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芸能界が結婚ラッシュにつつまれたいい夫婦の日である2019年11月22日(金)、ウイングアーク1st株式会社が主催するビジネスアイデアコンテスト「Datalympic 2019」の決勝がザ・プリンス パークタワー東京で開催されました。

Datalympic 2018」のファイナリスト「MBとYシャツと私」チームの栗原(株式会社ジール)も、観客としてこの日を楽しみにしていました。

というわけで、僭越ながら私の感想を交えつつ決勝戦の様子をレポートします!

今年は、日本全国だけでなくシンガポールからもエントリーがあり、合計173チームが参加。うち書類審査を通過した65チームが全国8都市で行われた予選会(10/2、10/3 東京、10/8 福岡、10/9 名古屋、10/17 仙台、10/24 広島、10/25 大阪、10/29 札幌、10/31 新潟)に出場しプレゼンを行いました。その中から、厳格な審査を勝ち抜いたファイナリスト5チームが東京で開催される決勝戦に挑みます。

審査員および審査基準

審査員長を務めたのは昨年に引き続き小泉耕二氏(IoTNEWS代表 株式会社アールジーン 代表取締役/CEO)。さらに、審査員として粟生万琴(株式会社エクサウィザーズ 社長室 フェロー)、出村光世(株式会社コネル 代表取締役)、小野陽子(横浜市立大学 データサイエンス学部 WiDS Tokyo@YCUアンバサダー)、日比谷尚武(Sansan株式会社 コネクタ/Eightエバンジェリスト)の5名で緊張感のある審査が行われました。

今回の大会の審査基準は以下の4つです。

・ビジネス       収益性や実現可能性がみられ持続的である
・テクニカル    多様な技術を取り入れ実用性がある
・表現力      共感や感動を与える工夫や配慮が見られる
・イノベーション  革新的なアイデアで驚きや未来を想起する

プレゼン時間は5分間。今年は、5分が経過するとヘルシー矢野さんから「ヘルシー!!」という声がかかるという新しい(かつ謎な)仕組みが導入されました。ヘルシー矢野さんって何者???という疑問に対する回答は用意されないままに本戦に突入です。

0x1d(会津大学):『快適 Deliver』

トップバッターは注目の学生チーム。0x1d(会津大学)による脳波計とドローンを使ったアイデア『快適 Deliver』です。

今にも眠ってしまいそうな社員の眠気を感知し、ドローンが頭上へ飛んで来ます。ドローンは眠ってしまいそうな社員に風を送ることで眠気を覚まそうとします。仕事中の眠気や熱さ、のどの渇きなどよって集中力の低下が生じた時、それを先回りして感知し、集中力が持続するように仕向けてくれるような世話役が欲しい、という気持ちから生まれたのがこの『快適Deliver』です。

予選では実際にドローンを飛ばしたそうですが、当日は会場の関係でドローンを飛ばすことはできませんでした。ドローンを飛ばすプレゼンがあったならまた印象も違ったかもしれないですね。ぜひ見たかった!!

いずれにせよ、独自の技術を活かしたシーズ志向のアイデアで勝負できるのは羨ましい限りです。ちなみに会津大学チームは、脳波ドローンレース大会で過去2回の優勝経験があるそうです。

チームひとり(株式会社ジール):『新しい転職活動のカタチを提供する「wa」』


2番目は、劇団ならぬ、チームひとり(株式会社ジール)の山森さんによる『新しい転職活動のカタチを提供する「wa」』です。なんと、アイデアを練るところからプレゼンまで全部ひとり!

働き方が多様化し、転職する人も珍しくない時代になりました。転職者が増えるにつれ、前職の会社についての文句を新しい職場でついつい口にしてしまう人も増えてしまいます。実はこの風潮は、転職者にとっても前の会社にとっても良い話ではありません。そこで、山森さんは「元社員はもっとも信憑性の高い広告塔である」と考え、会社が転職する人を気持ちよく送り出せば良い広告塔になり、辞め方を間違えれば悪い広告塔になってしまう、という仮説を立てました。

『新しい転職活動のカタチを提供する「wa」』は、会社が退職希望者を支援することで転職時の退職トラブルをなくすという革新的なアイデアです。具体的には、運営会社「wa」を通して転職希望者の所属会社が転職希望者の評価を求人企業へ提供します。

転職希望者は退職トラブルを回避し、転職希望者の所属会社は社員の離職理由を把握することができ、求人を出している会社は信憑性の高い情報を得ることができるという、三方良しなアイデアです。

転職の考え方を大きく変えるポテンシャルを秘めた斬新な切り口なので、イノベージョン得点が高そうな発表だと感じました。そして、たったひとりで決勝まで勝ち進んだ熱量には脱帽です。決勝に残るための秘訣は、チームビルディングだけではないんですね。

ITの略は「イベント楽しむ」です。(株式会社富士通マーケティング):『イベント会場可視化で叶える参加者全員HAPPY♡大作戦!』

3番目はおそろいの川崎フロンターレTシャツで登場した『ITの略は「イベント楽しむ」』チーム(株式会社富士通マーケティング)による『イベント会場可視化で叶える参加者全員HAPPY♡大作戦!』です。

野球観戦で「電車の混雑を避けて早めに帰りたい。でも試合を最後まで見てから帰りたい」というジレンマを感じたとき、そもそもイベントを最後まで楽しめずに先に帰るというのはおかしいのではと考えたそうです。

日本では大型イベントのニーズが多くあり、来年2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。そして、大型イベントは必ずと言っていいほど混雑する、という2点に着目し、『イベント会場可視化で叶える参加者全員HAPPY♡大作戦!』が編み出されました。

作戦内容は2つ。

1つ目の作戦はイベント参加者向け優先退場パス。ファストパスの反対で、イベントを最後まで楽しんだ後お金を払って優先的に帰るチケットです。

2つ目の作戦は運営者向け入退場管理ボード。スタッフの最適配置、人員削減を図るボードです。

優先チケットには紙のチケットが不要なLINEチケットを使用することを前提とし、入退場情報、顧客情報、チケット購入情報を活用します。

入退場管理ボードは、着席状況の可視化機能、シミュレーションによる入退場業務のサポート機能、LINEによる退出メッセージ送信後機能を持っています。

画面は3つの要素で構成されており、現在の着席率、退出メッセージ送信後の着席率シミュレーション、会場レイアウト図と出口の混雑度ランプを確認することができます。

実は『ITの略は「イベント楽しむ」』チームは、Datalympicの前身である2017年のMotionBoard Cloudコンテストに続き、2回目となる決勝戦出場。

やはり共感できる課題設定や納得感のある事業規模など、ビジネスコンテストの要点を押さえている手強いアイデアです。

1度優勝してもまたチャレンジする姿勢に私も感化されました。

エムビーチョトデキル(株式会社ジール):『ボトルキープのクラウドサービス OZONE(オゾン)』

4番目はまたまた株式会社ジールより「ワタシエムビーチョトデキル」チームが登場。『ボトルキープのクラウドサービス OZONE(オゾン)』についての発表を行いました。

OZONEとは「Osaka、Osake。Otonarisan」の3つの0を掛け合わせた化学式に由来したネーミングだそうです。

「液体をデータに変えることによって飲みにケーションに変革を起こす画期的なサービス、Alchol as a Service、すなわちAaaSです。」

怪しい雰囲気に、ざわつく会場と審査員…。

「AaaSはお酒が飲めて分析ができる、シンプル、かつ、強力なサービスで新たなお隣さんをdiscoverできるでしょう。」

OZONEの紹介の後は謎の娘と父の感動系ショートムービー。B級映画的な完成度がちょうど良い感じで、多くの笑いを誘っていました。

予選会では、父と娘の感動物語ではなく、お酒を通じて出会う若い男女の話を描いたちょっといかがわしいマッチングサービスだったそうです。決勝戦に向けてプレゼン資料も動画も全て作り直したそうです。現実味を帯びた賞金100万円の力が人を動かしたのかもしれませんね。

「予選の資料で予習していた内容と全く違うんですが…。」と審査員の日比谷尚武氏が困惑気味だったのが印象的でした。

プレゼンの面白さで押し通した感じはありますが、お酒を飲む人口や頻度を考えるとターゲットは多そうです。

Datalympicはどんなチームが決勝に残るかわかりませんね。

B-en-人(ビジネスエンジニアリング株式会社):『Combat Scoring Board ~ゲーム上級者を目指して~』 

トリを飾るのは、B-en-人(ビジネスエンジニアリング株式会社)の『Combat Scoring Board ~ゲーム上級者を目指して~』です。

近年の世界のゲーム人口はなんと25億人。地球上のおよそ3人に1人はゲームをしている時代だそうです。eスポーツがオリンピックの公式種目になるかもっていう話も聞きますね。

その中でも特に盛り上がりを見せているのがシューティングゲーム。eスポーツ1大会の賞金総額約33億円という夢がある分野です。

プロのeスポーツ選手もいる中でゲーム業界を支えているのはボリューム的にももっとも多いいわゆる一般人の層です。彼らの多くはゲームスキルをもうちょっと上達させたい、という願望を持っており、上級者によるプレイ動画を見る、などゲームスキル向上のための情報収集を行なっています。

しかし、自分のプレーのどこに上達の余地があるのか、というのはなかなか自分ではわからない課題です。

この課題を解決するのが、CombatScoringBoard=CSB(戦闘スコア可視化ボード)です。シューティングゲームの場合であれば、撃たれやすい場所、撃ちやすい場所などをヒートマップで可視化し、対策を練るための支援をしてくれます。ユーザはCSB一つでゲーム上達に必要な情報を手に入れ、成功体験を積むことで、場に応じた立ち回りを習得することができます。

ユーザには分析データを提供することで充実したゲームライフを提供し、ゲーム会社にはユーザのプレイ傾向がわかるデータを提供することでゲーム開発の支援をします。

ビジネス、テクニカル、表現力、イノベーション全ての評価基準をしっかり押さえていて、優勝を取りにきている感じが伝わってきます。ゲームをしない私でも、頷きながら聞いてしまいました。

結果発表

全てのプレゼンが終了した後はいよいよ緊張の結果発表です!

まず上位3チームが発表され、エムビーチョトデキルチームと0x1dチームが脱落。残すところ3チームとなり、3位:チームひとり(298点)、準優勝:B-en-人(310点)、優勝:『ITの略は「イベント楽しむ」』です。(338点)という結果が発表されました。ということは『ITの略は「イベント楽しむ」』のみなさんにとっては2回目の優勝!!

優勝した『ITの略は「イベント楽しむ」』チームへウイングアーク1st株式会社 田中潤社長から優勝トロフィーと優勝賞金100万円が授与されました。

田中潤社長は、「東京オリンピックにむけてぜひ事業化してほしいと思いました。実は当社主催のコンテストで2回目の優勝になりますよね。実現する力、何度も出場するバイタリティがすばらしい。優勝にふさわしいチームでよかったです。」とコメント。

審査委員長 小泉耕二氏

2年連続で審査員長を務めた小泉氏は、「最近はリアルのデータとデジタルのデータを合わせて取れるようになり、MBを使って活用できる時代になってきたのを感じました。審査員としても非常に満足度の高い大会でした。来年も楽しみにしています。」とコメントしました。

最後は、優勝者富士通マーケティング針谷さんのコメント。

「8月の暑い頃からずっと準備を進めてきたので嬉しいです。心配だったのはマイクを持つと喋り過ぎてしまうことでした。今日は5分きっかりに収めることができてほっとしています。このような賞をいただけてうれしいです。ありがとうございました。」

大好きなおしゃべりを活かして見事に優勝を勝ち取ったんですね。本当におめでとうございます。

今年のファイナリストは、インパクトや遊び心のあるアイデアが多く、昨年とはまた違う雰囲気で新鮮でした。最後に勝敗を分けたのは事業として現実味があるかという点ではないか、という印象を受けました。

Datalympic主催者の新規事業を応援したいという気持ちと、イベントを盛り上げたいという気持ちの両方が伝わってくるビジネスコンテスト。来年のファイナリストがどんな顔ぶれになるのかは全く予測がつきません!!

今年は、ファイナリスト以外にもすぐに事業化できそうな良いアイデアが多かったということで予選会に進出した61チームの中から、3チームにビジネスマネタイズ賞が授与されました。
Datalympicに提出された作品の中から、実際に事業化するアイデアがあるかも??

ちなみに昨年、副賞として自家製のMotionBoardメダルが贈られ、一部のマニアの間で注目されていた島澤賞の副賞は今年もMotionBoardメダルでしたが、今回はアルミをなんと2キロも使った、という去年よりもさらにパワーアップしたMBメダルとなっていました。今年の島澤賞は2番目に発表を行なったチームひとりの山森さんに贈られました!おめでとうございます。市場価格およそ400円くらいだそうです。(笑)

結びに

Datalympicは来年2020年も開催されるそうです。詳細は来春発表ということで、参加したことがある方もない方もぜひチェックしてみてください。

学びに笑いに感動に、何が得られるかわからないDatalympicに注目です。

最後になりますが、私が今回一番驚いたのは、ヘルシー矢野さんが芸人ではなくウイングアーク1st株式会社の社員だということでした。来年のDatalympicではヘルシー矢野さんが本当は何者なのかについての説明もぜひお願いしたいと思います。

ヘルシー!!

(株式会社ジール 栗原和音)

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