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翻訳業/ライター業という仕事柄、筆者はWordさんとのお付き合いはそこそこあるものの、Excelさんにはそれほど馴染みがありません。たまにExcelさんで何かを編集する際は、「いやあ、お手柔らかにお願いしますよ」などと呟きながら戦々恐々とセルをクリックするわけです。

そこで発生する悪夢が、セル結合がもたらす不条理の数々。無駄なセル結合さえなければ節約できる時間のどれだけ多いことか。

この記事を読み終えたあかつきには、皆さんもこれまでの罪深いセル結合を悔い改め、クリーンなExcelデータと共に新しい人生に踏み出せるでしょう!

そのセル結合、本当に必要?

例えばです。アーティストのあなたが、税理士さんから「確定申告用の経費項目をExcelで提出してください」と言われたとします。

そこであなたは作品制作で使用した材料費や、ギャラリーまでの交通費、キュレーターとの打ち合わせのコーヒー代などをラインアップし、Excelシートに入力しました。それが以下の表。

各所でセル結合がされ、すっきりまとまっていて見やすいですよね。作成者のあなたは「ふう、これで税理士さんも仕事がしやすいだろう」と満足感に浸っています。

ところがこの表を見た税理士さんは「勘弁してくれよ」とゲンナリ。というのもこの表には、悪魔の所業であるセル結合がこれでもかと多用されているからです。

セル結合の罪その1: 選択範囲の小回りが効かない

例えば、税理士さんがこの表から、「材料費 – 5月4日 – 木材 – 00,000」だけ抜き出して、別の表にコピペしたいとします。しかし種別と使用日がセル結合されているため、L6の行だけを選択することができません。以下のようにがっつり全体が選択されてしまいます。

これを解決するには材料費と使用日のセル結合を解除しないといけません。セル結合されていなかったら1秒で済んだ作業が、20秒かかるわけです。この作業を繰り返していると、税理士さんはどこで人生間違ったのか自問し始めること間違いなし。

セル結合の罪その2: コピー&ペーストの効率を著しく下げる

ちなみに、交通費の金額部分だけを抜き出してコピペしたい場合、3行まとまって選択されてしまうため、ペースト先が1行だったら他の2行の値を殺してしまう始末

これを避けたければもちろん、セル結合を解除してコピペしないといけないのです…。

セル結合の罪その3: 並べ替えができない

税理士さんが使用日と項目を昇順にソートしたいとします。そこで範囲を選択、と…

しかし、セル結合を含む列の並べ替えは拒まれる有様。

なんのためのExcelだ、と手元のコーヒーを床にぶちまけたくなる税理士さん。同情してもしきれません。

じゃあどんな表が正解なの?

ではデータ管理的にはどんな表が正解かと言うと、以下のような表なんです。

文字がみちみちで、「うっ」てなりますよね、分かります。しかしデータの二次利用を前提に考えると、すべてのセルが分かれたこの状態がベストなのです。

キレイな見た目=キレイなデータ、ではない!

確かに要所でセルの結合がされていると、見た目はすっきりするし、「私ったらセンスある」という自己満足には浸れます。

しかし思い出してください、Excelが表計算ソフトであることを。印刷前提で作るならWordでもPowerpointでもいいわけです。Excelで表を作成する意義は、関数や、フィルターや、ピボットテーブルが使用できること、そしてデータをBIツールなどに取り込み、さらに高度な分析を行なったりすることです。それを阻むセル結合は、断固として糾弾されるべきなのです。一説によるとデータサイエンティストの仕事時間のほとんどは、データをクリーンにする作業に費やされているそうです。この原因の一つがこのセルの結合、なのです!

データの活用は世の中を便利にします。極端な話、これはつまり、人類がセル結合をすればするほど、世の中が便利になる速度が遅くなる、ということです。なんたる由々しき問題!

Excelには馴染みがないと言いながらつい熱く語ってしまいましたが、これを機に皆さんのExcelライフが改善されることを祈ります!

Excelでどんなことができるのかをより詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。MotionBoardやPowerBIなどのBIツールを使ったより高度な分析のお話に興味がある方はこちらの記事も合わせてどうぞ!

参考リンク:
全人類に告ぐ。セル結合をやめろ。

佐藤ちひろ

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