世界経済フォーラム(WEF)が、毎年発表しているジェンダー・ギャップ指数の2019年度版を発表しました。
日本は昨年よりもランキングを11位落とし、調査対象となった153カ国のうち121位となりました。この結果は、主要7カ国(G7)の中で最低だっただけでなく、2006年から開始したジェンダーギャップランキングの歴史の中で日本にとって史上最低のランクとなっています。
「女性の活躍を推進する」や「男女平等社会を目指す」という言葉がテレビなどでもよく見受けられるようになった一方で、なかなか進まないジェンダー格差の解消。日本が抱える課題とは一体何なのか、指標から探っていきます。
ジェンダーギャップ指数とは、健康・教育・政治・経済という4つの分野を14項目に分けてそれぞれの分野の指標におけるジェンダーギャップから総合的に判断されるものです。
指数の計測にあたって、14の項目の集計には、項目ごとの偏りを考慮し、重み付けがしてあります。全てのスコアにおいて、値が1に近づくほど男女平等に、値が0に近づくほど男女格差が大きい、と判断されます。
今回の121位というランキングは日本にとって過去最低の水準でした。では、日本のジェンダーギャップ指数はこれまでどのような推移を辿ったのか、まず見ていきましょう。
ジェンダーギャップランキングの推移を見て行くと、計測開始の2006年から、年々ランキングが下がる傾向にあることがわかります。
ジェンダーギャップ指数の計測において、計測の対象となる国は年々増えています。そこで、日本のランキングを、調査対象国の数で割って、参加国全体のうち上位何割にあたるのかを見てみました。
こうして見ると、比率的には2019年度は2017年に次ぐ史上2番目に最低の値をとっており、相対的に見ても日本のランキングが下がっている傾向にあるということが分かると思います。またジェンダーギャップ指数自体で見ても大きな成長の様子は見られません。
つまり日本のジェンダー格差の状態は、この十数年間でほとんど解消されておらず、その結果、相対的な順位が徐々に下がっていていると言えます。
1 2
メルマガ登録をしていただくと、記事やイベントなどの最新情報をお届けいたします。
30秒で理解!インフォグラフィックや動画で解説!フォローして『1日1記事』インプットしよう!