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一寸先は闇!?何が起こっても変じゃない「VUCAの時代」をサバイブするための4つの戦略

         

2000年代後半になって、安定の代名詞だった大企業が事実上経営破綻したり、身売りしたといったニュースを聞くことが増えました。2016年、巨額の負債を抱えたSHARPが台湾企業の鴻海に買収された一件は記憶にも新しいのではないでしょうか。

一方で、新しいビジネスモデルで利益を上げる企業や個人も登場しています。例えばブロガー、You Tuberなど、自作のコンテンツに出稿された広告収入で生計を立てる仕事は、おそらく一世代前には想像もできなかったでしょう。

しかし現在成功しているビジネスモデルが2〜3年後にも安泰とは限りません。流行り廃りの間隔は非常に短くなってきています。また、加速度的に進歩する技術により、近未来に消滅する職業も多いと言われています。

すぐ先が見えず、何が起こるか予想もつかない。この状態を表すビジネス用語が「VUCA」です。VUCAはVolatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)という4つの単語の頭文字を組み合わせた言葉で、もとは1990年代にアメリカで軍事用語として発生しました。

要は「一寸先は闇」。社会不安が広まりがちなVUCA時代を、仕事人として、また個人として生き抜くにはどのようなスキルが必要なのでしょうか? 

VUCA時代を生き抜くのに必要なのは?

ドイツ・ミュンヘンに本社を置くコンサル会社ローランド・ベルガー社によると、VUCAの時代のビジネスで重視される要件がいくつかあるそうです。

1. 明確なビジョンを持つ


「でも明確なビジョンが立てにくいのがVUCAの時代なんでしょう?」と矛盾を感じてしまうかもしれませんね。

しかし明確なビジョンを持つというのは、売上高や業界のトレンドを正確に見通すことではありません。理想とする事業形態や社会への関与の仕方など、大きな指針を掲げることが大切なのです。これがないとVUCAの世界では右往左往して消耗することになります。

2. スピード感とトライ&エラー


VUCAの時代には、「企画Aを試して、ダメならすぐに企画Bを試す」といったフットワークの軽さと、失敗を恐れないメンタルが大事。じっくり時間をかけて計画を立て実行するという方針は今や時代遅れ。刻一刻と変わるビジネストレンドの機を逃さないために、走りながら考えるというスピード感が必要です。

こうした点では中小企業の方が小回りが効くと思われがちですが、肝心なのは企業の体質で、規模ではありません。ソフトバンク、ユニクロ(ファーストリテイリング)、サントリーなど、新しい施策を次々打ち出しては軌道修正を繰り返している大企業もあります。

3. 製品や路線の多様化


例えばある製品が一世を風靡したとしても、トレンドの移り変わりが早いVUCA時代ですから、一年後にもその人気が続いているとは限りません。ひとつの製品だけに比重を置き過ぎると、その失速と同時に業績が傾き倒産してしまうこともありえます。

そのリスクを分散するには、商品Aが順調なうちに、路線が異なる商品B、Cを打ち出すことが重要。例えばファストファッションの代名詞H&Mは2007年、高価格路線のファッションチェーンCOSを立ち上げました。ファストファッションの時代が一段落し、上質で長く使えるものを求める消費者が増えると予想したためです。この予想は的中し、現在H&Mが苦戦を強いられている一方、COSの売り上げは右肩上がりだそう。

4. 自分の分野のルールメーカーになる


新製品や新規サービスを開発したら、同業他社が参入できないようなクローズドのプラットフォームを作ってしまうのも手です。自社の製品・サービスのみで顧客のニーズが完結するようにするのです。

Apple社のiTunesと同社デバイスの連携はその典型と言えます。iPod、iPad、iPhoneのみで使用できるダウンロードサービスという、自己完結型のビジネスモデル。同様のサービスにはAndroid OS+Google Playのペアがありますが、Android OSのスマホメーカーが星の数ほどあることを考えると、Apple社の強さが際立ちますよね。

VUCAの時代を逆手にとってチャンスを掴む

実はこうした要件は、フリーランスの私にとっては身近なものばかり。特に重視しているのは「3. サービスの多様化」です。ライターの他にも翻訳業、観光ガイドをしつつ、最近では日本語講師の仕事を始めようと動いています。というのも人工知能の発達が目覚ましい昨今、メインの収入源である翻訳の仕事の質や単価の変化を肌身で感じるためです。まさにVUCAの時代の波を被っていますね……。

しかし裏を返せば、チャレンジ精神を忘れない人にとってはチャンスを見つけやすい時代かもしれません。被雇用者、自営業、自由業、どのような職業形態であっても上記の要件を頭の片隅に入れておいて損はないのでは?

進化スピードが増していく今、PDCAではなくOODAの時代に突入って感じですね。簡単にまとめると、VUCAの時代を生き抜くには、ブレないこと、一つのやり方に執着しないこと、二つ以上のスキルを掛け合わせること、他人の土俵で戦わないこと、が大切だと言えそうです。

参考リンク
VUCAワールドを勝ち抜くために経営者は何をするべきか?BiZHiNT - VUCA

(佐藤ちひろ)

 
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