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第10話|組織のミッションを決める by AI事務員宮西さん–データ組織立ち上げ編

「AI事務員宮西さん」とは?

AI事務員なだけにAI生成画像を使って作っていて、AIデータについて書いた漫画です。保険会社で事務員として働く宮西さん。勤めている保険会社もこれからはAIの時代だとデータ部門の新設を行うことになりました。なぜか事務員の宮西さんが配属されることになり、データ組織を立ち上げるまでの話です。同じようにデータ組織を立ち上げる事を考えている人に入門書として書いてます。それでは本編をご覧ください。

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登場人物

宮西 京華(みやにし けいか)
保険会社で事務職をやっているデータマネジメント担当。歌い手動画を見るのが好き。

松田 紗友里(まつだ さゆり)
マーケティングが専門でSQLが得意。データ分析担当。ゲームやアニメが好き。

今林 健介(いまばやし けんすけ)
新設のデータ活用推進部署の部長。おいていかれないように勉強中。ゴルフや登山が好き。



作者|西宮さんより解説

データマネジメント解説、連載の第10回が始まりました。
さて、組織のMVVを決める集中討議が始まりました。今回の話はMVVの中でも「ミッション」を決める時の話です。

・・・・・

会議室のホワイトボードに「MVV」と書かれた文字と、それを取り囲むように書かれた「Mission」「Vision」「Value」の単語。司会役を務めることになった松田先輩がにこやかに提案する。松田先輩はふわふわした雰囲気の中にも知識と経験が詰まった頼れる先輩だ。

「まずは、ミッションを決めましょうか。」

松田先輩からテーマが発せられたが、「ミッション」とか「ビジョン」とか「バリュー」とか、横文字が並ぶたびに頭が混乱してくる。

「宮西さん、何か意見ある?」

急に振られて慌てる。何か意見も何も、そもそもミッションって具体的に何を意味するのかわかっていない。

「えっと……ミッションって、なんとなく“やるべきこと”みたいな感じですか?」

半分の自信もない答えに松田先輩が笑う。

「だいたい合ってるよ。でも、もう少し深い意味があるかな。ミッションっていうのは、その組織が存在する理由とか、何を目的に活動しているかってこと。例えば、私たちだったら、会社全体のデータ利活用をリードするみたいなことがミッションになるんじゃないかな」

存在理由とか目的とか言われても、正直ピンとこない。会社のために、そんな大きなことを考えられるほど私は大人じゃない。それよりも、ふと思い浮かんだのは私の個人的な“ミッション”。

推しを支えること。

そう、私には推しがいる。今は彼の存在が私の人生のすべてと言っても過言ではない。週末にはライブに足を運び、SNSでの最新情報をチェックし、グッズは何が何でもコンプリート。彼の笑顔を見るたびに、私も頑張ろうと思える。これこそが私のミッションだ。

「宮西さん?」

松田先輩の声にハッとする。いつの間にか妄想に浸っていたようだ。

「えっと、その……例えば私だったら推しを支えるみたいなことがミッションということであってます?」

我ながら恥ずかしい例をだしてしまったが、松田先輩は「それも一理あるね」と笑ってくれた。
とはいえ、会社でのミッションをしっかり考えないといけない。松田先輩の言葉を思い出しながら、ちょっとずつこの新しい世界に足を踏み入れていくしかないのだ。
次回は、もう少し会社のミッションについて真面目に向き合えますように――なんて、ちょっとだけ願いつつ。

・・・・・

どの組織も、活動を進める上で「MVV」が重要な意味を持ちます。それは、MVVが組織の「核」を定める作業だからです。
MVVとは、Mission, Vision, Valuesの頭文字を取ったもので、Missionは「何のために存在するのか」、Visionは「どこを目指すのか」、Valuesは「どんな価値観で行動するのか」を表します。

MVVを明確にすることで、組織として進むべき方向を定めるだけでなく、メンバー間の意識を統一することが可能になります。
プロジェクトや組織が動き出す最初期に、この作業を行うことが重要とされるのです。

MVVがしっかりと定められることで、メンバー一人ひとりが自分は組織のために何をすべきかを理解しやすくなり、それがモチベーションの向上にもつながります。

MVVを策定する作業を日常業務の中で少しずつ進めるのは、現実的には難しい場合が多いでしょう。
なぜなら、MVVの策定には、メンバー全員が同じ時間と空間を共有し、集中して議論する必要があるからです。

MVVを集中的に策定するというプロセスを通じて、組織にとって本当に必要な要素を絞り込むことができます。
さらに、全員がこの議論に参加することで、チームとしての一体感が生まれ、方向性に対する共通理解が深まるのです。

宮西さんたちが取り組む集中討議も、このような意義を持っています。こうしたプロセスを経ることで、MVVは単なる形式的な文言ではなく、実際に組織の未来を形作る基盤となるものになります。
だからこそ、MVVの策定は慎重かつ真剣に行われるべきです。それは、組織全体の成功に向けた第一歩と言えるでしょう。

・・・・・

ミッションとは、一言でいえば「その組織が存在する意義」を指します。それは単なるスローガンではなく、組織の活動や意思決定の基盤となり、方向性を示すものです。

宮西さんのように「なんとなくやるべきこと」という感覚で捉えるのも、実は完全に間違いではありません。
ただし、それはもっと深い次元の「やるべきこと」です。例えばデータ利活用部門であれば単にデジタルツールを導入するだけではなく、組織全体をデジタルの力で変革し、競争力を高めることです。

なぜミッションが必要なのか。それは、組織が日々の業務やプロジェクトに取り組む際に迷わないためです。
特に変化の激しい現代においては、目先の利益や短期的な成果を追いかけがちですが、ミッションがあることで、「自分たちは本当に正しい方向に進んでいるのか」を常に問い直すことができます。

また、メンバー一人ひとりがそのミッションに共感していれば、仕事の中に「やりがい」を見いだすことも可能になりモチベーションが高い組織になります。

ミッションを決める際に重要なのは、「この組織が世の中にどう貢献するのか」を明確にすることです。単なる内部向けの指針ではなく、社会や顧客に対して具体的な価値を届けるための方向性を示すものとして作られるべきです。
組織に所属するみんなが、自らの存在意義として思えるものを設定することがポイントとなります。

よしむら@データマネジメント担当
IT業界、金融業界、エンタメ業界でデータマネジメントを担当した経験を持ち、現在もデータマネジメント担当している。データマネジメント業界を盛り上げるために、経験を通して得た知識の発信活動を行っている。


本記事は「よしむら@データマネジメント担当」さんのデータマネジメントを学べることをコンセプトの4コマ漫画「AI事務員宮西さん–データ組織立ち上げ編」のコンテンツを許可を得て掲載しています。

 

特集|AI事務員宮西さん(データ組織立ち上げ編)

保険会社で事務員として働く宮西さんは、会社がAI時代に対応するために新設したデータ部門に突然配属されました。事務員からデータマネジメントのリーダーへと成長していく宮西さんの奮闘記を描いた物語。

本シリーズ「データ組織立ち上げ編」では、宮西さんがデータ利活用組織を立ち上げるまでの挑戦を描きます。IT業界、金融業界、エンタメ業界でデータマネジメントを担当した経験を持つ著者「よしむら@データマネジメント担当」さんが豊富な経験を基に執筆しています。データ組織の一員の皆様には、ぜひご一読ください。

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