まいどどうも、みなさん、こんにちは。
わたくし世界が誇るハイスペックウサギであり、かのメソポ田宮商事の日本支社長、ウサギ社長であります。今週もまた寒波がやってくるということで冬真っ盛りな感じですね。この時期に冬眠をされていない国民の方々はくれぐれも体調にお気をつけくださいませ。わたくしのようなウサギに言わせると、本来であれば冬は眠って過ごすが一番のオススメではありますが。そして、先週はガラにもなく少なくとも数ヶ月に渡って欠かさず見続けていたNetflixのTimeleszのオーディション番組がついに終わりを迎え、新メンバーが発表されてしまいました。ちなみにわたくしは同じアメリカ育ちの浅井乃我くん推しでありました。あれを見てからというもの、男性アイドルという職業の厳しさを垣間見て知ってしまい、音楽番組を眺める時にも襟を正すような思いで見てしまう自分がいたりしてちょっと恥ずかしかったりします(笑)。
さて、今週は、ジェンダー差別をなくすためにAIは有益なのか、というトピックを取り上げてみたいと思っております。というのも、「Can Artificial Intelligence Improve Gender Equality? Evidence from a Natural Experiment」という非常に興味深い研究を最近目にし、普段からジェンダーだけでなく、人間社会におけるニンゲンとウサギの扱われ方の違いについて、そしてウサギに対する差別をいかに減らせるか、という議題について耳をウサギのようにして情報収集に勤しんでいるウサギアクティビストなわたくしですので、これは是が非でも読まなくてはならぬ、と思い論文をダウンロードしてみたところまではよかったのですが、なんと99ページに渡るなかなか長い内容でしたので、迷うことなくAIに要約してもらい、それに目を通したところ、目から鱗の研究結果となっておりましたので、そちらを今回はご紹介させてもらいたいと思う次第であります。
この論文は「AIはジェンダー差別の改善に貢献できるか?自然実験からのエビデンス」というタイトルとなっており、ジェンダーに対する先入観のないAIトレーナーが子供に囲碁を教えた場合、男女間にある棋力の違いは縮小されるのかどうかを調査する研究です。これは中国の囲碁教室で行われた実験で、Covid-19の隔離措置により、これまで対面で行っていた囲碁教室をAIに置き換え、教室に通う子供たちの上達具合を人間が教えた場合とAIが教えた場合の両方の結果を男女別に比較してみたものとなっております。AIトレーナーは、囲碁AI「AlphaGo」のアルゴリズムを基に設計されたもので、生徒の性別に関連する情報をそもそも入力しない設計になっているので、AIは人間に男女という性別があることすら知らない可能性があります。生徒は、AIトレーナーによる指導を受けるグループと、従来の人間教師による指導を受けるグループに分けられた状態で実験は行われました。
その結果、AI指導を受けたグループでは、男子生徒と女子生徒の両方で学習成果が認められ、特に女子生徒の進歩が著しいことが示されたのです。そして、実験前には存在した男女の棋力差がAI指導後には縮小し、5ヶ月後にはほぼ同等のレベルに達したのだそうです。AIトレーナーのゲーム分析能力、統計データの提供、インタラクティブな機能は生徒からも高評価されており、マンガのキャラクターの外見をしたAIトレーナーの方が人間の教師よりも魅力的である、という身も蓋もない評価を生徒たちは下しており、特に女子生徒にAIトレーナーは好まれた、のだそうです。いやはや、子供は正直であるが故に時に残酷ですからねぇ。
人間の教師は人間であり、かつ男性であることも多いので、ついうっかり男子生徒や棋力の高い生徒に対してポジティブな感情を示しやすい傾向があることがわかっているそうなのですが、それは少なからずの影響を少なくも女子生徒に及ぼしているのではないか、ということが推測でき、AIトレーナーは感情の変動がAIなので当然少なく、男女に対する教え方の違い、というものも発生しておらず、このバイアスのなさが結果的に女子生徒らの棋力向上に貢献したことがこの研究では認められたわけです。
翻って、日本でも女流将棋棋士である西山朋佳女流三冠が女流ではないいわゆる普通の棋士になるための棋士編入試験を受けたことが話題になっていました。西山女流三冠は男性棋士と5局戦い、勝ち越すことができれば晴れて女性初の将棋棋士誕生となっていたのですが、惜しくも2勝3敗と負け越してしまい、編入試験は不合格となってしまいました。しかし、今回紹介したこの研究の結果は、男性と女性に能力の差があるわけではなく、同じような環境で学習する機会を作り出すことが難しかったことに起因した棋力差、そして指導員による先入観などが総合的に機能した結果なのかも知れない、ということをわたくしたちに教えてくれています。女流棋士が棋士編入試験を受けることは今回が初めてではありませんが、年々、男性棋士と女性棋士の棋力の差は縮まる傾向にありますし、何十年か後には立場が逆転し、女性の方が将棋のようなゲームに長けているという結論が出るかも知れません。少なくとも、将棋や囲碁などのゲームにおいて男女差は特に認められない、という結論に達するのは時間の問題なのではないかとわたくしは考えております。実際に、将棋を学ぶ環境に目を向けるとどうしても男性の指導員が多く、将棋を趣味としている成人人口も圧倒的に男性の方が多いことは明らかです。子供においても女子よりも男子の方が絶対数が多いため、子供にとっても男子の方が環境に馴染みやすい、という差は確実にあるように思えます。そういう意味ではAIなどによる学習、としてインターネット対局などにより自身の性別や年齢を相手に知られずに対局経験を積むことができるので、今後の女性棋士の活躍にぜひとも期待したいと思っておりますし、将棋や囲碁に限らず、AIを使った学習というのは今後増えていき、その有用性はどんどん世界に浸透していくのではないかと予測しています。
そんなわけで、今週はAIはジェンダー差別の改善に貢献できるか?という問題について囲碁の学習という視点から切り込んだ論文をピックアップしてみました。いかがだったでしょうか。いつか女性の将棋棋士だけでなく、ウサギの将棋棋士が誕生することを夢見るわたくしウサギ社長が今週もお届けしました。研究論文の全文を読みたい方はこちらのページからダウンロードできます!ま、そんなわけで、また来週お会いしましょう。ちょびっとラビットのまとめ読みはこちらからどうぞ!それでは、アデュー、エブリワン。
(ウサギ社長)
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