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テクノロジーで若者と政治の接点を。「Mielka(ミエルカ)」の活動と若者の政治への関心の実態

         

新型コロナウイルス感染症の拡大によるパンデミックにおいて、経済への影響や病床の確保、また人々の動きをいかに規制するかなどについて、国を挙げて対応しなければならない事態が続く中、政治による意思決定の重要性を感じさせるニュースが続いています。

例えば2021年11月には、コロナ禍に伴う経済対策として、所得制限付きで、18歳以下の児童1人につき、5万円の現金給付と5万円のクーポンを配布する、という方針が発表されました。その後、子育て世帯に限定した給付や、クーポン給付に伴う事務費用として900億円以上の経費がかかる、という報道に賛否の声が集まりました。

このように、政治の意思決定に伴い、莫大な金額が動くこと、またこの国で生きる私たち一人一人に少なからず影響があるのだ、と感じる機会は増えているように思います。

一方で、日本では長年、選挙における低投票率が大きな課題となっています。

特に、10~30代の若い世代での低投票率が続く中で、テクノロジーを駆使し、「若者×政治」をテーマに活動を行っている団体が関西を中心に活動するNPO法人「Mielka(ミエルカ)」です。

今回は、若い世代における政治への関心度をデータで見ながら、若者の政治への関心を高めるNPO法人「Mielka(ミエルカ)」の活動を追います。

若い世代における政治への無関心、その実情は?

先に行われた第49回衆議院議員選挙でも、投票率は、55.93%で前回の選挙よりも2ポイント程度上回ったものの、戦後3番目に低い投票率という結果に終わりました。

また、2016年に施行された18年以上満20年未満の投票についても、衆院選小選挙区での投票率は43.01%と過半数を割っています。

過去の国政選挙での投票における投票数を見ても1980年代以降、20代、30代の若い世代の投票率が低いことが見て取れます。

出典:総務省|国政選挙の年代別投票率の推移について

日本の投票率は、世界的に見ても投票率は低く、民主主義・選挙支援国際研究所(The International Institute for Democracy and Electoral Assistance)の調査によると世界139位という低水準になっています。

内閣府による「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 (平成30年度)」によると、日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンの7ヵ国の若者の意識を比較した際に、「政治に対する関心度」を尋ねる問いで「関心がある」と答えた割合はドイツが70.6%、アメリカが64.9%、イギリスが58.9%、フランスが57.5%、スウェーデンが57.1%、韓国が53.9%、そして日本が43.5%と最も低くなっていたそうです。

政治への関心を持てない若者は政治に満足している?

BuzzFeed NewsがYahoo!ニュースと共同で2021年10月に「これまで国政選挙で投票したことがなく、今回も投票しない」を対象に行ったアンケート調査によると、「投票したい候補者・政党がない」が過半数を超える55.9%となっており、投票したいと思えるような候補者・政党を見つけられないこと、接点が持てないこと、が大きな課題となっていることが伺えます。

一方で同調査では投票に行かなかった人がコロナ禍における政府の政策に満足しているわけではない、ということも明らかになっています。政府の感染対策については、「どちらかというと効果的ではなかった」「全く効果的ではなかった」と答えた人が計67.8%、また経済的な補償に関する政策に対しては、「どちらかというと効果的ではなかった」「全く効果的ではなかった」は計78.5%といずれも2/3以上が政策が効果的でなかったと回答しています。

出典:総務省|国政選挙の年代別投票率の推移について

したがって、若い世代では、どの政党に投票したら良いかわからない、というのはもちろん、投票に行っても何も変わらないだろう、という諦念があることが伺えます。

若者と政治の接点をデジタルで作るNPO法人「Mielka(ミエルカ)」

若い世代が政治との接点を見いだせない中でテクノロジーを駆使して政治の未来を考える取り組みを行なっているのが、NPO法人「Mielka(ミエルカ)」です。

事業としては中学高校で「投票・政治参画」の意義を伝える幅広いテーマでの授業を行なう「シティズンシップ教育」、公衆シンクタンクとして政治について情報を収集・分析し、若者と政治を結びつける情報を発信する「ラボ事業」、若者と政治を結びつけるイベントを行う「キッカケイベント」などを行なっています。

また、2021年10月に行われた第49回衆議院議員選挙においては、投票のためのすべての情報が揃うサイト「JAPAN CHOICE」を提供。このサイトでは議員たちの政策や属性を紹介する議員ペディアや公約実現度など、若者に伝わりやすいキーワードについて、わかりやすいインフォグラフィックやグラフで紹介していました。

若い世代における勉強会やイベントは政治への関心のきっかけになりえます。

例えば、20代、30代の投票率が80%以上のスウェーデンでは、政治を知り、語り合える若者団体が数多くあるといいます。特に「若者協議会」は自治体レベルで存在するということで、ここでは、政治家と直接会って意見を交わすほか、新聞などメディアを通し、自分たちの意見を表明しているそう。また、スウェーデンでは若者がこうした活動に関われる余暇が十分にあるということもこうした活動を活発にできる一要因であると考えれます。

Mielkaではこれまでに10000人以上に実際に会ってシティズンシップ教育を行なっていったそう。こうした取り組みを広げ、さまざまな団体や個人が政治についての対話を行うことこそが若者が政治に関心をもつきっかけになるかもしれませんね。

興味を持った方はぜひMielkaのホームページも訪れてみてください。

【参考引用サイト】
18、19歳投票率43.01% 衆院選、前回比1.5ポイント増子ども10万円 現金とクーポンで事務費「900億円増」:朝日新聞デジタル衆院選 最終投票率は戦後3番目に低い55.93% | 2021衆院選投票率「世界139位」…「夢も希望もない日本」に20代の若者が落胆(幻冬舎ゴールドオンライン) - Yahoo!ニュース「私は投票には行きません」 2000人が語った理由とは(BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース総務省|国政選挙の年代別投票率の推移についてMielka【衆院選2021】投票のためのすべての情報が揃うサイト「JAPAN CHOICE」がリリース!JAPAN CHOICE若者の政治参加 進めるには | ニュース

(大藤ヨシヲ)

 
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