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データによる営業人材育成支援。「Infothon U34」の発表の様子をレポート!

         

ウイングアーク1st株式会社は2018322日、ウイングアーク製品のユーザーおよそ200名を招待し、六本木にあるベルサール六本木でユーザー総会2018「再起動 ~新しい星空へ~」を開催した。

当日は2部構成となっており、前半はウイングアークが主催するMotionBoardを活用して課題解決を目指すワークショップ「Infothon U34」による発表が行われた。複数の企業に属する34歳以下の若手が51組となり、過去10ヶ月に渡り月に1度のペースで集まり、今日のために準備してきた。今日はいわばその集大成だ。課題は「アルケア株式会社」から出された。

アルケアでは、新卒採用の若手社員は全員まずは営業部門に配属される。だが最近では、勤務時間の短縮化や業務効率のためのOJTが減少するなど、世代間の交流機会が減っており、営業人材育成のためのノウハウの伝授が大きな課題となっているという。

この課題を解決するためにどのようにデジタルツールを活用するのかを提案するのがそれぞれのグループに課された題目だった。

顧客の好みなどの情報を共有し、スムーズなコミュニケーションを

最初に登場したのはゴレンダーチームの5人だった。「ズッキューン!!!グラム」と題されたプレゼンテーションで、ゴレンダーチームは営業職において対人コミュニケーションが重要視されていることに着眼し、若手営業マンとベテラン営業マンが顧客の好み(好きな話題や嫌いな話題)などの情報を共有することで、スムーズなコミュニケーションを目指す、という内容だった。

具体的な方法としては、音声認識ツールとMotionBoard Cloudを使い、顧客と営業マンの会話をテキスト化し、気持ちの分析を行い、それをデータベース化していく、というものだった。これは今の技術ではまだ実用化は難しいが、将来的に可能になるだろう、という今後の展開を見据えたものだ。

発見!あるマッチング天国、とは


続いて登壇したのは、チームTASTY5人。彼らはアルケアが抱えている課題を分析し、あるべき姿とそれを実現するための方法を模索した。

あるべき姿では、下記の2点に赴きを置いた。

・全社を見通し、活躍する人材がいること。

・市場開拓をする能力を持っている人材がいること

そして、それを実現するためには、営業人材育成のためのノウハウ伝授が必要である、と分析した。ノウハウ伝授にはコーチングスキルの高い人材が必要不可欠だ。だが、コーチングスキルの高い人材がいたとしても、その貴重な人材の配置が組織内で偏っているのではないかという仮説を立て、組織の再編を行うことでこの問題は解決できるのではないかと提案し、その実現に必要となのは:

  1. 現状の組織を知る
  2. シミュレーションを行い改善
  3. コミュニケーションの活性化

3ステップだと説いた。

それを実現する為に提案されたのが、「発見!あるマッチング天国」というシステムだ。このシステムには主となる3つのボードがある。部署別の予算達成率とスキルを把握するための部署ボード、スキル別に個人データを把握し、組織のシミュレーションを行うシミュレーションボード、グループメンバーの活動状況を可視化できるコミュニケーション活性化ボードだ。

複数の営業部のうち、予算を達成できている営業部とできていない営業部とがある場合、人材の配置をスキルベースで分析し、再編成を行うことで、営業部単位での効率を上げていく、という狙いだ。3つのボードを繰り返し活用すれば、ノウハウ伝授につながる仕組みが出来上がり、理想の姿に近づけるはずだ、とチームTASTYは述べた。

重要な情報は口コミで得ることが多い = 相手からいかに情報を聞き出せるかが重要である

3番目に登壇したのは、チームヤロウズ。与えられた課題を彼らは、要するに営業スキルを向上させれば解決する問題だ、と仮定した。そして、営業スキルとは一体何なのかというところに焦点を当ててこの問題を解決しようとした。

「重要な情報は口コミで得ることが多い」とアルケアは言う。つまり、営業とは、「相手からいかに情報を聞き出せるかが重要である」とチームヤロウズは考えた。では、どうすれば、若手社員のヒアリング能力を向上させることができるだろう?

ヒアリング能力が向上しているかどうかは、下記の2点を見ることで評価できる。「必要な情報を認識しているか」の1点と「必要な情報を継続的に収集することができているか」の2点だ。

1点目の解決策として、どのような情報が必要かは上司が指示をすれば良い。2点目の解決策として、情報を継続的に集めるためには何かしらのインセンティブがあれば良い、と仮定し、集めてきた情報でビンゴシートを埋め、ビンゴが成立した場合には報酬を出す、という案を提案した。これはゲーム感覚と報酬制度で仕事の問題を解決しようとする、若手ならではの新しい視点かも知れない。

幸せを見える化する!?

最後に登場したのは、34歳以上のチームメンバーによるSENPAIチーム。「Happyへの階段」と題されたプレゼンで彼らは幸せを可視化することの重要性を説いた。企業が従業員が幸せだと感じているかどうかを測定する場合、通常EH(従業員幸福度)、ES(従業員満足度)の2つが用いられる。近年の調査では、職場のみに焦点を当てた従業員満足度よりも、職場以外でのライフワークバランスなども含めた従業員幸福度が重要であると考えられている。

働き方改革、という言葉が叫ばれるようになってしばらくの時間が経つが、働き方改革はお金やモノ、地位など、長続きしない幸せに焦点を当てがちだ。それに対して、安全や健康、精神状態の安定などは持続性が高いと言われている。さらにSENPAIチームは幸せには自己承認と他者承認の二種類ある、と分析し、その両者を見える化して活用することを提案した。

具体的には、毎日の気持ちをチャットボットにスタンプを送信することで表し、日々の状態を測定、記録していく。また、社内の人が直面している問題などを解決することで、他者承認状況もモニターしていく。これらのデータが揃えば、幸せを見える化することができ、幸せレベルが低い場合はそれに対処することが可能となり、結果として従業員の幸福度を上げられるはずだ、とSENPAIチームは締めくくった。

アルケアからのコメント

全ての発表の後、アルケア株式会社の経営企画本部 情報企画担当部長 中嶋氏は、「中間発表から1ヶ月前、1ヶ月前から今日までと3回に分けてプレゼンを見せてもらったが、最後の1ヶ月の追い込みは素晴らしいものがあった。課題に対する若い人なりのアイデアは非常に興味深かった。定着させるための手法まで盛り込まれていればさらに素晴らしいものとなったと思う。各メンバーにとっても貴重な経験になったのでは。」とコメントした。

「緊張している中、お疲れ様でした。ゴレンダーチームは、営業マンがどう働いているかまでちゃんと落とし込んでシステムを作り込んでいたところが素晴らしかった。TASTYは、3つのボードを使い、現状把握から人材配置のシミュレーション、さらにはコミュニケーションまで広げていた点が長けていた。ヤロウズが提案した、ビンゴを使ったゲーム感覚のアイデアは斬新だった。また、システムの定着化を意識した視点は説得力のあるものだった。最後のSENPAIチームは、チャットボットという新しい仕組みも取り入れながら、非常にまとまったシステム構築だったと感じた。全体を通して、共通している部分もあると感じた。例えば、幸せを見える化する取り組みは、人材配置の判断材料としても活用できるのではないかと思った。これらを組み合わせていけばより大きく精度の高いシステムの完成につながるのではないか。全体的に非常に有意義な発表だった」と情報システム部情報システム課 課長 矢野氏はコメントした。

その後、来場者による投票結果の発表があり、

1位:チームヤロウズ

2位:ゴレンダーチーム

2位:SENPAIチーム

4位:チームTASTY

という結果となった。

 
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