのであればこれはかなり現実的に思えてきます。つまりこれが「事務」の力であり、物事を一つずつ効率よく進めていくにはこの事務の力が不可欠である、とこの本は教えてくれます。

余談になりますが、そのむかしわたくしがまだ希望に燃ゆる若ウサギだったころ、ネパールのカトマンズに長期滞在していたことがありまして、当時のわたくしは毎朝、カトマンズのタメル地区にあるCHIKUSA(千種)という名前の昭和風喫茶店でホットサンドを食べながらコーヒーを飲み、現地の英字新聞を読む、というのを日課にしておりまして、Kathmandu PostだったかHimalayan Timesだったかそのあたりの新聞かと思いますが、何気なく眺めていた占いセクションに「何か新しいことを始めるには良い日。具体的に行動してみよう。私は若い頃ライターになりたいという夢があったので、とりあえず毎日必ず3時間を書くことに費やすことにした。その結果、私はこうしてライターという仕事ができている。あなたも毎日3時間を続けてみよう」というような内容が書いてあり、おそらく新人ライターが書いたその占いを超越したド正論すぎる内容に苦笑したのと同時に、確かにその通りであり、占いセクションにそんな衝撃を受けることを想像していなかったのもあり衝撃を受けた経験がありますが、目標に向かう=時間をかける、ということでもありますし、この本の中でも「才能とはいつまでも楽しく好きなことを続けられること」とあり、事務に関する本だけあって最初から最後まで革新的な内容というより当たり前のことを当たり前に続けることの大切さについて書かれているだけの当たり前の本なんですが、当たり前の連鎖というのは実は全くもって当たり前ではないわけでして、ウサギは1日にしてならず、ウサギ追いやすく、学なり難しかの山、と先人の言葉を噛み締めては目頭を熱くしているわたくしなのであります。ま、毎日何かを3時間続けられる忍耐力と自己統制力がある人は何をやってもある程度の成功はしそうでありますが(笑)。

そんなわけで、まぁ、データの活用もDXの推進もつまるところは事務の連続なのであり、会社員でもフリーランスでも職業や雇用体制や年齢、性別、国籍、ウサギあるいは人間など関係なく人生をうまく生き抜くためには事務をいかに効率よく行うか、というところであり、将来のことに漠然とした不安感を感じてる方やリスキリングをしたいと検討している方などにぜひ読んでもらいたい一冊だったので今回はとりあげてみました。下記のリンクで本の最初の部分が読めますのでぜひ立ち読みしてみてください。坂口さんのnoteでも内容をかなりの部分まで読むことができるのでこちらもぜひ。

それではまた来週までごきげんよう。ちなみに、ちょびっとラビットのまとめ読みはこちらからどうぞ!アデュー、エブリワン。

(ウサギ社長)

 
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