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SNSの普及の歴史はWeb上の情報収集における「検索する」 一強時代の終焉の歴史でもあります。
2020年11月に発表された『TikTok For Business オフィシャルユーザー白書 第3弾』のタイトルに含まれる「回答から回遊へ」はまさにそのような時代の変遷を象徴するフレーズでした。マーケティングに関わるビジネスパーソンの誰もが知っておきたい、現代の情報収集トレンドを押さえておきましょう!
情報収集スタイルの変容は、Instagramの認知率が70%を超えた2015年末ごろには本格的に始まっていました。象徴的なのが、2016年3月3日、インターネット関連のスタートアップ・カンファレンスにてインスタグラマーのGENKING氏により発せられた以下の発言です。
「Googleで検索すると文字が出てくるし、(検索結果は)SEO対策されている。あとはスポンサー(広告)とかが上がってきて…ネットってリアルじゃない。」
※引用元:Googleは使わない、SEO対策しているから——Instagram有名人のGENKINGが語った10代の「リアル」┃Tech Crunch
検索汚染やスポンサーの意図が生じるという理由で「Webブラウザ離れ」が発生。代わりにユーザー目線の声がリアルな写真付きで取得できる「#(ハッシュタグ)検索」文化が勃興したのです。
2020年末のSNS利用率は81.8%と見込まれており(ICT総研調べ)、2015年末から15.0ポイント上昇。40代以上の方も含めた「ハッシュタグ検索」の利用率は全世代的に高まっていると考えられます。
引用元:2020年度 SNS利用動向に関する調査┃ICT総研
みなさんも、気になる飲食店やファッションアイテムについて調べるとき、InstagramやTwitterで「#」を使った経験が思い当たるのではないでしょうか?
ここで生じたのが、“検索手段の多様化”です。それまでGoogleやYahoo!に「検索ワード」を入力し、順位づけられた情報を得るだけだった状況に、「#」により一層口コミ性が高く感覚的な情報を得る選択肢が加わりました。
2017年10月に日本に上陸したTikTok。そのユーザー調査に見られる新たな情報収集トレンドが「回遊」です。
TikTokのアプリを開くとまず表示される「レコメンド」画面。いきなり動画が再生され、放っておけばそのままループします。飽きたら画面を上にスワイプすれば、別のおすすめ動画がスタート。左にスワイプすると投稿者のホーム画面が表示され、フォローボタンあるいは別の投稿動画に最短距離で辿り着けます。
この間、「検索」は一度足りとも行われません。検索ワードという「目的」なく、アプリのレコメンドに従ってきままにコンテンツを「回遊」して知らない情報を得ているのです。
本人が「“知らない”ということを知らない情報」を得られるのが、回遊という情報収集方法の全く新しい点でしょう。“まだ知らないけれど、興味がある(はず)”というコンテンツを表示するためにものをいうのが、ユーザー行動データを活用したレコメンドアルゴリズムです。「いいね」や動画視聴時間、投稿コメントや自身で作成したコンテンツなどさまざまな要素を、それら同士の関係性や優先順位も含めてAIの学習に活用し、ユーザーがTikTokで回遊する時間を伸ばすことに運営元であるバイトダンス社は取り組んでいます。
『TikTok For Business オフィシャルユーザー白書 第3弾』においても、「知らない分野や世界にも触れたい」「もっと自分に必要な・合った情報があるんじゃないかと思う」といったユーザーの「未知への興味」の声が紹介されています。
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