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AIでラジオ業界も進化する?ラジオ番組もビッグデータと共存する道を選ぶのか?

         

ビッグデータという言葉を聞かない日はない!というくらい、ビッグデータに関する話は日々耳にしますが、どんなデータでも大量のデータが蓄積されることでそれはビッグデータとなり、うまく分析活用することで世の中を豊かにしたり、一向に使えないけど、データ活用だとかIoTだとかRPAが今の時代の流れだからうまく乗れ、と上からは言われるし、かと言って現場に使いこなせるスキルもリソースもないし、とデータ管理者を悩ませたりしています。

すでにビッグデータは我々の日常に存在している!?

そうは言っても、すでに、ビッグデータは日常生活の中に存在し、それを活用することが特別なことではなくなりました。

たとえば、商品開発の場面で、市場のニーズを分析する際にもビッグデータが用いられます。コスト削減が求められる時代、具体的なプロジェクトとして稼働しなくても、データ分析によって売上高の予測まで可能です。従来よりもプロジェクトの初期コストを抑えることもできる他、人件費も削減できます。これにより、ロスの少ないビジネスが可能となり、今後は、確率から導き出されたヒット商品だけが日の目をみることになるのかも知れません。また、ビッグデータを使えば、ある店舗内で取り扱うべき商品や棚に陳列する方法まで知ることができます。それは、季節や性別、年代や趣味嗜好などを分析することで、もっと詳細で効率的な販売につなげられるでしょう。消費者にとっても、自分により適したサービスが受けられるようので、データ・ドリブンだからと言って、頑なに拒絶する人はほとんどいないでしょう。

特にビッグデータは、制限の多いシーンで効果を発揮します。

たとえば旅行先で観光地を探したいときにビッグデータを使えば、満足度の高いプランを受けられるはずです。年齢や性別に加えて、興味や関心ごと、訪れた回数や予算、さらに滞在時間まで選ぶことができれば、究極のプランを導き出してくれるでしょう。セレクトされるのは評判の高い場所なので、旅行を終えてからも多くの人に最高の旅行だったと報告できるおまけつきです。このように、ビッグデータを活用することで、個々の満足度にふさわしいサービスが当たり前に受けられます。

ラジオ番組もビッグデータと生きて行く

状況やシーンに合わせたサービスを提供するのは、ビッグデータの得意な作業です。

つまり、ラジオ番組でも同じで、パーソナリティーの声や話し方、さらには話す内容、番組全体の構成や雰囲気、そんな項目から判断して、リスナーの理想に合ったラジオ番組を提供することも可能です。これまでの常識だった曜日や時間帯で番組を聴くのではなく、自らの好みを優先して選ぶこともできるようになるでしょう。東京のリスナーが北海道や九州の放送を選ぶこともあれば、気になる話題やパーソナリティーだけを集めたラジオ番組を選ぶことも不可能ではありません。

もしもラジオ番組がビッグデータと共存することを決めたなら、番組づくりの方法が変化するでしょう。さらにビッグデータを有効に活用するためには、リスナーの心を掴む隠れキーワードを番組のフレーズに乗せることも考えられます。場合によっては、リスナーの心理をコントロールできることも起こるでしょう。リスナーからの支持が期待できる番組コンテンツだけが、自然と増産されていきます。

人工知能とタグづけで、ラジオ番組は存在感を発揮できるのか?

インターネット上でラジオ番組のサービスを提供する場合、生放送でリアルタイムに聴くだけではないサービスが簡単に始められます。

さらに、地元のラジオ番組だけでなく、インターネットの特性を生かせば、気分に合わせて容易に番組を選択し、さらには番組内のコーナーだけを組み合わせることも不可能ではありません。たとえば「radiko」のようなネットラジオでは、時間帯や地域を気にすることなく番組を楽しめるサービスがすでに提供されています。

パーソナリティーの声色を人工知能で作り出し、リスナーの気分や状況で選択することができる番組が登場するかもしれません。

さらに話の流れをリアルタイムで作り出せる人工知能を使い、コンテンツの構成までも気分で変えることも当たり前になるでしょう。限りなく個々のリスナーの趣味嗜好に共感させられる番組になれば、究極に心地よいサービスになります。ビッグデータの持つ処理能力を利用すれば、音声主体のラジオという特性を生かし、早い段階で新しい番組に移行することも可能でしょう。

多くの人に向けて作られた番組を聞く、のではなくAIスピーカーが自分の嗜好にあった話をするのを聞く、という究極の自分向けの番組を楽しむことも当たり前になるかも知れません。

ラジオ番組はどこを目指すのか?共感を最大にすることが理想となるのか?

ビッグデータの出す答えは「概ね正解」を目指しています。なぜなら、人の感情は移ろいやすく、たとえば同じ内容のラジオ番組でも感じ方は異なるからです。

そんな予測し難い曖昧さを補う術として、大量の情報がビックデータでは使われます。大体の人は右利きだから、それに合わせたサービスが適しているという判断も一例でしょう。しかし、左利きにとってはずっと違和感がある状態です。ビッグデータを活用することは、そんな違和感を拭うことは難しいでしょう。

ラジオ番組がより高い聴取率を目指すのであれば、ビッグデータの存在は心強いはずです。しかし、データ主体の番組づくりを重視してしまうと、どうしても細かなニーズを見落としてしまいます。聴取率を重視するスポンサー側と興味深い内容を求める視聴者側のどちらを優先するのかで制作方針も異なるでしょう。また、番組ごとにコマーシャルを流すのではなく、端末ごとにユーザーに最適化されたコマーシャルが流れるようになる可能性も高いのではないでしょうか?

どちらか一方が正しいのではなく、適材適所でデータを活用することが大切ですね。その活用方法をどうするかで、ビッグデータは私たちの暮らしを豊かにしてくれたり、悩みの種となったりするわけで、結局、便利になる世の中と、便利になったことで生まれて来る問題と、いかにして共存していくのかが試されている気もします。とはいえ、番組に計画性や方向性やデータ活用の要素を感じることもなかったとしても中学生の頃に無駄に夜更かしをして毎晩かかさず聞いていた深夜放送のように、なんとなく温かくてパーソナルでアットホームなラジオの世界はこれからも続いて言って欲しいものです。人間だもの。

(データのじかん編集部)

 
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