About us データのじかんとは?
データを分析する仕事をしている人であれば、BIが何たるかを知っていると思います。この記事では、無料で使えるBIツールである「Google Data Studio」に迫ってみましょう。
その前に、読者の中には「BIって何?」という方もいらっしゃるかと思いますので、まずはBIツールとは何かについて説明していきます。
BIは「ビジネスインテリジェンス」の略で、BIツールとは、会計システムや販売管理システムなど企業に蓄積された大量のデータを集めて分析し、迅速な意思決定を助けるためのツールです。昨今、ビッグデータに関心が集まっており、ますますBIが注目されています。代表的なものにウイングアーク1st株式会社が提供しているMotionBoardなどがあります。
BIには自社サーバにインストールして使用するソフトウェア型(オンプレミス)と、ネット回線を使用するクラウド型があり、用途に合わせて選べます。
BI(ビジネスインテリジェンス)ツールは、組織の意思決定を支援するためにデータを収集、分析、表示するためのソフトウェアです。以下に代表的な機能をいくつか挙げてみます。
さまざまなデータソース(データベース、スプレッドシート、外部APIなど)からのデータ取得や連携をサポートします。
統計分析や予測分析、機械学習など、様々な分析手法を用いてデータを理解し、インサイトを抽出します。
「インサイト」とは、通常、データ分析の結果として得られる重要な理解や発見のことで、これは新たな視点や意外な関連性、隠れたパターンなどが明確化されることで、ビジネスやプロジェクトの戦略を形成するのに役立ちます。
分析結果を視覚的にわかりやすく表示するためのレポート作成やダッシュボード作成機能です。これらにより、ユーザーはデータのパターンやトレンドを直感的に理解できます。
現在のデータをリアルタイムで分析し、最新の情報を提供する機能です。
IoTなどで収集されたデータを、取得した瞬間から即座にそのデータを分析し、結果を提供するので、現在進行中の事象について、時間の遅延なく情報を得ることができます。
多くのBIツールでは、分析結果やレポートをチームメンバーや他の利用者と簡単に共有できます。また、同時編集やコメント機能などにより、協業を支援します。
取得したデータを分析に適した形に整形する機能です。具体的には、データの形式変更、欠損値の処理、外れ値の処理などを行います。
大量のデータを一元管理するためのデータウェアハウスを構築・運用する機能です。
上記は一部の機能に過ぎません。具体的な機能は、選択するBIツールにより異なります。またビジネスニーズに合わせて新たな機能も日々登場し続けています。BIツールの利用においては、自分のビジネスニーズに合ったツールを選ぶことが重要です。
ビジネスインテリジェンス(BI)ツールを導入することには、多くのメリットがあります。
ただBIツールを導入する際には、ツールの選択、データの品質と整合性、ユーザー教育などに注意を払う必要があります。また、プライバシーやデータセキュリティも重要な考慮事項となるため、デメリットも配慮しておく必要があります。
BIツールを用いることで、大量のデータの集計や分析が自動化され、レポート作成の時間を大幅に短縮できます。
データを視覚的なダッシュボードやチャートで表示することにより、データのパターンやトレンドを瞬時に把握しやすくなります。
多くのBIツールはクラウドベースであり、どのデバイスからでもアクセス可能です。これにより、分析結果は組織内で容易に共有することができ、部署やチーム、あるいは企業横断で、関わる従業員全員が同じ理解を持てるようになります。
BIツールを使用すると、ビジネスの意思決定は直感や経験に頼るものから、データに基づくものに変わります。これにより、より客観的で精度の高い意思決定の実現が可能になります。
リアルタイム分析の機能を備えたBIツールは、データが生成されると同時に分析を行い、最新のビジネス状況が把握できるようになります。
BIツールを使用して業務のパフォーマンスを追跡することで、生産性の低下や問題の発生源となるボトルネックを特定し、解消するための施策が実践できるようになります。
ビジネスインテリジェンス(BI)ツールはさまざまなシーンで活用できます。以下に具体的な例をいくつか紹介します。
売上、利益、新規顧客獲得数、顧客離脱率など、ビジネスにおけるKPI(Key Performance Indicator)を定期的に追跡します。これにより、ビジネスの健全性を一目で確認できるようになります。
市場の動向や競合他社の状況を把握するためには、外部データと自社が持つデータとを組み合わせて分析します。これにより、新たなビジネスの機会を見つけるための情報やヒントを得ることができます。
購買データやウェブサイトの利用データを分析し、顧客の嗜好や行動パターンを理解します。これにより、製品の改善やマーケティング戦略の調整など、顧客に対するより適切なアプローチやニーズへの対応が可能になります。
物流や製造業における在庫管理、生産性、労働時間、廃棄率といった運用面でのデータを分析します。これにより、運用効率の向上やコスト削減の対象や方法を見つけることができます。
過去のデータを元に未来の傾向を予測します。これにより、需要予測、販売予測などを行い、経営や販売の戦略の計画がしやすくなります。
潜在的な問題を早期に特定することでリスクが管理できるようになります。
このように、BIツールはビジネスの様々なシーン、領域で活用できます。しかし、重要なのは、何を達成したいのか、どのような課題や問題の解決策を得たいのか?を明確にすることです。その上で、BIツールの導入においては、適切なデータの収集、分析、活用が必要不可欠になります。
無料のBIツールを使用しようとする場合、BIツールにコストをかけたくない、もしくはBIツール導入にあたって試行してみたい、の2ケースに分かれると思います。
以下に、無料のビジネスインテリジェンス(BI)ツールを選ぶ際に考慮しておいた方が良いポイントをいくつか紹介します。
使いやすさは重要な要素です。ユーザーにとってのインターフェースが直感的であること、また適切なトレーニングやサポートが提供されていることを確認しましょう。
基本的なレポーティングやダッシュボーディング機能はもちろん、高度な分析機能(たとえば、予測分析や機械学習など)を備えているツールを選ぶようにしましょう。
データを視覚的に表示するためのダッシュボード、チャート、グラフといった機能を豊富に取り揃えているものを選ぶようにしましょう?
BIツールは、様々なデータソースから取り込み、データを一元的に使用できるようにする必要があります。これには、内部のデータベースだけでなく、外部のデータソースやクラウドベースのデータの取り込みも含まれます。
ビジネスが成長するにつれて、データの量や分析の複雑さが増える可能性があります。したがって、将来的な拡張への対応可否は確認しておくとよいでしょう。
データは組織の重要な資産ですので、ツールは適切なデータ保護機能を備えていることが必要です。
無料のBIツールは、製品によって機能、制限(データの量、ユーザー数等)、有償のオプションやプレミアム機能等で異なるので、自社や組織のニーズに最も合うものを選ぶことが重要です。導入に際しては、まずは無料版で試してみて、必要に応じて有料版へアップグレードする、といったプロセスをおすすめします。
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