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【第1回】データが気になりだしたら“まなざし”を磨こう

         

ふだん、業務の中でごく自然と「データ」という言葉を使います。「データを集める」「データを活用する」「データを大切にする」……。でも、それって具体的には、どうゆうことなのでしょう? そもそも、何が「データ」なのでしょうか?

“気づく”ことがすべてのスタート!
「データ」が気になり始めたら、仕事の風景が変わって見えます。

まず「データ」という言葉が気になったという点を祝福しましょう。学生時代の成績表から、日常生活のショッピングのポイント、情報通信、記念の写真撮影、ありとあらゆるシーンで当たり前に接している「データ」というに、あらためて“気づいた”ということは、大きな1歩です。

満天の星もただ眺めるだけでは、見慣れた明るい星の光が目に飛び込んでくるだけです。しかし、見ようと思い、目を懲らせば、夜空をおおいつくす無数の瞬きに視界は一変します。見ようとする“気づき”の大切さは、「データ」とは何かを知る上でも大切です。

今回は、気になり始めた「データ」をもっとよく見えるようにするための“まなざし”の磨き方からお話ししましょう。「そもそも何が『データ』なのか?」の疑問には、価値ある何かが「データ」でそれを「見つける」という気持ちが込められていませんか?

“「データ」を見つける”話は、もう少し後に説明します。まず「データ」とは何かを順を追って見ていきましょう。

データ=デジタルではない。
あなたの行動からも日々生まれています。

普段、どのようなものを「データ」と呼んでいますか? デジタル機器の中で数値化されたものや、それを表やグラフにまとめたものをイメージし、ITの専門家や熟練者だけが触れるものと思ってはいませんか?

たとえば、計器で計った数値を紙に記録する。これもアナログですが、立派な「データ」です。思い出して下さい。小学校の頃、夏休みにまとめた朝顔の観察記録、修学旅行の前に計った毎日の体温の記録。それらも間違いなく「データ」なのです。そうした身近なものだからこそ、社会のIT化が進み、さまざまな事柄が「データ化」される暮らしや仕事の中にいるため、「データ」という言葉があふれ、ひとり歩きし、自分との接点があやふやになっているのが、よく分からない原因の1つと言えるでしょう。

そしてもう1つの原因は、どこかに「データ」が“在る”という前提です。そこで、次の“まなざし”をまず持ってください。

「データ」は、すでに“在る”だけでなく、
常に“生まれて”います。

「データ」が生まれる場所①
人の行動──「データ」を生むのはあなたです。

自分の1日の行動をイメージしてください。通勤に使う交通系カードに蓄積される履歴。スマホで撮影したランチの画像。それをアップしたSNSの書き込み。職場でのメールの送信。PCのシステムを介した社内外のチームとのやり取り。書類ファイルの作成。必要な素材があり、紙資料をスキャンして貼り付け。それのPDF化。アフターファイブの店をネットで予約。必要な資金をATMで下ろす……。その一連の行動すべてから「データ」が生まれています。

それに何の価値があるのか? それは“「データ」を見つける”よりもさらに後の話です。「データ」の話は、日々“生まれて”“在る”ことから始めましょう。それを生み出しているのは、あなた自身でもあるのですから、「データ」の話をする資格もあるのです。

「データ」が生まれる場所②
企業の活動──あなたは日々「データ」に触れています。

会社の業務で「データ」に関わっているのはIT担当者だけだと思っていませんか? 日々のあなたの行動から「データ」が生まれるように、毎日のあなたの業務からも「データ」が生まれています。たとえば、業務でやりとりする帳票の数々、事務処理で提出する伝票は、全社的に集計してはじめて会社の経営状況が分かります。それを財務情報として判断するのは経営層に限られるかもしれませんが、その「データ」には、あなたも関わっているのです。

自社製品の情報、競合製品の情報、顧客情報などがなければ、個々人の業務も立ちゆきません。ここでもあなたは「データ」に関わっています。

こうした、発生したものを随時ためこんだ状態の「データ」を「一次データ」と呼びます。集めること、貯めることが目的ですからこれらにどんな価値があるか実感できないかもしれません。しかそ、この「データ」の中から、目的を持って選び、推移からの予測や比較などを試みることで「二次データ」化することで価値が生まれます。

「データ」が生まれる場所③
市場情報──“使える「データ」”は外部にもある。

社内の「一次データ」を分析して「二次データ」として活用する他にも、世の中にはさまざまな「二次データ」が公開・提供されていて、それを活用することもできます。これらは客観的な整理がなされ、自分や自社の課題をより広い視野から検証するのに欠かせません。

たとえば、政府の統計からは、長期的かつ網羅的に企業活動や社会変化、経済の推移を把握することができます。また、業界の動向、調査会社による個別の統計もあなたが活用できる「データ」です。

そして必要があればあなた自身がアンケートや調査を行い必要な「データ」を生み出すこともできるのです。

今、「データ」の“生まれ方”が代わり始めた!
IoTが生み出す膨大な「データ」

IoTという言葉を日常会話で使っていますか? 知ってはいても口にしたことはないかも知れません。しかし、これもあなたが日々関わっている「データ」が生まれる場所の1つです。

IoTは、PCやスマホだけでなく、室内の家電や家そのもの、自動車といった生活全般、それに加えて物流、生産現場のあらゆる「モノ」がインターネットに接続することを言います。そこでは、人の行動から生まれるものをはるかに超える膨大な「データ」が生まれ、やり取りされ、蓄積されていきます。

人、企業、社会、モノ、さまざまな事柄から「データ」は“生まれて”いるのです。その中から、あなたが業務で必要とする「データ」を“見つけ”て“価値”のあるものにするにはどうすればいいのか? 何が必要なのか? それを次回以降に見ていきましょう。

 

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