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「農地所有適格法人」とは農地法第2条第3項の要件に適合した「農業経営を行うために農地の取得ができる」法人のことを指します。
誤解されがちですが、「農業法人」は農業を営む法人の総称です。「農地所有適格法人」も「農業法人」の中の一つですが、「法人形態要件」「事業要件」「議決権要件」「役員要件」という4つの要件を満たしている必要があります。その他にも「構成員要件」というものがあり、「法人に農地貸し付けをしている個人であること」「農業やその事務などの業務に年間150日以上従事していること」「農業協同組合や地方公共団体などの農業関連団体」などが構成員として認められています。「農地所有適格法人」となる場合には「合名会社」「合資会社」「有限会社」「株式会社」「合同会社」「農業組合法人」の法人の種類から自己資金額や出資者との関係によって選択することが可能です。 また、平成28年4月1日に施行された改正農地法によって、「農業生産法人」から「農地所有適格法人」に名称が変更されました。 

農地法が農業ビジネスに与える影響とは

日本は山地が多く平地が少ないため一筆ごとの作付面積が諸外国と比べて小さく、大量生産方式による収穫の効率化や低コスト化といった分野では諸外国に追いつくことが難しい国です。そのため、農家1戸ごとの収穫量も少ない傾向にあります。また、戦後の経済成長で日本の産業が発展するにつれて農業分野の若者離れが進み、現在では農業者の深刻な高齢化が進んでいます。一方で、日本の食料自給率は40%程度(農林水産省「平成27年度食料自給率」におけるカロリーベースの値)と他の先進国と比べて低い数値であることから、これまで政府は農業者に補助金を支給したり、外国産の農作物には高い関税をかけたりすることで「守りの農業」を展開してきました。 しかし、経済のグローバル化が進む中で、特定の輸入品にだけ高い関税をかけることが難しくなってきています。そのため農業を法人化することにより、個人では難しい農地の大規模化や、低コストで高品質の農作物を栽培して輸出するなどの「攻めの農業」を行えるようになることが期待できます。TPPや諸外国との協議次第で農作物の輸入にかかわる関税が撤廃されれば、現在、関税で守られている作物の栽培農家は打撃を受けます。そのようなときに農地所有適格法人が個々の農業者を従業員として雇用することで支援する受け皿になる可能性もあります。また、その農業者が所有している土地を購入することで、より一層農地の大規模化が進み効率的な農業が行えるようになる可能性があるのです。 

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