発表直後のQRコードにいち早く目を付けたのが自動車部品業界。情報量の多いQRコードは流通過程の効率化・透明化に大きなメリットを発揮したため、食品業界や薬品業界の商品管理にも使われるようになりました。
QRコードが一般向けに広まるきっかけとなったのは、2002年にQRコード読み取り機能搭載の携帯電話(J-SH09、シャープ製)が発売されたことでした。これにより、雑誌やポスター、看板などの媒体に掲載されたQRコードを読み込んで、簡単に携帯サイトにアクセスしたり、クーポンを取得できるようになりました。
Apple製品でも、2017年9月に発売されたiOS11からはiPhone、iPadでのQRコード読み取り機能が標準装備となっています。
ドイツ在住の筆者はよくLCCでヨーロッパ国内を移動するのですが、スマホアプリの航空券はQRコードのみであることが多く、搭乗ゲートのリーダーにピッとかざして搭乗します。日本のキャリアではANAグループが航空券にQRコードを使用しています。
また、コンサートなどの入場券にもよく使用されています。
QRコードの魅力は何と言っても大容量の情報を盛り込めること。バーコードが英数字で20字程度しか盛り込めないのに対し、QRコードは漢字・かなも含め以下のような情報量を含有できます。
数字のみ − 最大7089文字
英数字 − 最大4296文字
バイナリ − 最大2953バイト
漢字・かな − 最大1817文字
縦横でデータを表現できるQRコードは、バーコードの10分の1の大きさで同程度の情報量を持たせることが可能。
コードに汚れや破損があっても、コードに含まれる誤り訂正語と呼ばれる予備ビットのレベルに基づき7-50%の範囲でデータを復元できます。段ボールの表面に貼られたQRコードって擦り切れたりすることが多いですからね。日本発の製品らしい、かゆい所に手が届く機能です。
上記の画像では、QRコードの一部分が青い丸で隠れていますが、右側のコードは訂正レベルが高いため、問題なく情報を読み取ることができます。ただしご覧の通り、訂正レベルを上げるとコードのサイズが大きくなります。
QRコードの開発元であるデンソーウェーブは、特許は取得しているものの特許権を行使していません。これは、世界中に広まる技術であってほしいという開発チームの希望からだそう。
2014年のQRコード開発チームへの欧州発明家賞の授与は、世界的な認知度や使用率の高まりを象徴しています。
最近ではオリジナルのQRコードが無料で作成できるページも登場。ここではフレームQRコードのような、イラストやロゴを入れ込んだ新世代のQRコードが、これまでの白黒コードにはなかった楽しい世界観を演出しています。
また、特定のリーダーでのみ読み込めるセキュリティ重視のQRコードなど、新たなアイディアも次々に出現しています。進化を続けるQRコードに要注目です!
【参考リンク】 QRコードの歴史|QRコードドットコム 肉眼のみで解読するQRコード講座 | ねとらぼ QRコード®とは|Denso Wave 日本発・世界に広がる二次元コード:QRコード|通信ソサエティマガジン
(佐藤ちひろ)
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