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2020年3月11日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大を受け世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、「パンデミック(世界的な大流行)とみなせる」という宣言を行いました。

日本国内でも各地で感染が確認、拡大し、これまでに7都道府県(2020年4月13日時点)で緊急事態宣言が発令され、様々な活動の自粛が呼び掛けられています。先の見えない状況の中、多くの人が様々な不安を抱えて生活しています(筆者もそのうちの一人です)。

しかし、これまでの歴史の中で人類は幾度となく疫病のパンデミックを乗り越えてきました。

今回は、パンデミックの歴史を垣間見ることでパンデミックのその先についてを模索していきます。

そもそもパンデミック、アウトブレイク、エピデミックとは?

本題に入る前にまず、ニュースなどでよく耳にする「パンデミック」や「アウトブレイク」などの用語について解説します。

医療専門家が健康とウェルネスの情報を提供するウェブサイト「verywellhealth」によると、感染症についてのイベントの名称と定義は以下のようになっています。

用語

定義

エンデミック

特定の地域の集団の中で、一定数の患者が存在していたり、一年中感染症が流行したりすること。

例えば、アフリカの一部の地域では、通年マラリアの流行が見られる。

ハイパー

エンデミック

特定の地域の集団で他の地域と比較して感染症がより高い確率で持続的に流行していること。

例えば、アメリカでのHIVの患者が300人に1人なのに対し、アフリカの一部の地域では、5人に1人がHIVを罹患している。ここでは、アフリカで、HIVがハイパーエンデミックしていると言える。

エピデミック

集団の中で予想以上に感染症の患者数が増加すること。

アウトブレイク

エピデミックとほぼ同義だが、より限定された地理的条件で感染が拡大すること。

パンデミック

世界各地の国や地域でエピデミックが発生すること。

伝染病の流行は紀元前にまで遡る


残されたエピデミックの記録は紀元前までさかのぼります。アテネの歴史家、トゥキディデスが残した『歴史』には、紀元前430年頃にアテナイで流行した感染症についての記録が残されています。この感染症について、「地方的には全滅した地域を生むほどの疫病」などの記載もあり、アテネを中心に猛威をふるったことが伺えます。

この感染症について多くの辞典などでペストと記載されることも多いようですが、どんな病だったのかは未だに明らかになっていません。

また、文書記録としては残されていなくても、数千年以上前のエジプトのミイラからも天然痘によく似た病変が見つかっていたり、5000年以上前の氷付ミイラ 「アイスマン」からピロリ菌が検出されたり、とこれまでの長い歴史の中で人とウイルスとの戦いは脈々と続いてきたことがわかります。

貿易範囲が拡大し、人々の移動が増えるにつれ、疫病も拡大

その後も、中国やヨーロッパで腸チフスやペストなど感染拡大が記録されたり、日本でも度々麻疹が流行したり、と地域ごとにエピデミックが記録されてきました。

さらにシルクロードの登場や造船技術の発達に伴い人々の移動が活発になると、それに伴い疫病の流行範囲も拡大していきました。

14世紀にアジアを発端に感染拡大したペストはヨーロッパにまで地域を拡大。当時のヨーロッパでは、技術革新に伴う鉄などの貿易の活発化と急激な人口増加、それに反して公衆衛生設備が十分でなかったことが相まって、ペストを媒介するネズミが急増し、歴史上でも類を見ないパンデミックを引き起こしました。

推計で5,000万人、当時の世界人口のおよそ1/4がこのパンデミックで命を落としたとされており、その凄惨な様子は、「黒死病」として様々な歴史書や小説、絵画に記録されています。

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