About us データのじかんとは?
縦軸は購買率、横軸は注文数、バブルの大きさが各国の利用者数を表すバブルチャートがあるとします。A国は、1年前はバブルA’の実績しかなく、僕が施策Aを行った効果で現在のバブルAの規模と数値が出るようになりました。
バブルB群について同様のグラフを見ていて、あることに気づきました。B1国、B2国、B3国の集合であるバブルB群は、一国当たりでは、購買率・注文数・利用者数とも少ないんですが、合わせるとバブルA’と似たような規模・環境のバブルB’になります。だったら施策AをB’のためにアレンジして同じように展開すれば、実績を伸ばせるのではないかと考えたのです。
これって少ない手間で大きな成果が得られることですよね。施策Aは一度試して成功へのルートがわかっている。アレンジして施策Bにするのは手間がかからないわりに、Aと同じくらいの利益と効果が見込める。まさに格好のLow Hanging Fruitsです。
施策Aを成功させるポイントは知っているので効果はAのときより早く出せます。ABの環境差を埋めて実施条件を合わせるコストを足しても、バブルB群が成長して生み出す利益のほうが大きく上回って会社にメリットがあります。僕はこの施策のために予算を獲得したいと考えました。
実現するには本社の上司に「この施策は効果がある、これだけの売上を生み出せる」と納得してもらわなければいけない。僕が説得に使ったのが上記のデータとロジックです。さらに数値データを追加して見込み利益についても詳しく提示しました。その結果、施策には無事ゴーサインが出ました。
僕は暇さえあればデータを取り出してこうやってLow Hanging Fruits を探しています。データから考える習慣をつけると数字に対する勘も磨かれて、自分ができそうなこと、やりたいことがどんどん見えてくる。そうなると毎日が本当に楽しいんですよ。
僕は世界で通用する共通言語が4つあると思っています。それは、英語・情熱・数字・ロジックです。英語はグローバル社会での文字通りの共通言語。情熱も人種を越えて伝わります。
数字とロジックは欠けていると突っ込まれる可能性が出てきます。たとえば以前、日本のブランドマネージャーがアメリカ人のCEOに「日本はこういう文化だから浸透しないだろう」と説明したんですが、CEOは「わかった、じゃあそれを証明する数字を見せて」と言う。数字とロジックに慣れていない人だと戸惑っちゃいます。
もしここで実際に調査して「日本では100人中80人が受け入れない」というデータがあったら、文化が違ったとしても一気に相手を説得できるんですよ。自分の感覚を数字に置きかえてあげる、わかるようにデータの形を変えてあげる。それだけでも仕事の質とスピードが上がります。
お話をお伺いしたDataLover:植山 周志(ウエヤマ シュウジ)
Dropbox JapanにてGrowth Marketingに従事。
2008年より、仕事の傍らビジネスマンに向けたExcelの使い方やプレゼン資料の作り方、数学思考力などのレクチャーを実施。2011年3月にグロ―ビス経営大学院を卒業し、MBAを取得。「世の中に価値あることを提供する」を目指して、日々努力中。1994年からの12年間で、BMX(自転車競技)の国内外の大会にて45回もの優勝経験を持つアスリートでもある。趣味は料理とホームパーティー。
著書に 『数字思考力×Excelでマーケティングの成果を上げる本』、『「あるある」で学ぶ忙しい人のためのExcel仕事術』がある。
植山周志のぶっ飛びブログ:http://www.shoe-g.com/
(PHOTO:Inoue Syuhei 企画・編集:野島光太郎)
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