「データドリブンとはなに?」
「ビジネスで活用するメリットやデメリットが知りたい」
よりよい会社運営をしていくためにこのような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
データドリブンとは、収集したデータの分析に基づいて企業の意思決定を行うプロセスのことです。近年、データドリブンを導入している企業が増えています。しかし、データドリブンにはメリットがあると聞くけれど、データドリブンについてよく分かっておらず、導入できていない企業もあるでしょう。
そこで、この記事ではデータドリブンについて経営・マーケティングといった関連用語の解説から、データドリブンに使える7つのツールを紹介します。また、データドリブンを導入するメリット。デメリットや導入手順も解説するため、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
データドリブン(Data Driven)とは、経験や勘などではなく、さまざまな種類と膨大な量の情報を蓄積するビックデータとアルゴリムによって処理された分析結果をもとに、ビジネスの意識決定や課題解決などを行う次世代型の業務プロセスです。
データドリブンは大きく分けて、以下に示す4つの柱によって成り立っています。
データドリブンの関連用語として、以下の3つがあります。
上記の3つは、昨今注目されている手法であるため、データドリブンと一緒に覚えておきましょう。データドリブンのそれぞれの関連用語について解説します。
データドリブン経営とは、従来であれば解析できなかったビッグデータを詳細に分析し、経営戦略の策定や意思決定などに活用する経営手法のことです。
データドリブン経営を用いることで、現状をリアルタイムで把握し、顧客ニーズを解析した「根拠ある意思決定」ができます。顧客や従業員のニーズ変化、ビジネスのスピード化などに伴って注目度が高まっている手法です。
データドリブンマーケティングとは、データに基づいたマーケティングを構築をすることです。効果的なマーケティングを行うには、顧客理解を深めることが重要です。
そのためには、市場動向や市場を支えるユーザーの価値観、行動などのデータを可能な限り正確に集める必要があります。このように集めたデータを意思決定材料の1つとして活用することは、勘や経験だけに頼らない、データドリブンマーケティングの実施につながります。
・データの収集
ビジネスの意思決定に必要なデータをクラウド上のデータサーバーにビックデータとして蓄積します。ビックデータに蓄積するデータは、各部門の業務システムやIoT、Webサーバー、外部サービスなどから取得します。
・データの分析
ビックデータに蓄積した定量的なデータの時間的変化や他のデータとの関連性などをアルゴリズムにて計算します。ランキング(順位)、最大値、最小値といった定量的なデータ、視覚的に理解できるグラフや図といった定性的なデータを分析結果として導き出します。
・データのビジュアル化・可視化
企業の意思決定では、あらゆるステークホルダーにエビデンスを示した上で合意を得るプロセスを踏まなければなりません。したがって、単なるデータやグラフの羅列ではトレードオフの理解を得にくくしてしまうため、ビジュアル・可視化を駆使し、“一目瞭然”な分析結果を示す必要があります。数値、グラフ、図をバランスよく、シンプルに再加工・構成することで、分析結果の価値が大幅に高まります。
・意思決定・アクション
データの分析結果を元に具体的な施策や対策、結論などを決定します。分析結果ではいくつかの選択肢が抽出され、このプロセスでは、アルゴリズムやAIなどでは判断が難しい内容をトレードオフなどで判断します。その後、意思決定の内容に従い、行動を実践しますが、データドリブンは行動対象の現状・実情もデータとして加味します。
したがって、意思決定には、具体的な行動の内容が伴うケースが多く、データドリブンに精通した企業は、“あとは実践あるのみ=アクション”といった共通認識で、解決・改善などに向け、前に進み始めます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とデータドリブンは密接な関係にあります。DXとは、企業がビッグデータやデジタルツールを駆使して販売する製品やサービスを変革し、会社の組織や企業文化を改革していくことを指します。
データドリブンとは、ビックデータをもとにビジネスの意識決定や課題解決などを行う業務プロセスであるため、企業がDXを推進していくためにはデータドリブンの活用が必須となるのです。
情報化社会の基幹技術であるストレージ、クラウド、計算処理、センシングなど、IT技術の向上により、さまざまな情報が行き交うようになり、スピード感のある世の中に変わり続けています。IT革命以降、急速に拡大した情報のトラフィックは、ビジネスのターゲットにさまざまな選択肢を与え、複雑な社会が構築され、その深度は日々深まっています。
当然ビジネスにおいても経験や勘を頼りにした従来のプロセスでは対応しきれなくなってしまっており、昨今ではデータに基づいて判断や意思を決定するデータドリブンの注目度が高いです。データドリブンはビッグデータで以下のように複雑化された状況を的確に分析し、意思決定に必要な判断材料や分析結果を示してくれます。
ある製品やサービスの購入や利用を考えたとき、昨今の顧客は、インターネット検索で得た情報を精査した上で採るべき取るべき行動を選択します。そのため、従来の顧客行動に加え、インターネットの情報により、さまざまな選択の要素が加わります。
例えば上記の要素が該当し、これらのバリエーションの増加が顧客行動の複雑化を後押ししています。
顧客行動の複雑化は、製品やサービスを提供する側の企業にも影響を及ぼします。企業としては顧客のニーズに応えるため、さまざまなラインナップを取り揃えなければなりません。
また製品やサービスによっては、顧客毎のカスタマイズやチューニングなどにも対応しなければならないケースもあります。
このようなビジネスモデルは現場業務を複雑にしており、昨今では従業員の負荷、コスト、効率の改善が迫られています。
現代のビジネス環境では、技術の進化がビジネス変化のスピードを加速させています。このような環境下で企業が他社との競争に勝ち生き残るためには、市場の変化を迅速に把握し、柔軟に対応する能力が必須となります。
データドリブンアを導入することで企業はリアルタイムで市場の動向や消費者の変化をとらえ、競合分析、市場トレンドのモニタリング、消費者行動の予測などさまざまなデータに基づいた戦略を立てることが可能です。市場で先手を打つことが可能となり、市場競争の中で優位性を保つことができるのです。
昨今では製品やサービスの市場でのライフタイムが短くなっており、常に新しいものが顧客から求められています。
また市場の需要と供給の関係もセンシティブに変動しており、安定した利益を得るためには、より早く、精度の高い業務プロセスの実践が必要不可欠です。
そのため企業はさまざまな問題・課題の早期抽出、発見、解決に取組む必要があります。
デジタル技術の発展にともない、それを駆使・活用した新たなマーケティングやセールス手法も登場します。
これらに追従し続けることは、データの収集手段・入手経路を拡大させることになるので、より精度の高いデータドリブンを可能にします。また競合他社からの遅れや負の差別化の対策にもつながります。
従来のマーケティングやセールスは経験や勘、足や人の伝手に依存していましたが、データを活用して効率化が進む他社との格差により、昨今はこれらが通用しなくなり、またやみくもな活動は従業員の負担を増大させるばかりです。
データドリブンは自社にマッチした市場や顧客をデータで導出するので、無駄な活動を大幅に削減し、売上につながる可能性が高いターゲットにフォーカスした費用対効果の高い活動を実践できるようにしてくれます。
AIはデータを分析することで予測、判断、自動化などを実践するテクノロジーのことです。
適切な判断はデータドリブンのプロセスそのもので、企業の重要な局面を除き、定型的な業務の判断のAIでの完結は、人的負担を削減し労働力不足の解消につながります。
データドリブンの習慣化は、データの蓄積の習慣化でもあります。
蓄積し続けたデータを組み合わせたスモールデータは、これまで気が付かなかったビジネスの可能性や付加価値、新たな販路などを洞察してくれます。
データドリブンを実現するための方法として、以下のような4つがあります。
上記の方法は、データドリブンにおいて基礎的なプロセスであるため、これらの方法を理解した上でデータドリブンを実現しましょう。以下では、それぞれの方法について解説します。
ビジネスの意思決定に必要なデータをクラウド上のデータサーバーにビックデータとして蓄積します。ビックデータに蓄積するデータは、各部門の業務システムやIoT、Webサーバー、外部サービスなどから取得します。
ビックデータに蓄積した定量的なデータの時間的変化や他のデータとの関連性などをアルゴリズムにて計算します。ランキング(順位)、最大値、最小値といった定量的なデータ、視覚的に理解できるグラフや図といった定性的なデータを分析結果として導き出します。
企業の意思決定では、あらゆるステークホルダーにエビデンスを示した上で合意を得るプロセスを踏まなければなりません。したがって、単なるデータやグラフの羅列ではトレードオフの理解を得にくくしてしまうため、ビジュアル・可視化を駆使し、“一目瞭然”な分析結果を示す必要があります。数値、グラフ、図をバランスよく、シンプルに再加工・構成することで、分析結果の価値が大幅に高まります。
データの分析結果を元に具体的な施策や対策、結論などを決定します。分析結果ではいくつかの選択肢が抽出され、このプロセスでは、アルゴリズムやAIなどでは判断が難しい内容をトレードオフなどで判断します。その後、意思決定の内容に従い、行動を実践しますが、データドリブンは行動対象の現状・実情もデータとして加味することも必要です。したがって、意思決定には、具体的な行動の内容が伴うケースが多く、データドリブンに精通した企業は、“あとは実践あるのみ=アクション”といった共通認識で、解決・改善などに向け、前に進み始めます。
データドリブンには、以下の4つのようなメリットがあります。
ビジネスにデータドリブンを導入することによって、売上だけでなく、顧客ニーズの理解や意思決定の精度へつながるため、導入するメリットは大きいでしょう。
以下では、データドリブンのメリットについて解説します。
データドリブンを導入することで、売上や利益率の増加が期待できます。データドリブンの導入はデジタル化の推進にもつながるため、必要のない労力の削減と、その労力を他の業務へあてることを可能にします。
また、デジタル化によって業務をオンラインで完結させられるため、営業活動の効率化や作業コストの削減も可能です。その結果、データドリブンを導入することで、売上や利益率の増加を実現できます。
データドリブンで集めた膨大な情報を分析することで。市場や顧客の行動をリアルタイムで可視化できます。
今まで着目したことのないデータを分析すると、新たな顧客ニーズを見つけられる可能性があるため、データドリブンの導入は顧客ニーズの発見や理解につながります。そして、顧客ニーズの高いサービスを提供でき、顧客満足度の向上や新規顧客の獲得を期待できます。
データドリブンを導入することで、データに基づいた客観的な判断が可能となり、意思決定を経験や管に頼ることのない意思決定ができます。そして、意思決定の精度とスピードの向上につながります。
勘や経験をもとにした意思決定では、一定以上の経験やノウハウがなければ精度を保てないだけでなく、明確な根拠の提示が難しいため、周囲からの理解や納得を得られないこともあるでしょう。しかし、データに基づいた意思決定では、数値による合理的な根拠の提示が可能であり、担当者が変わった場合にも、安定した精度で意思決定できます。
客観的なデータを活用することで、自社のビジネスのどの部分がうまく機能しているのか、または改善が必要なのかが明確になります。販売データ、顧客からのフィードバック、従業員のパフォーマンス評価、財務レポートなど、さまざまなデータを分析することで、自社の強みを活かして市場での競争を優位に進めるための戦略の立案が可能です。
また、データから自社の課題を把握することで迅速に改善策を取り入れることができるでしょう。客観的なデータに基づくアプローチは、より効率的で効果的な運営につながるため、持続可能な成長とイノベーションに貢献する重要な要素となります。
ここまで、データドリブンのメリットについて解説しましたが、データドリブンには以下の3つのようなデメリットがあります。
データドリブンには、事業の発展に効果的なメリットがありますが、デメリットを理解したうえで導入を検討しましょう。以下では、データドリブンのデメリットについてそれぞれ解説します。
データドリブンを導入しても、データを扱えなければ意味がありません。また、データを扱うためには以下のようなスキルが必要です。
データドリブンでは、膨大なデータを扱うため、上記のようなデータ分析をするための環境を構築し、運用するスキルが欠かせません。
データドリブンを導入する目的として、データに基づいた適切な計画を立てて実行することが挙げられます。そのため、データを分析する以下のような人材が必要です。
データサイエンティストは、膨大なデータを扱うスキルや知識を持った人材で、プロジェクトマネージャーは、マーケティングに精通しており、経験が豊富な人材です。このような人材が社内にいない場合は、社内での育成や外部からのリクルートが必要です。
データドリブンの導入にはIT機器やツール、インフラ整備などが必要なため、初期コストがかかってしまいます。例えば、データの収集・分析に必要なマーケティングツールやデータを蓄積するためのストレージなどの用意が必要です。
また、営業活動の詳細なデータを集めやすくするために、担当者にタブレット端末を支給する場合もあります。自社にデータドリブンを導入する際は、初期コストがどれくらいかかるのかを確認しましょう。
データドリブンなアプローチは、経営やマーケティングの意思決定に客観的な根拠を提供します。データドリブンを導入して成果を最大化するために欠かせない3つの要素を紹介します。
それぞれの要素を確認していきます。
データドリブン経営をするためには、経営戦略を立てるためのさまざまなデータが必要となります。また、集めたさまざまなデータを蓄積・保管するためのシステムも必要です。そのためビジネスをデータドリブンで推進するには、まずは、データ活用基盤の構築が必要となります。
企業は日々多くのデータを収集するため、データ活用基盤を構築しておかなければデータを使用したいときにデータを見つけ出すことが困難になります。データ活用基盤には、「データウェアハウス」や「データマネジメントプラットフォーム」と呼ばれるものがありますが、選定する際はスケーラビリティやセキュリティも考慮してするようにしましょう。
データ活用基盤を構築したら、収集したデータを効果的に分析して経営に役立てるためには適切な分析ツールの導入が必要です。市場には多種多様なデータ分析ツールが存在し、それぞれ異なる機能や特徴を持っています。企業が自社のデータ解析ニーズに最も合ったツールを選ぶことが、データ分析の精度を大きく左右するでしょう。
例えば、リアルタイムでのデータ分析が必要な場合、高速でデータを処理できるツールの選択が望ましいです。また、データ分析ツールは導入しても使いこなせなければ意味がありません。そのため、ユーザーが直感的に利用できる高い操作性を持つツールを選ぶことも重要です。
データ活用基盤を構築し分析ツールを導入したとしても、それを活用しようとする企業文化がなければ意味がありません。そのため、システムやツールの導入を目的にするのではなく、データを活用して経営戦略の立案や課題解決を進めていこうという価値観を浸透させていく必要があります。
「システムやツールを導入すれば後はなんとかなる」という考えではデータドリブン経営を成功させることは難しくなります。経営層や役員、社員など会社に関係する全ての人を巻き込んで、研修を取り入れながらデータを活用する文化を育てていくことが成功の秘訣です。
データドリブンは企業の業種、部門によって活用ケースが大きく異なります。データドリブンツールを導入しようとしている企業の多くは、データドリブンに手探りでアプローチしようとしているケースも少なくはありません。適切なツールの選定には、データドリブンの深い理解を必要としますが、ここでは導入後に失敗を招かないためのポイントを3つ紹介したいと思います。
以下でそれぞれ確認していきます。
データドリブンのアプローチによっては、優れたデータ収集、分析機能の結果、効果的な意思決定やアクションの実現が可能です。しかし、実際に業務プロセス上、どのような分析結果が必要なのか?といったビジョンを持たないといけません。
ビジョンを持たなければ、上記のような事が不鮮明になってしまいます。またツールベンダーが例として提供するツールの操作方法 = データ活用になるとは限りません。データドリブンを活用する業務モデルの机上検討、導入前検証(PoC)を行う事で目的が明確化されます。
昨今のビジネスツールの多くは利用する人数、機能、データ量などによって変動する料金体系で提供しています。利用する人がすべての機能を使用するわけではないので、企業規模に見合ったランニングコストでの利用が可能です。
ただ、このような料金体系は、他製品とのトレードオフや費用の見積もりを複雑にします。選定には費用対効果で考え、目的の明確化で紹介した導入前検証を実施して選定すべきです。
データドリブンツールの多くは、クラウドを活用するため、その企業が備えているインフラ、IT環境(システム、パソコン、OS、言語)、利用者のITスキルによって導入の難易度が大きく変わってきます。
またデータドリブンツールが必要とする要件と企業が備える設備・システム、利用者のスキルにミスマッチングが生じると、データドリブンの定着までに多大な期間が強いられてしまうケースがあります。
データドリブンは通信インフラのように規格にしたがって運用されているわけではありません。
したがってExcelやAccessなどのビジネスソフトでも実践できます。ただデータドリブンの分析結果の精度は、元となるビッグデータの蓄積量とアルゴリズムに大きく依存します。
データドリブンで高い効果が期待できるシステムやツールを独自に準備するとなると多大な期間と費用、それに対応できる人材などの負担が必要です。
データドリブンを実現するツールとしては以下の7つのようなツールがあります。
以下では、それぞれのツールについて解説します。
DMPは、ユーザーの行動履歴や属性、広告配信データなどのWeb上に蓄積されたデータを一元管理できるツールです。
DMPは「オープンDMP」と「クローズDMP」にわけられます。オープンDMPは、第三者が集めたオーディエンスデータという個人を特定しない行動データを取得できるもので、クローズDMPは、自社データと外部データを一元管理できるものです。DMPを使うことで、自社のターゲット層に似た新規顧客を開拓しやすくなります。
Web解析ツールは以下のようなデータの解析や分析などを行えるツールの総称です。
よく使われているWeb解析ツールとして、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソール、Googleキーワードプランナーが挙げられます。Googleアナリティクスは、Webページのアクセス状況を分析できるツールで、Googleサーチコンソールは、ユーザーがWebページにアクセスするまでの行動データを分析できます。
Googleキーワードプランナーは、どれくらいのユーザーが特定のキーワードで検索しているのかを調べられるツールです。Web解析ツールは目的に合わせて複数のものを導入し、組み合わせて使うことが一般的です。
MAは、マーケティング活動上で行うアクションを自動化できるツールです。主に以下のようなアクションを自動化できます。
昨今は顧客が多様化しているため、顧客1人1人に合わせたマーケティングの実施が重要です。MAは、そんなマーケティング活動を効果的に実施できるツールとして注目されています。
SFAは、日本語で営業支援システムとも呼ばれるツールで、以下の5つの機能が使えます。
SFAは、営業担当者のスケジュールや進捗、結果などがリアルタイムで反映されるため、営業活動の進捗状況をチームで共有しやすい特徴があります。
CRMは、日本語では「顧客関係管理システム」と呼ばれるツールで、以下の3つのような機能が使えます。
CRAはCFAと連動させることで、より効果的にマーケティング活動を行えます。なぜなら、データを蓄積する際は、氏名や年齢、属性などの基本情報、営業プロセスや購入履歴、問い合わせやクレームの履歴などの顧客にアプローチするための情報が含まれるからです。
CDPとは、企業が得た顧客の属性や行動データを収集、統合、分析をするためのツールです。自社のWebサイトから氏名や生年月日、住所、家族構成、購買データなどの情報を集められます。
CDPで集めた顧客データを別々のシステムやデータベースで管理していたとしても、CDPでこれらのデータを集約できます。
BIは企業の内部で分散しているデータを統合し、情報の可視化と分析を行うツールで、以下の4つのような機能を備えています。
多次元分析機能は、項目の入れ替えや階層の掘り下げなどの多様な分析ができる機能で、データマイニング機能は、データの法則性や類似性を解析する機能です。また、データの共有もできます。
データドリブンはビッグデータに蓄積されたさまざまなデータの時間的変化、他のデータとの相関関係などを分析することで、事象の因果関係、ランキング、予測値などを求めるプロセスです。
ビックデータに蓄積するデータはデータドリブンを利用する企業の業種、部門などによってさまざまで、企業の業務システム、WEBサーバー、IoT、他社サービスなどからインプットします。ここでは、データドリブンのビックデータに使用するデータについて、小売業のユースケースを交えながらいくつか紹介したいと思います。
主に製品・サービスを販売する企業で必要とするデータです。顧客の購入履歴により、購買タイミングの予想や顧客に寄り添ったセールスが実践できるようになります。
顧客が購入に至るまでのルートを知る事は、宣伝・広告の効果や有用な販売方法を知ることにつながります。
主に上記のようなデータが利用されています。
商品、サービスを購入した購買者から寄せられたアンケートやインタビューなどをデータとして収集します。ただWEBに自ら投稿する人、販売員からの協力に求めて答える人など、モチベーションにバラツキがあるため、すべての購買者の真意に当てはまらないケースもあります。
SNSやアンケートなど、さまざまなメディアから得た居住地、年齢、家族構成、交友関係、興味・関心といったデータです。これらの情報を蓄積する事でマーケティングに活用できる分析結果を得る事ができます。
商品の在庫、発注の日別のデータで、売上予測や生産計画、人員計画などが予想できるようになります。
モノづくり企業の多くは、開発プロセスをウォーターフォール型からアジャイル型にシフトしており、部署、チーム間での情報の共有がより求められています。要求、要件、日程、ステータス等などのデータを企業全体で共有する事でフットワークが向上します。
生産現場ではIoTとセンシング技術の発達にともない、製品の組み立て状況、農産物の栽培状況などがデータとして蓄積できるようになりました。具体的には画像や動画などからAIで抽出したデータが該当します。
データドリブンは通信インフラのように規格にしたがって運用されているわけではありません。
したがってExcelやAccessなどのビジネスソフトでも実践できます。ただデータドリブンの分析結果の精度は、元となるビッグデータの蓄積量とアルゴリズムに大きく依存します。
データドリブンで高い効果が期待できるシステムやツールを独自に準備するとなると多大な期間と費用、それに対応できる人材などの負担が強いられます。そのためデータ活用に取り組んでいる企業の多くは、データマネジメントプラットフォームというデータドリブンに特化したツールやITサービスを導入しています。
データマネジメントプラットフォームは、さまざまなデータを蓄積して企業内の各部署で共有し、可視化や業務にマッチした分析結果を提供してくれます。また、データ活用を前提にしたツールやITサービスの使用が強いられるため、データドリブンの定着が課題の企業には、ワークフローの早期確立も促してくれます。
データドリブンを実践した企業の事例を特集した記事を紹介します。
ウイングアーク1stの久我温紀氏(営業・ソリューション本部副本部長)の部が2014年に独自の可視化システムを導入し、2015年以降は目標を連続達成した事例について紹介します。
フィットネスクラブ業界の中でもいち早くデジタルテクノロジーの活用を開始し、データを巧みに活用してユーザーエクスペリエンスの向上に努めた株式会社東急スポーツオアシスの事例を紹介します。
インターネットとモノを結びつける技術=IoTを養豚に生かそうと挑戦している宮崎ブランドポーク「まるみ豚(とん)」の生産で知られる川南町の「協同ファーム」社長の日髙義暢さんの取り組みを紹介します。
データドリブンが注目されている理由とそれをサポート・アシストしてくれるツール・ITサービスの種類、機能について紹介させていただきましたが、データドリブンツールの学習・調査に有用な情報をお届けできたでしょうか?
最後に今回紹介させて頂いた要約をまとめとして、以下に記載させていただきます。
ぜひ、上記を参考にデータドリブンの導入を検討してみてください。
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