データドリブン・マーケティング
〜データ活用と環境構築メソッド~イベントレポート

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2018年8月にNewsPicks六本木にて開催された『【B2B向け】データドリブン・マーケティング 〜データ活用と環境構築メソッド~』。

本セミナーでは、組織的なマーケティング・セールス活動を展開する企業のマーケターが、自社でのデータ環境構築とデータ活用の実践事例を紹介しました。登壇者は以下の3名。

・ウイングアーク1st株式会社 営業・ソリューション本部 久我温紀さん
・VAIO株式会社 マーケティング室 日高康成さん
・株式会社FORCAS Marketing Teamマネージャー 酒居潤平さん

膨大な社内データの活用方法を提案するとともに、最後にはパネルセッションとして、営業とマーケティングとの連携の重要性を共有しました。

データの活用でマーケティングと営業をつなぐ

ウイングアーク1st株式会社 営業・ソリューション本部 久我温紀氏

まずはウイングアーク1st久我氏より「営業マンは目前の案件に集中しがちで、マーケティング部門が作成したリード(見込み客)を見逃さないために上流工程から強化する必要がある」と組織の変革を推進。マーケティング部門が作成したリードをフォローする専門部隊としてインサイドセールスを立ち上げ、優先順位をつけつつ、リードをすべてフォローし商談の数を増やしていきました。

結果、2016年と2017年に開催された同一イベントにおいて見込み案件が318%増(38件→412件)、他のイベントでも400%以上の成長が確認できました。「インサイドセールスが営業に貢献できている」と、データ活用のメリットを実感を交えて説明しました。

また「日々変化するトレンドをキャッチし確実な受注につなげるためには、常に全体の営業プロセスを俯瞰できるようデータで可視化しつつチューニング必要がある」という前提のもと、「パイプラインとファネル(売上までのプロセス)の“見える化”を強化してきた」と説明。過去の実績だけでなく、「未来の見込み」の重要性を強調しました。

目標から逆算して必要見込量を定め、中期・短期目標、来期予算達成に必要なKGI/KPIを設定するなど「着地目標を調整しながら、、受注分析、市場分析を経てターゲットとなる市場を選定して施策を開始する」とターゲット設定から活動プロセスと組織の構築方法を紹介。

また、デモとして可視化を行うためにMotionBoardを用いて実際のデータ推移を見せつつ「データドリブンには、テクノロジーだけでなく、それらを設計し、保管するための人的パワーが不可欠」と指摘します。

常に最新のデータを可視化すべく、データを入力のリマインドをおこなう「尻叩き担当」、さらにそのデータが正しいかチェックする「チェック担当」などを配置。こうしてテクノロジーと人によるシステムを機能させた結果、二期連続マイナス成長を続けていた組織が、過去最高の成長を遂げることに成功しました。

MotionBoardSlackと連携させ、指示・通達はすべてオートメーション化。

結果、週報などの慣習がなくなり、ダッシュボードで検索することなく情報をbotから引き出せるようになりました。さらにパイプラインの推移をグラフで可視化することで直感的におおよその予測ができ、一方で過去実績の数値を同時に確認できるため根拠を持って予測を立てることができます。こうして常に数値が可視化・共有され、組織が共通の指標をみて、「予測に対して未達であれば『どのように挽回するか』、可達であれば『来期に投資しよう』と、一歩進んだ目線で戦略が打てるようになった」と語ります。

こうした実績から、「データの活用により、全員が現状と各プロセスの進捗状況を把握することで、組織として離れているマーケティングと営業をつなぐことができる」と提唱。データの活用により共通認識としてのゴールが生まれ、チームのコミュニケーションが活性化。結果として全員が当事者化するという効果が生まれます。「データ活用により実践的な戦略を立てられる。戦略は仮説に過ぎないが、可能性があるならば投資をしようという考えを助け、加速する文化が生まれる」とまとめました。

複数のABMを掛け合わせてデータを駆動、有益な情報を効率的に抽出

VAIO株式会社 マーケティング室 日高康成氏

VAIO株式会社の日高氏は『VAIOが取り組むABMを使ったデジタルマーケティングと営業強化』としてB2BにフォーカスしたアプローチのためのABM導入実績を紹介。

ABMとはアカウント・ベースド・マーケティング(Account Based Marketing)の略で、2015年ごろから米国で広まっています。取引のある企業・団体情報を元に、具体的なターゲット企業・団体(Account)を明確に定義する。その上で、企業・団体別に営業・マーケティング活動を戦略的に行う概念です。

B2Cの直販ECサイトを運営していたVAIOが法人にアプローチするB2BのECサイトを立ち上げる際、過去に蓄積されたデータをいかに活用するかという課題が立ち上がったといいます。


VAIOでは、2017年5月よりSalesforceFORCASなどのABMをほぼ同時期に導入。各種機能を組み合わせながら、「マーケターと営業の橋渡しとなるインサイドセールス」を構築していきました。

まず日高さんはスライドでB2Bにフォーカスしたマーケティングの必要性と考え方の変化を説明。「私達はB2Bマーケティングを導入することによって、マーケティング活動として集客・宣伝をおこない(案件を)営業に渡すまでをマーケティングの担当とすることで、営業が営業活動に専念してもらえる仕組みを作った」と語ります。

そして、VAIOでのデータ構築方法を説明。Salesforceを中心にデータ構築をおこないつつ、MarketoやFORCASと自動連携させ企業の情報リッチ化。さらにECの受注情報などのデータと連携し、企業分析の工数を節約していきました。

【左】ABM導入前の販路・営業設計   【右】ABM導入後の販路・営業設計

そしてABM導入前後の営業設計を比較。

かつては顧客の関心度が不明確で無駄打ちが多かった従来の販路・営業設計。しかしSPEEDAやFORCASの導入後は自動分析機能を活用してターゲットを抽出し、Marketoで最適なタイミングでアプローチ、さらにSalesforceによって分析された情報をもとに営業が商談をおこなう、一連の流れが作られました。

日高さんは「FORCASと連携したSalesforceやMarketoの活用によって、人手をかけていたデータクレンジングなどの工数を減らすことができ、さらに外部のCRMともデータ連携ができるので常に正しい最新の情報を抜き出して、アプローチができる」と言います。

続いて、VAIOとインサイドセールスの連携を説明。インサイドセールスで顧客情報が醸成され案件の規模と売上が明確になり、「アカウント別にコールと営業が一体化したチームが作られたことが、インサイドセールスの最も大きな成果」だと強調。「インサイドセールスとVAIOの役割が明確になり、さらにアカウント別に商談チームが組めたことで効率化ができている」「これまでコールだけでお客様のところへ行っても、求めている情報や製品がまったく違うという肩透かしになることが多かった。やはり事前に情報を得ることで間違いのない営業活動をおこなえる」と、実感を踏まえて語ります。

またVAIOが運営するコンテンツマーケティング事例として、働き方支援のコンテンツを掲載するメディア「Work IT」を紹介。サイトではユーザーが閲覧した情報をMarketoが再コンテンツ化。サイト内での回遊をうながしてPCの買い替えを意識させるという、コンテンツマーケティングとABMの機能を組み合せたサイト設計を披露しました。

FORCASが改めて再定義するABMとは?

株式会社FORCAS Marketing Teamマネージャー 酒居潤平さん

『FORCASにおけるABM実践事例』として、株式会社FORCASの酒居潤平さん。
酒居さんは、従来のリードベースのマーケティングが抱える問題点として、「リードはそれぞれ異なる価値(受注率)をもつにも関わらずすべて同一のものとしてカウントされてしまう
結果、リードを集めることが目標になり、それゆえにリード増が売上増に直結しない」と説明。「マーケティング部はリード目標を達成しても、営業目標や収益目標は達成してないというギャップに陥る」と指摘します。

一方でABMはターゲットアカウントを最初に特定し、そのためにどのようなセールスアプローチが必要かを逆算しながらストーリーを作っていくマーケティングの形だと、FORCASが設定するABMの定義を改めて紹介しました。

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