【図解】BIツール(ビジネスインテリジェンスツール)とは?
基本とメリット・デメリットを解説

BIツールとは「ビジネスインテリジェンスツール」の略で、企業に蓄積された大量のデータを集めて分析・見える化し、迅速な意思決定を助けるためのソフトウェアのこと。BIはBusiness Intelligenceの頭文字。Intelligence=インテリジェンスは知能/理解/知恵など意味するので、BIはビジネスの意思決定に関わる情報という意味になり、BIツールはビジネスの意思決定をする情報を分析/可視化などするツールとして定義されています。

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企業がBIツールを導入する理由

従来のビジネスは勘や経験に依存していました。

ところが昨今は顧客の要求・行動、ビジネスの複雑化・多様化が進み、「今、何が売れているのか?」「顧客は何を求めているのか?」が洞察できない状況に陥っています。

ヒト、モノ、カネの流れはデータという形で蓄積しているものの、

①膨大なデータ量が必要
②データの集計や加工に労力を割けない
③分析方法、結果の活用方法が分からない

といった課題により「データを活用した経営の最適化」の実現が阻まれてしまいます。

これらの課題の解決と同時に様々な経営施策を支援する「BIツール」をご存知でしょうか?

BI(ビジネスインテリジェンス)ツールとは、ビックデータから必要な情報を抽出し、ひと目でわかるように分析するツールのことです。

BIツールを導入することで、上記の課題を解決し、下記の実践により、経営戦略の精度の向上とリスクの削減を実現します。

①利益を増大、損益を削減する方法の導出
②顧客行動、市場動向の把握と予測
③競合との差別化要因の特定
④自社が抱える問題や課題の発見、対策案の策定

BIツールとは? 
まずはその仕組みを理解

BIツールは大きく分けて次の4つの仕組みを備えています。

データの入力(インプット)から経営の判断に活用されるインサイトの出力(アウトプット)までの大まかな流れを紹介します。

(1)インプット

BIツールはデータを源泉にするので、データソースが必要です。社内基幹システム(ERP/CRM/SFA/Excel/WEB)、外部(第三者・2次・購入データ)、IoT、スマホ、SNS、オープンデータ、R連携などがそれに相当します。データは、DWH(データウェアハウス)、ETL(Extract・Transform・Load)を介してBIツールにインプット(入力)します。

(2)集計・分析

BIツールのエンジンが実施する主機能で入力したデータの収集、分析、集計を実行します。OLAP分析、データマイニング、シミュレーションがこれに相当する機能で、これらについては後述で紹介します。

(3)可視化

BIツールが集計・分析した結果は、そのままだと数字の羅列になるので、視覚的に捉えられるようグラフなどに置き換えて可視化します。可視化については、後述のレポーティングで紹介します。

(4)インサイト

インサイトとは自動分析機能のことで、分析対象として最適なデータへアクセスし、そこから統計的に最も関連性の高い結果を導き出し、分析担当者のようにグラフと説明文で回答する機能です。BIツールのアウトプットとして、経営の意思決定の判断に役立ちます。

BIツールとは? 
何のためにある? どんな分析ができるのか?

BIツールとは「ビジネスインテリジェンスツール」の略で、企業に蓄積された大量のデータを集めて分析し、迅速な意思決定を助けるためのツールです。経営管理や売上のシミュレーションなどに活用できるもので、近年BIツールを利用する企業が増加しています。

企業に蓄積されているデータは、セミナー参加者リストであればエクセル、営業活動は営業支援システム(SFA)、売上は基幹システム(ERP)、サポート・コールセンターは顧客管理システム(CRM)など、会社内で分散しているケースも多々あり、こういった情報を繋ぎ、分析、可視化することにより、意思決定のスピードと精度を高めることに寄与します。

BIツールの機能には、以下の役割があります。

(1)レポーティング⇒ダッシュボード⇒データの可視化⇒俯瞰してビジネスを見る

(2)OLAP分析⇒複数のデータの関係性を複数の角度から見る⇒仮説検証・確認

(3)データマイニング⇒データの中から法則性を導き出す⇒仮説を設定せず、データそのものの間での法則・関連性を発見する⇒データから新たな発見をする

(4)シミュレーション⇒プランニング機能⇒データによる予測⇒意思決定のためのレコメンド

(1)「レポーティング」では、ダッシュボードなどで情報を共有し、必要に応じて利用できるものです。KPI(重要業績評価指標)のチェックや異常の検知が可能になります。近年、IoTデータを集めてBIで可視化するなど、リアルタイムでデータの収集・可視化を実現するBIツールも登場しています。

(2)「OLAP(オンライン分析処理)分析機能は、蓄積されたデータを多次元的に扱って集計値の参照を行うことができ、分析することでさらにデータからの知見を深めて詳細にするものです。インメモリ型のBIツールは、これらの処理をメモリ上で素早く行うことができるメリットがあります。

(3)「データマイニング機能はデータを統計的に処理するのでマーケティングに有効で、相関分析などの複雑な統計分析を行うことができます。マイニング(mining)とは「発掘」という意味で、「データを分析し、その中から(価値ある)法則を導き出す」という意味で「データマイニング」と呼ばれています。「OLAP分析」が、データの関連性を多次元で見るのに対し、「データマイニング」は、重回帰分析やディシジョン・ツリーといった統計式を用いてデータを分析することを指します。

(4)シミュレーションは、過去のデータをもとに予算などを決定する際に、「プランニング」機能でシミュレーションして分析し、結果を計算して最適な数値を導き出します。
BIツールは専門的な知識がなくても利用することが前提で作られているものもあり、一部の人間ではなく、複数の人間で、これらの優れた分析機能を活用し、共有をすることで、業務を効率化することが期待できるでしょう。

BIツールの利用シーン

企業経営のデータ活用は、経営部門だけが実践しても競争力や売上が向上するわけではありません。経営部門の傘下に位置する営業、マーケティング、人事部門、現場部門の活用も必要不可欠です。BIツールは企業の様々な部門の活用シーンに合わせて、様々な分析や支援方法を備えています。

業種・業務 分析・支援の種類
経営部門 経営分析・財務分析、経営支援、予実分析など
営業部門 営業分析・売上分析、営業支援など
マーケティング部門 顧客分析、販売時期分析、エリア分析など
人事部門 人事データ分析、残業分析など
流通・小売業の現場部門 ABC分析、在庫分析、バスケット分析など
製造業の現場部門 故障率分析、不良率分析、購買分析など
バックオフィス全般 帳票自動作成など

BIツールを導入するメリットについて

従来では専門スキルを持つ人だけが情報の収集や分析を行っていましたが、BIツールを利用することで専門家でなくとも、必要なデータを分析し情報を活用できるというメリットが得られるようになりました。企業がBIツールを導入し、データの分析・加工を行いマーケティングに活用することで業績を伸ばす効果も期待できます。BIツールは複数か所に散在する企業内データを1か所に集めて分析できるので、今までよりも高度な分析が可能になりました。そして、各部署の現状把握が可視化され、わかりやすいデータを分析することが容易になったのです。

BIツールのメリットには、レポート作成が短時間でできること、膨大な情報の分析をリアルタイムでスピーディーに行えるので問題の早期解決を目指して対応できることがあります。

また、システムを横断してあらゆるデータを連携させたデータ分析ができることも大きなメリットです。作業の効率化だけではなくこれらのメリットを得るには、BIツール導入の際に目的を明確にしておくことが大切です。企業全体で「誰が、何のために」という目的を共有することで、はじめてBIツールのデータ分析による問題の洗い出しが可能になるといえるでしょう。

BIツールを導入するデメリットについて

BIツールのデメリットは、導入時に集中しており、活用のプロセスが成熟すれば、どれも解消され、残るものはラーニングコストの発生くらいになります。そのデメリットもBIツールを導入したことによって向上した売上、削減したコストがラーニングコストを上回れば、解消されることになります。

BIツールの主なデメリット

①BIツールを始め、データを活用するための設備投資が必要
②BIツールを使い続けるためのラーニングコスト(保守・更新費用)の発生
③従業員への教育、業務プロセスの改善が必要

BIが企業の目的・ゴールのためのKSF(Key Success Factor = 重要成功要因)にならないのであれば、BIは不要!

BIツールが注目されている理由としては、企業側のニーズとして、

➀企業の競争がより激しくなっている
➁早いスピードのPDCAが求められている
➂意思決定のスピードがより求められている
➃意思決定をする判断するための情報の精度・スピードが必要となっている

ことなどがあげられます。

また、技術的には、

➀クラウド型のBIツールの普及によって、低コストで始めることが可能になったこと
➁IoT・スマートフォンなどデータの取得方法が多様化・容易・高精度になったこと
➂ビッグデータを処理する速度・精度が大幅に進化したこと

そして、もっとも重要なことは、我々の志向・行動が以前にもまして多様化したことによる課題が挙げられます。多様化した人・行動のデータを分析し、そこからインサイトを得るためには、これまでの人の処理・経験・勘だけでは不十分であり、大量のデータ・FACTに基づく、分析、インサイトを得ることが、企業の競争力維持のために必要になってきている背景があります。

上記のようなニーズ・背景・課題を解決する手段として、BIツールが最適解・KSFになっているため、注目されているのです。 逆説的に言えば、 BIが目的・ゴールのためのKSFにならないのであれば不要ということです。 また、Excelや人による可視化など他のツールや役割で代替できるのであれば、他の選択肢でも問題ないということです。

可視化から興味化、アクション、意思決定へ
ただ、データを集めるだけでは、BIは何も生み出さない

つまり、BIで、データを収集、可視化しただけでは、何の価値も生まれない。これを体系化・整理して、価値を生み出す手順としてDIKW(Data, Information, Knowledge, Wisdom)とう情報の分類方法はあります。これはPMBOK(Project Management Body of Knowledge)で用いられる情報の分類手法で、

①データを収集する→
②集めたデータに定義・意味付けをして情報にする→
③情報をビジネスに照らし合わせて汎用的な知識にする→
④さらに実践的な場面での活用を経て知恵にする

といった4層のピラミッド構造から成っている。

データを可視化し、知識にするところまではIT部門、データアナリストの領域でも可能ですが、知識を知恵にし、そこから意思決定、アクション、事業、人、組織、企業を動かし、成果に繋げるところは、IT部門、データアナリストだけできません。

それでは、BI活用に成功していると言われている企業では実際どんな使い方をしているのか、事例をみてみましょう。

他の会社ではどんな使い方をしているのか(事例紹介)

BIツールを選ぶ際には、ITの専門家でなくても使うことができるようなものがいいでしょう。

「情報を集めてもBIツールの活用が難しい」という場合も多いので、企業で全社、全社員がBIツールを活用するためには、定期的な研修や担当者が巡回することが必要です。BIツールを導入し業務の効率化を実現した事例として、従来のExcelや手書きによる帳票作成をBIツールに移行したことで時間の短縮・コストの削減を達成したケースがあります。BIツールを活用している企業ではペーパーレス化も進んでいます。

また、レポート作成のスピードの遅さの課題をBIツールによるデータの可視化で解決し、レポート作成コストの大幅削減と経営判断のスピードアップが図れたケースなどもあります。グループ会社のIT化の必要性からBIツールを導入した企業では、グローバルレベルでのデータの分析や最適化が可能になり、拠点ごとにバラバラだった企業情報も日次で管理して改善を迅速に行えるようになりました。

このように、BIツールを企業全体で活用しスピーディーな情報分析をすることで、企業のマーケティング戦略が的確になり業績を上げることも期待できます。

参考URL
【コラム】誰もが情報活用できる BI導入のあるべき姿とは?: 
http://www.wingarc.com/product/bi/column160701.html

BIツール導入のポイント

BIツールは企業に様々なメリットをもたらしますが、既存の業務プロセスの変更も余儀なく必要となるため、導入は慎重に進めるべきです。

導入にあたってのポイントは以下になります。

(1)自社で抱えている問題や課題がBIツールで解決できるか?

BIツールを導入すれば、自社の業績が向上する!と考えがちな企業は実は少なくありません。問題の原因、課題の解決策が特定できずとも、これらを十分に整理しておかなければ、BIツール導入が解決策になりうるか?が区別できません。

(2)従業員がBIツールを活用できるか?

BIツールは製品によって使用性に大きく差があります。プログラムを必要するものもあれば、マウスと自然言語のキーボード入力だけで使用できるノンプログラミングのものもあります。導入する部門・従業員とBIツールに求められるITスキルにミスマッチが生じると自然と活用を避けてしまうため、運用方法については十分な検討を必要とします。また推進にあたってはBIツールを提供する側の支援も必要不可欠なのでサポート体制も十分に調べておく必要があります。

(3)導入実績はどの程度か?同業種の活用事例はあるか?

データ活用、デジタルトランスフォーメーション(DX)への関心に伴い、BIツールの開発・販売に参入する企業が増え続けています。導入実績・活用事例が少ないBIツールは、提供側も市場で試行している状況のため、様々なリスクが潜在しています。また活用事例は自社の問題・解決のヒントやアプローチにもなりますので、導入にあたってはぜひとも参考にすべきです。

完全保存版|無料ホワイトペーパー「BIツールのトリセツ」
データのじかんResources

以上、人々の嗜好・行動が多様化したことで、企業が人・行動のデータを分析し、そこからインサイトを得るためのKSF(Key Success Factor = 重要成功要因)の一つとしてBIツールが注目されています。こちらでは、BIツールの概略をまとめたホワイトペーパーを図を交えながら解説していますので、以下記事の最後のボタンでダウンロード頂き、自社資料の教育、学習用の教材、社内資料作りに活用ください。 

 

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