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「データアナリストってなに?」
「データアナリストとデータサイエンティストの違いってなに?」
上記のような疑問をお持ちの方がいるのではないでしょうか。
データアナリストとは、数学や統計といったスキルを用いてデータの収集・分析して得た情報を企業に提供する職業をいいます。
また、データサイエンティストとデータアナリストは、定義上では明確な違いはありません。よって、定義外での違いを本記事にて紹介します。
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実は、定義上データアナリストとデータサイエンティストに明確な線引きはありません。両者とも数学・統計・プログラミングといったスキルを用いてデータを収集・分析し、そこから得た知見を企業に提供する職業です。そのためほとんど同じような意味で使われることも少なくありません。
しかし、あえていえば“データアナリストの上位職がデータサイエンティスト”という解釈が最も妥当でしょう。
Springboardによると、企業口コミサービスGlassdoorに掲載されているデータアナリストの平均年収は8万4,000ドル(2020年2月25日のレートで約930万円)なのに対し、データサイエンティストの平均年収は16万2,000ドル(同日同レートで約1,790万円)と倍近い差がついています。またデータサイエンティストには修士号以上の学歴が求められるのに対し、データアナリストには求められない傾向にあるようです。
もちろんこれは平均に基づいた解釈ですし、国が違うため日本の実情に必ずしも当てはまるとはいえません。とはいえ日本は現在、データサイエンス先進国といわれるアメリカを追っている最中。そのため“データアナリストの上位職がデータサイエンティスト”という認識は大きく外れていないはずです。
さて、ここからはデータアナリストを捉える上で重要な職種を下記の順で解説します。
それぞれの定義と相互作用を解説します。
データエンジニアとは、データパイプラインの設計や構築、管理を行う職種です。具体的には下記のような業務を担当しています。
データのアーキテクチャを構築し、データサイエンスやデータ分析のための基盤を提供しています。 データエンジニアは上記の通りデータの収集と処理の基盤を提供しているため、データサイエンティストの分析作業やデータアナリストの情報抽出を支援しています。
データサイエンティストは、データを収集しクレンジングする段階からそこから得た知見を製品やサービスに反映させる段階まで一気通貫で関わります。この職域の広さと責任の大きさがデータアナリストとの業務内容における違いといえるでしょう。
機械学習モデルの構築スキルやデータベース・データ処理にまつわる知識など必要とされるスキルもより専門化・高度化します。さらにステークホルダーに対してプレゼンを行う機会もあるため、プレゼン能力やわかりやすく知識を言語化する能力も求められます。
まさにデータサイエンティスト協会が提示する3つのスキルセット図の通りです。
引用元:データサイエンティストのミッション、スキルセット、定義、スキルレベルを発表┃PR TIMES
データサイエンティストにも、データアナリストと同じくコンサルティング・マーケティングに親和性の高い「アドホック分析系」とエンジニアリングに親和性の高い「アルゴリズム実装系」に分類する考え方があります。
当メディア「データのじかん」では、データサイエンティスト協会の定義する3つのスキルセット(ビジネス課題解決力/データサイエンス力/データエンジニアリング力)に加え、組織に転用・実装する際にはデータを文化として捉え直すことが重要だと考えています。
データは単なる数字ではありません。データからは、人やモノやコトの行動や変化、感情や思考の動きなども見て取ることができます。データは、社会や人々の姿を映し出す、ひとつの文化と言えるでしょう。
データアナリストの業務は前述の通りデータを分析しそこから得た知見を企業に提供することです。そこから業務の目的によって「コンサル型」と「エンジニア型」に分けられることもあります。
コンサル型は主にコンサルティングファームやマーケティング会社でデータを基に課題解決のための提案を行います。スキルでは仮説力やマーケティング知識が重視され、“データ分析できるコンサルタント”というイメージです。
エンジニア型は主にプラットフォーマーやWebメディア運営会社で取得したデータを製品やメディアの品質向上に使います。機械学習やデータマイニングにまつわるより技術的なスキルが重宝され、“データ活用に特化したエンジニア”というイメージです。
コンサル型・エンジニア型を問わず、データアナリストには下記のような能力が必要です。
また、コンサル型とエンジニア型の両タイプの定義はデータアナリストとデータサイエンティストと同じく、なんとなくの違いはあるもののきっちりとした定義でわかれていません。コンサル型とエンジニア型の両方に当てはまるデータアナリストも多く存在します。
ビジネストランスレーターとは、ビジネスの要件とデータサイエンスの技術をつなぐ役割をになっている職種です。ビジネスサイドと技術サイドの橋渡しを行っており、データに基づいた意思決定を促進しています。
データサイエンティストやデータアナリストの技術的成果をビジネス言語に翻訳し、戦略的意思決定を促進しているようです。
データアナリストは資格を取得した方が良いです。データアナリストを名乗ったり、仕事をするのに必要と定義される資格はありませんが、客観的にどんなスキルを持っているか証明できた方が良いですよね。 例えば、IT系分野のデータ解析や、統計学などの資格を持つと良いでしょう。これらの資格を持つことで、就職や転職、キャリアアップなどに有利に働きますよ。 データアナリストになる際に持っておくと良い資格について解説をします。
データアナリストになる際に持っておくと有利な資格8選は以下の通りです。
それぞれの詳細を解説します。
統計検定とはその名の通り統計に関する知識や活用力を評価する、2011年より発足された全国統一試験を行う資格の1つです。データの中から客観的に傾向を判断し、問題を解決するスキルの証明は、データアナリストとして働く際に有利に働きます。後援として、総務省、文部科学省などの政府機関が関わっているので国に認められている資格といえますね。
1級から4級までのレベルがあり、3級〜4級は中学・高校数学レベルの知識、それ以上となると大学レベルの知識が必要と言われています。自分のレベルに合った資格から挑戦すると良いでしょう。その他にも統計調査士やデータサイエンス部門などさらに専門性の高い資格も取り扱っていますよ。
情報処理技術者試験とは情報処理技術者としての知識やスキルを認定する国家試験です。情報処理の促進に関する法律に基づき経済産業省が認めており、1969年より発足されました。情報技術の背景や基本原理、知識や技能について総合的に評価できるのでデータアナリストとして有益な資格です。
さまざまな試験区分の中でも、基本情報技術者試験(FE)は基本的知識や技能を問われる内容なのではじめに受験すると良いでしょう。応用情報技術者試験の応用編のほか、ITストラテジスト試験やシステムアーキテクト試験などの専門性の高い試験もあります。さらに情報処理安全確保支援士試験から国家資格の情報処理安全確保支援士を目指せる試験もありますよ。
オラクルマスター(ORACLE MASTER)とはデータベースの管理スキルを証明する認定試験です。オラクルマスターの受験勉強を通じてデータ管理者としての基礎から発展までの知識やスキルを身に着けられるので、データアナリストとして有益な資格です。
試験レベルはデータベースの基礎を学べるBronzeからSilver、Gold、そしてデータベース管理者や責任者も目指せる最上位レベルのPlatinumまでの4つあります。飛び級はできず、ステップアップ式に受験します。データアナリストであればSilverの資格保有が望ましいです。
OSS-DB(オープンソースデータベース)技術者認定資格とはオープンソースデータベースに関する知識とスキルを証明するIT技術者認定資格です。OSS-DBの中でも「PosygreSQL」を基準のRDBMS(関連データベース管理システム)として採用しており、これは商用データベースとの連携に優れているので企業から必要とされる人材としてみると、データアナリストの資格として有益です。
受験区分はSilverとGoldの2つあります。Silverはデータベースシステムの設計から開発、導入、運用までできるレベルの資格です。一方で、Goldは大規模データベースシステムの改善から運用管理、コンサルティングまでできるレベルの資格です。GoldはSilverを取得してから受験できるので、まずは基礎的な知識を問われるSilveからの受験をします。
データスペシャリスト試験(DB)とはデータベースシステムの管理、分析、企画などのインフラを行うエンジニアを目指す資格です。高品質なデータベースを運用、開発、保守するための知識やスキルが要求されるのでデータアナリストの資格として有益といえます。
前述した基本情報技術者試験(FE)と同じIPA(情報処理推進機構)が認定する試験で、試験区分でいえばデータスペシャリスト試験は基本情報技術者試験のより高度な知識と技術が必要な試験区分です。難易度が上がるので、基本情報技術のステップアップとして受験すると良いでしょう。
Python3エンジニア認定データ分析試験とはPythonを使ったデータ分析の基礎や方法に関する知識やスキルを証明する資格です。Pythonは現在もっとも使われているプログラミング言語の1つで、データ分析だけでなくAIやアプリケーションの開発から業務効率化などさまざまな分野での活用ができます。
Pythonを使用したデータ分析をはじめとする専門的なスキルの証明になります。プログラミングスキルを活用できれば差別化が図れるのでデータアナリストとして有益な資格といえます。
G検定・E資格はともにAIを用いたディープラーニングの知識とスキルを証明する資格です。G検定はAI・ディープラーニングの活用リテラシーの全般(G:General)を証明する資格です。AIにどんなことができるか、どんな場面で活用できるかを理解できるので、データ活用の新しいビジネスチャンスの開拓に役立つとされています。
一方で、E資格はAI・ディープラーニングの理論を理解し開発、実装するスキルを証明するエンジニア(E:Engineer)向けの資格です。データアナリストとしてはまずG検定を取得することで、ビジネスシーンでのAI活用について提案できるため有益な資格といえます。
アクチュアリー資格とは将来の不確実な事象の評価を行い、リスクマネジメントを行えることを証明する資格です。主に保険や年金、企業などの将来のリスクを評価する数理業務の専門家といえます。難易度は非常に高い試験ですが、確立や統計、モデリングなどの専門的な技術を習得できます。
データアナリストとしてデータを分析した際に、数学的分析だけでなく、将来のリスクも評価できるので非常に有益な資格といえます。
データアナリストに関するよくある質問は以下の通りです。
それぞれ回答していきます。
データアナリストはやめとけと言われるのは、データ分析以外にもやることが多いからです。データアナリストはデータ分析に関する知識やスキル習得が大変な割に、一般的に知られていない仕事なので地味な仕事に反して期待をかけられることのプレッシャーが大きいと言われています。
データ解析だけでなく、課題解決のための提案やクライアントとのコミュニケーションスキルも問われます。コミュニケーションが苦手な人は大変に感じるかもしれません。
データアナリストの年収は以下の通りです。 求人サイト 平均年収 求人ボックス 699万円 indeed 589万円 二つのサイトからデータアナリストの平均年収は600万円程度と推測できます。日本の平均年収は461万円なので年収としては高いといえますね。
一方で求人サイトによっては年収300万円〜という情報も出てくるので経験を積んだり、資格を取ったりするなどキャリアアップのための対策は考えた方がよいでしょう。
データアナリストが向いている人は、数学を用いたデータ分析や統計が好きな人です。またデータ分析した結果をクライアントにしっかり提案でき、クライアントとコミュニケーションをして意向のすり合わせができる人です。また、IT業界は発展が著しい業界です。
最新の技術に遅れを取らないように学習し、自分の知識とスキルを最新のものにバージョンアップする必要があります。データ分析力、コミュニケーションスキル、勤勉さがあると向いているといえますね。
データアナリスト・データサイエンティストの違いと、関連する職種との関連性を取り上げました。
本記事にて紹介した4つの職種は、それぞれの専門知識とスキルを活かしながら、データ主導の意思決定プロセスにおいて重要な役割を果たしています。
あくまで一例ですが、各役割間の連携としては、データエンジニアは技術的な基盤を提供し、この基盤の上でデータサイエンティストが洞察を生み出します。
次に、データアナリストがこれらの洞察を基に具体的なビジネス情報を抽出し、最終的にビジネストランスレーターが技術的な成果をビジネスの言葉に翻訳して、戦略的意思決定をサポートします。
このように、彼らの間の連携によって、データは組織にとってより価値のある資産となるのです。
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