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普段なんとなく当たり前だと思っていることでもじっくり考えてみると不思議なことってありますよね。例えば、男女比。

わたしたちは男女比が1対1であることを「当たり前」だと感じていますが、よくよく考えると、なぜ1対1になるのか?本当に1対1なのか?とさまざまな疑問が湧いてきませんか?

そこで今回は、どうして性比(男女比)はおおよそ1対1になるのか、世界や日本の性比は実際どうなっているのか、など深堀していきます。

人間の性比を決めるフィッシャーの原理とは?

生殖の形態にかかわらず、多くの生物でオスとメスの性比がおおむね1対1になるのはなぜか、という理由の説明としてあげられるのがフィッシャーの原理です。

この原理はイギリスの進化生物学者ロナルド・フィッシャーが1930年に出版した著書『自然選択の遺伝学的理論』で概略を紹介し、その後ゲーム理論が台頭する中でさまざまな研究者によって肉つけされました。

基本的には生物の自然選択は「種全体にとって有利」であることよりも「その個体にとって有利」であることが優先して行われます

ここで出産に伴う親のコスト(投資)が子の雌雄に関わらず等しい場合、どのくらい子孫を残せるか(利益)、という点で以下のように場合分けできます。

オスがメスより多い集団

メスがオスより多い集団

新たに生まれたメスは新たに生まれたオスよりも多くの配偶者を獲得でき多くの子孫(利益)を残せる

新たに生まれたオスは新たに生まれたメスよりも多くの配偶者を獲得でき多くの子孫(利益)を残せる

メスを生みやすい遺伝子は広がり相対的にメスの数が増える

オスを生みやすい遺伝子は広がり相対的にオスの数が増える

性比が1:1に近づくとメスを多く産む性質の利益は少なくなる

性比が1:1に近づくとオスを多く産む性質の利益は少なくなる

この二つの場合が拮抗することで性比は1体1に収斂する、というのがフィッシャーの原理の肝です。

フィッシャーの原理の戦略は他の戦略をとる対立遺伝子が発生した場合もその対立遺伝子が自然淘汰されてしまうような進化的に安定な戦略と考えられています。

実際の人口推移から見えた性比が覆るある要素とは?

続いて、日本の性比をみていきます。

日本では5年に一度、10月1日を基準日に日本に居住するすべての人や世帯を対象に「国勢調査」を行っています。さらに国勢調査の結果をもとに、他の人口関連資料から月ごとの人口の動きを加味して毎月1日に現在の人口を算出しています。

今回は、性比を算出するために総務省統計局が発表している総人口のデータを使います。ここで総人口の対象となるのは、調査時に日本国内(歯舞群島,色丹島,国後島及び択捉島並びに島根県隠岐郡隠岐の島町にある竹島を除く)に常住している(国内住居に3ヶ月以上住んでいるまたは住むことになっている)人だということです。

また、人口性比とは、女性100人に対する男性の数を指し、次のような式から算出できます。

人口性比=男性/女性×100

2020年2月の日本の男女別総人口は以下のようになっています。全体でみると人口性比は94.8程度と女性の方が若干多くなっています。この数字が100を超える場合は男性が多く、100以下の場合は女性が多いことを示しています。

 

人口(千人)

全体

126,004

61,329

64,675

しかし、性比を年代別に見てみるとこの性比は必ずしも一定に保たれているわけではないことがわかります。まず、前出の男女別総人口をさらに年齢別に分けてグラフにしてみました。

出典:総務省統計局人口推計-2020年(令和2年)7月報-

若年層では男性の方が数が多くなっていますが、50代を境に女性の数が多くなっているように見えます。そこで、年代別に人口性比を算出したグラフがこちらです。

出典:総務省統計局人口推計-2020年(令和2年)7月報-

10代後半までは人口性比が105程度と男性が多い状態で安定し、その後20代では留学や仕事の目的で海外からも多くの男性が流入することなどから男性の割合が若干増加しています。しかし、30代以降になると人口性比は徐々に減少し、50代で100を切るようになります。さらに減少は続き、90代では40を切り、100歳以上になると16、つまり男性の人口が女性の人口の約1/6程度になります。

女性の方が平均寿命が長いため、労働人口(15~64歳)では若干男性の方が多いにも関わらず、日本の総人口では女性の数の方が多くなっているということがわかります。

世界の人口性比から各国の特徴が見える!? >>

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