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複数のABMを掛け合わせてデータを駆動、有益な情報を効率的に抽出

VAIO株式会社 マーケティング室 日高康成氏

VAIO株式会社の日高氏は『VAIOが取り組むABMを使ったデジタルマーケティングと営業強化』としてB2BにフォーカスしたアプローチのためのABM導入実績を紹介。

ABMとはアカウント・ベースド・マーケティング(Account Based Marketing)の略で、2015年ごろから米国で広まっています。取引のある企業・団体情報を元に、具体的なターゲット企業・団体(Account)を明確に定義する。その上で、企業・団体別に営業・マーケティング活動を戦略的に行う概念です。

B2Cの直販ECサイトを運営していたVAIOが法人にアプローチするB2BのECサイトを立ち上げる際、過去に蓄積されたデータをいかに活用するかという課題が立ち上がったといいます。


VAIOでは、2017年5月よりSalesforceFORCASなどのABMをほぼ同時期に導入。各種機能を組み合わせながら、「マーケターと営業の橋渡しとなるインサイドセールス」を構築していきました。

まず日高さんはスライドでB2Bにフォーカスしたマーケティングの必要性と考え方の変化を説明。「私達はB2Bマーケティングを導入することによって、マーケティング活動として集客・宣伝をおこない(案件を)営業に渡すまでをマーケティングの担当とすることで、営業が営業活動に専念してもらえる仕組みを作った」と語ります。

そして、VAIOでのデータ構築方法を説明。Salesforceを中心にデータ構築をおこないつつ、MarketoやFORCASと自動連携させ企業の情報リッチ化。さらにECの受注情報などのデータと連携し、企業分析の工数を節約していきました。

【左】ABM導入前の販路・営業設計   【右】ABM導入後の販路・営業設計

そしてABM導入前後の営業設計を比較。

かつては顧客の関心度が不明確で無駄打ちが多かった従来の販路・営業設計。しかしSPEEDAやFORCASの導入後は自動分析機能を活用してターゲットを抽出し、Marketoで最適なタイミングでアプローチ、さらにSalesforceによって分析された情報をもとに営業が商談をおこなう、一連の流れが作られました。

日高さんは「FORCASと連携したSalesforceやMarketoの活用によって、人手をかけていたデータクレンジングなどの工数を減らすことができ、さらに外部のCRMともデータ連携ができるので常に正しい最新の情報を抜き出して、アプローチができる」と言います。

続いて、VAIOとインサイドセールスの連携を説明。インサイドセールスで顧客情報が醸成され案件の規模と売上が明確になり、「アカウント別にコールと営業が一体化したチームが作られたことが、インサイドセールスの最も大きな成果」だと強調。「インサイドセールスとVAIOの役割が明確になり、さらにアカウント別に商談チームが組めたことで効率化ができている」「これまでコールだけでお客様のところへ行っても、求めている情報や製品がまったく違うという肩透かしになることが多かった。やはり事前に情報を得ることで間違いのない営業活動をおこなえる」と、実感を踏まえて語ります。

またVAIOが運営するコンテンツマーケティング事例として、働き方支援のコンテンツを掲載するメディア「Work IT」を紹介。サイトではユーザーが閲覧した情報をMarketoが再コンテンツ化。サイト内での回遊をうながしてPCの買い替えを意識させるという、コンテンツマーケティングとABMの機能を組み合せたサイト設計を披露しました。

FORCASが改めて再定義するABMとは?

株式会社FORCAS Marketing Teamマネージャー 酒居潤平さん

『FORCASにおけるABM実践事例』として、株式会社FORCASの酒居潤平さん。
酒居さんは、従来のリードベースのマーケティングが抱える問題点として、「リードはそれぞれ異なる価値(受注率)をもつにも関わらずすべて同一のものとしてカウントされてしまう
結果、リードを集めることが目標になり、それゆえにリード増が売上増に直結しない」と説明。「マーケティング部はリード目標を達成しても、営業目標や収益目標は達成してないというギャップに陥る」と指摘します。

一方でABMはターゲットアカウントを最初に特定し、そのためにどのようなセールスアプローチが必要かを逆算しながらストーリーを作っていくマーケティングの形だと、FORCASが設定するABMの定義を改めて紹介しました。


そして「ターゲットが明確なので効率的な動きができる」「目標の追跡とデータの測定がシンプルになる」「営業とマーケの組織が連携しやすい」とABMのメリットを展開。なかでも全体の前提となる「明確かつ効果的なターゲティング」を叶えるためには「土台となる整備されたデータ環境を持つべき」と指摘します。

まずはデータのクレンジングとして「クリーンなマーケティングデータ環境を構築」すること。企業毎の属性やスコアを取得し、重複がない「リッチな企業情報」の重要性を踏まえ、社内で保有するリードと連携させてアカウントを管理できるFORCASの活用方法を提案。企業の属性を捉えてパーソナライズされたターゲティングをしていくべきとしました。

また「効果的なターゲティング」としてセグメンテーションとターゲティングを二段階に分けた考え方を提示し、ターゲティングに必要な「ユーザーニーズ」と「LTV(Life Time Value)」に注目。特に成長率と継続率という中長期的な視点を持つ「LTV」について、「今後B2Bサービス含めさまざまな製品がサブスクリプションモデル化していく」と重要性を指摘。月額サービスとして一回の収益は下がる一方、長期的には収益が伸びているケースが増えていると説明します。「継続課金のモデルを前提に、マーケティング戦略を立てる必要があるのでは」「今後はLTVの統計値をいかに最大化させるかがキーになっていく」とのこと。

一方でLTVは計算式が複雑かつ新規事業の場合は統計を取るのが難しく、FORCASでは「現状の収益規模」「今後のセグメント成長率」「サービスの継続率」という3つの指標でLTVを分析していると説明し、成長率・継続率を可視化した4象限のLTVのマトリクスを披露。またFORCASとしては新規開拓を重要視しているとして、経営企画に向けたターゲティングの実践事例を紹介しました。

最後に、ABMを活用するために必要な「分析」「マーケティング」「独占」のスパイラルを提示。これらを実践するためにはデータのクレンジングやリードのエンリッチメントをおこない、社内のデータ基盤を整えることが重要であるとまとめました。


まとめ >>

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