About us データのじかんとは?
スキマバイトという言葉をよく目にするようになったと思いませんか? 近年、スキマバイトで働く人=スポットワーカーの存在感が高まっています。スポットワーカーは現在、国内に1000万人以上いるといわれていますが、彼らの実際の懐事情はどうなっているのでしょうか?人数がそれなりに多い、ということは割の良い仕事なのでしょうか?それとも増えていることには他の要素や事情があるのでしょうか?
今回の記事では、スポットワーカーの平均時給や市場などの彼らの実態に焦点を当て、紹介していきたいと思います。ぜひ最後までお付き合いください。
スポットワーカーは、単発的に短時間・短期間の仕事に従事する労働者を指します。スポットワーカーとして従事する人は通常、雇用契約を結ばず、フリーランスやパートタイマーとして様々な業種で働きます。この働き方は、需要やプロジェクトに応じて柔軟に雇用されることを特徴としており、従来のフルタイムの雇用形態とは異なります。
スポットワーカーは、企業が一時的な労働力ニーズを満たすために活用される一方で、個人が自身のスケジュールやライフスタイルに合わせて働く手段としても利用されています。この働き方は近年、労働市場の変化や働き方の多様化に対応する形として注目を浴び、特にアプリなどを使ったデジタルプラットフォームを介した仕事の提供や受け入れが増加しています。
ツナグ働き方研究所は、毎月「働くスポットワーカーの市場」について定点観測する「スポットワークマーケットデータレポート」を発表しています。執筆時最新版となる「スポットワークマーケットデータレポート(2023年11月度版)」によれば、 スポットワーカーの平均時給は1,182円で、前月比-11円、前年同月比+21円となりました。通常のアルバイト平均時給と比較しても4円高い水準で推移しています。特に、運送・ドライバー系の職種ではスポットワーカーの方が32円高い時給を得ています。
株式会社マイナビが実施した「アルバイト採用活動に関する企業調査(2023年)」によれば、アルバイト人材の不足を感じる企業は63.6%と増加傾向にあるということです。また、「スポットワークマーケットデータレポート(2023年11月度版)」によると、2023年11月の単発、短時間、短期間で働くスポットワーカーの求人倍率が3.40倍となり、前月比+0.62ポイント、前年同月比+0.91ポイントと大幅に上昇しています。これは求人数の増加によるもので、スポットワーク市場が拡大していることを示しています。
また新規ワーク数も増加傾向にあり、前年同月比+23.3%の106,275件となり、景気の先行指標として注目されています。
「アルバイト採用活動に関する企業調査(2023年)」ではスポットワーカーの需要は「警備・交通誘導」や「介護」業種で特に高まっているといいます。実際、アルバイト採用数が増加した企業は28.2%で、「接客(ホテル・旅館)」が最も増加し、過去最高となりました。人材確保のための施策では「給与の増額」が主流であり、スポットワーカーの受入も増加しています。
一方、「スポットワークマーケットデータレポート(2023年11月度版)」によると実際に募集が増えている主要職種は「コンビニスタッフ」で前年比+13.5%と伸長しており、スポットワーカーの需要が高まっているといいます。
急速に存在感を増すスポットワーカー。そうした中で求人数や時給も高まりを見せています。さまざまな調査をみると、スポットワーカー市場は、働き方改革やコロナ禍による影響で急増し、今後も広がりを見せると予測されます。企業は人件費最適化を求め、スポットワーカーの利用が進む一方で、労働者は追加就労の意欲が高まっています。この市場の定点観測は、社会的意義とともに、労働力の活用や市場規模の変動などを可視化し、今後の動向を予測するために重要です。
本記事で紹介した調査でも、スポットワーカー市場は急増し、今後も広がりを見せることが予測されます。今後のビジネスの台風の目となりそうなスポットワーカー業界にぜひ注目してみてください。
(大藤ヨシヲ)
・スポットワーカー1000万人 すきま時間に単発バイト – 日本経済新聞・アルバイト採用活動に関する企業調査(2023年) | マイナビキャリアリサーチLab・単発、短時間、短期間で働くスポットワークの求人倍率は3.40倍 前月差+0.62ポイント
メルマガ登録をしていただくと、記事やイベントなどの最新情報をお届けいたします。
30秒で理解!インフォグラフィックや動画で解説!フォローして『1日1記事』インプットしよう!