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ガートナー発表|データ・分析のリーダーの72%がDXを主導、今後5~10年のデジタルトレンド、コロナ禍の影響や注目ポイントについても解説!

         

2021年5月に発表されたガートナーによる調査「CDOサーベイ」によると、データ・データ分析のリーダーの72%が、組織内のDXのイニシアチブを主導しているか、深く関与しているということが明らかになりました。

Gartner, Inc.  Distinguished VP Analyst Debra Logan氏は、この結果を受けて「より多くの組織が”データドリブンによる経営”と”DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進”のシナジーの重要性を理解し始めている」とし、データやデータ分析における戦略は、デジタルビジネス戦略の主要な役割を担い、組織のあらゆる活動に影響を与えると語りました。

また、ガートナーと言えば、新技術の需要が生まれ衰退していくまでのサイクルを表すあまりにも有名なハイプサイクル。市場動向を探り投資の時期を見逃さないための基準として、様々なところで用いられる機会が多くなっています。

今回は、昨年の2020年8月に公開されたグローバル版の「先進技術におけるハイプサイクル2020年度版」についても解説。今後5~10年のデジタルトレンド、コロナ禍の影響や注目ポイントについてチェックしてみましょう!

30種のテクノロジーのうち、あなたはどれだけ知っているでしょうか?

新型コロナウイルスが大きく影響──「ソーシャル・ディスタンシング・テクノロジ」「ヘルス・パスポート」

2020年のハイプサイクルに最も影響を与えたのはやはり“新型コロナウイルスの世界的パンデミック”です。

「『過度な期待』のピーク期」の頂点に位置する白丸は「ソーシャル・ディスタンシング・テクノロジ」。ビデオ会議システムや座席予約システム、群衆分析センサーなどが例として挙げられます。2020年に初登場したにも関わらずすでに「『過度な期待』のピーク期」に入っており、このような例は非常に特殊であるとガートナーのアナリスト/バイスプレジデントのブライアン・バーク氏もコメントしています。

引用元:ガートナー、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年」を発表┃Gartner

ハイプサイクル上にはもうひとつ白丸(主流の採用までに要する年数:2年未満)が。
それは、「黎明期」に位置する「ヘルス・パスポート」です。

こちらもCOVID-19の流行によりハイプサイクル上に初登場したテクノロジー。すでに中国やインドでは実用化されており、例えば「アリペイヘルスコード」はQRコード決済サービス「アリペイ」のビッグデータと行政の保有する市民の移動や健康状態にまつわるビッグデータを統合解析し、個人の健康状態を赤・黄・緑の色で可視化する技術です。コードを用いて健康を証明しなければ通行や利用ができない施設が現れたことから、急速に普及が進んだとのこと。

日本でもCOVID-19がリモート作業やデジタルヘルスの浸透を進めました。初診からのオンライン診療は新型コロナウイルス対策の時限的措置として4月に解禁されましたが、10月にはかかりつけ医に限り原則解禁とする方針が発表されています。このように、新型コロナウイルス対策として進んだテクノロジーの普及は暫時的なものだけにとどまらず、今後の世界のあり方を大きく変えることとなるでしょう。

この言葉を知れ! 5つの先進テクノロジ・トレンド

ガートナーは30種のテクノロジーを「5つの先進テクノロジ・トレンド」として分類し、カテゴリごとにまとめています。
それぞれについて見ていきましょう。

デジタルミー


前述の「ソーシャル・ディスタンス・テクノロジ」「ヘルス・パスポート」が含まれるのがこのデジタルミーです。
デジタル上で自身(ミー)を再現し、健康管理や行政手続き、新たな知覚などに利用することと考えるとわかりやすいかもしれません。

【含まれるテクノロジー】

・ソーシャル・ディスタンス・テクノロジー
・ヘルス・パスポート
・人のデジタル・ツイン
・シチズン・ツイン
・マルチエクスペリエンス
・双方向ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)

コンポジットアーキテクチャ


コンポジット(composite)とは“複数のものの組み合わせ”のこと。また、アーキテクチャは“コンピューターやシステムの設計思想”を意味します。これまでパッケージとして提供されてきたデジタル技術が確実性の低いVUCA時代に合わせて、より柔軟で変化に強い形で提供されることにまつわるテクノロジーが含まれます。

【含まれるテクノロジー】

・コンポーザブル・エンタプライズ
・ビジネス・ケイパビリティ・パッケージ
・データ・ファブリック
・プライベート5G
・組み込み型人工知能 (AI)
・エッジにおける低コストのシングル・ボード・コンピュータ

フォーマティブAI


“フォーマティブ(形成可能な)”AIのことです。機械学習の実用化に伴う第3次AIブームは終わりを迎えようとしているという論調が支配的になりつつあります。そんななかで状況に応じて変化したり、自ら何かを生み出せたりするAIの可能性に注目が集まっています。

【含まれるテクノロジー】

・AI拡張型設計
・AI拡張型開発
・オントロジ/グラフ
・スモール・データ
・コンポジットAI
・アダプティブな機械学習
・自己教師あり学習
・生成的AI
・敵対的生成ネットワーク

アルゴリズムによる信頼


クラウドやビッグデータ・AIの利用が一般化するにつれ、個人情報保護の重要性やデータを取り扱う側の説明責任も大きくなってきています。その担保にアルゴリズムを活用することは浸透し、安全なクラウド利用を支える「セキュア・アクセス・サービス・エッジ(SASE)」や、AIに判断の理由と根拠を求める「説明可能なAI」は「『過度な期待』のピーク」に差し掛かっています。

【含まれるテクノロジー】

・セキュア・アクセス・サービス・エッジ (SASE)
・差分プライバシー
・来歴証明
・個人所有アイデンティティの業務利用 (BYOI)
・責任あるAI
・説明可能なAI

シリコンの先へ


シリコンとは「シリコンバレー」の由来でもある“半導体”のことです。IT業界は約2年ごとに2倍に達するといわれる(ムーアの法則)半導体の品質向上に支えられてきましたが、その物理的な限界は近づいています。そこでDNAやカーボンナノチューブの活用に目が向けられているのです。

【含まれるテクノロジー】

・DNAコンピューティング/ストレージ
・生物分解性センサ
・カーボン・ベースのトランジスタ

 
ハイプ・サイクル分類表で見る2020年のテクノロジートレンド

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