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「オンプレミス」とは、on-premises(構内で)という英語表現由来のIT用語で、情報システムを自社設備内で完結して管理・運用することを意味します。口頭では、略して「オンプレ」と言われたりもします。
企業情報システムで扱う内容は基本的に社外秘であり、伝統的に全てを自社の監視・管理下に置くというのが2005年あたりまでの主流でした。その後、インターネットの発達、高速通信回線の普及、さらに業務効率化に伴うアウトソーシングの一般化などの諸条件により、企業情報システムを取り巻く技術的・社会的環境は激変しました。
その結果、外部のリソースを自社のシステムに取り込み、オンデマンドのサービスを利用するという流れが加速し、強固なセキュリティーで保護されたサーバーやソフトウェアの機能をインターネット経由で利用するSaaS(サース:Software as a Service)など、さまざまな外部リソースが利用可能になっています。
このように、インターネット接続環境とサービス利用で業務システムが運用される状態を「クラウドコンピューティング」と呼びます。中でも、クラウドプロバイダーが一般に提供するクラウドサービスを、部分的に「共有」するものを「パブリッククラウド」、「専有」するものを「プライベートクラウド」、またその両者を融合したものを「ハイブリッドクラウド」と区別します。
オンプレミスとクラウドを比較するには、メールやBBS、スケジューラー機能を提供するグループウェアの活用シーンを想定した例が想像しやすいかも知れません。
まず、初期投資という面で、オンプレミスではハード・ソフトへの自社投資が基本でありシステム設計や調達に長期計画が必要になります。コスト形態の面でも、オンプレミスの場合は資産、クラウドの場合は経費、という違いがあります。
オンプレミスにはカスタマイズ性が高い、というメリットもありますが、クラウドは利用ベースでの課金が基本なので初期投資額を抑えることができます。ランニングコストという面でも、オンプレミスでは管理費用や更新コストが必要ですが、クラウドではクラウドプロバイダーが管理する部分に関する保守運用コストは不要です。スマートフォンなどからのモバイルアクセスの面でも、インターフェイスにウェブブラウザを利用するのが一般的なクラウドサービスのほうが有利です。
一方で、セキュリティという面では、自社内で完結するオンプレミスのほうが有利な場合もあり、既存の業務システムとの統合を考えた場合には、カスタマイズの柔軟性からも今のところオンプレミスのほうにメリットがあると言われていましたが、クラウドも日々進化を続けており、行政への対応や暗号化など最新のセキュリティー対策を活用することも可能、といったメリットもあります。
どちらが安全なのか、というのはクラウドサービスを運営している企業によって考え方が異なるため、自社が必要としているセキュリティーレベルに沿ったサービスを活用することが奨励されています。
このように、オンプレミスにもクラウドにもそれぞれのメリット、デメリットがあります。
ざっくりまとめるのであれば、初期投資を抑えたい、すぐに使いたい、とりあえず試したい、障害対応を避けたいならクラウド、自社完結、カスタマイズ性、システム連携を重視するならオンプレミス、というところでしょうか。クラウドがまだまだ現在進行形で進化している、という事実も、意思決定の際には重要な要素となってくるかも知れません。
それぞれのメリット、デメリットを理解して頂ければ幸いです!
(データのじかん編集部)
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