普段から数字を意識していれば自然とデータに対するセンスは身につくと思っています。
たとえば僕の場合、ランチでラーメン屋に入ったら「ああ、20席あるな」と確認します。「ラーメン1杯800円なら客単価は1,000円だ」と当たりをつけて、1人20分で食べるとするとこの席は1時間で3人座るはず。だから1時間で3,000円を売り上げるだろうと考える。席数でかけ算すると店のランチの売上が何となくつかめます。
これはフェルミ推定とよく似た方法で、いくつかの手がかりから短時間で概算を出す手法です。見える状況からどんどん要素を分解していって、肌感覚でわかる程度まで分解したら数字を当てはめてみる。細かく合ってなくてもいいんです。自分が30分で1杯食べるんだったら、30で計算しても全然問題ない。推定の桁が合っていればいいくらい。大事なのはいつも数字に置き換えて考えることです。
自分の仕事だったらラーメン屋より実体に近い感覚で想像できるでしょう? プレゼンする前に、自分が立てた提案に沿って概算を出してみるといいですよ。事前に「これだけ売り上げると思ったらこんなに少ないようだ」とか「これだけお金をかけるのに成果はこれくらいか」とか、必ず数字上の改善点が見つかります。どこが悪いのか見つかれば自分の提案内容をプレゼンする前の段階でブラッシュアップしてより提案内容の完成度を上がることができます。
施策を考える段階で分析を取り入れると、企画の精度はもっと上がります。まず自分の会社のビジネスを数字に置き換えて、データを見ながら「どこから手をつければいいか」を考える。まだ見つかっていないLow Hanging Fruitsを探すんです。
下の例でいえば、会社として重要なのは「売上」で、分解すると「平均購買単価」×「注文数」で構成されている。「注文数」をさらに分解すると「webへの訪問者数」×「購買率」で構成されている。
物事には自分がコントロールできることと、できないことがあります。「売上」は直接コントロールできません。でも「web訪問者」を増やしたり「購買率」を上げたりするのはコントロールできる。だったら、この2つの要素に効果的な施策を仕掛けようと考えられるわけです。
この2要素の数値が上がれば結果として「売上」も上がります。自分が手を加えられる要素を見つけたら「自分が手っ取り早くインパクトを与えられる要素」を選びます。僕だったら「購買率」をコントロールする施策のほうが向いているし、自分にとってやりやすい。だから購買率を上げる作戦をいくつも立てるでしょうね。
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