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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受け、学校への登校が制限される中、新たに「オンライン授業」を取り入れる学校が増えてきています。
そうした中で、一部のオンライン講義が一般にも公開されていたり、ウイルス拡大以前からある、大学の講義を一般向けに公開するサービスの内容が拡充されたり、と社会人でも楽しめるものも増えています。
そこで今回は、オンライン授業のメリットと課題から、学生じゃなくてもチェックしておきたい、魅力的なオンライン授業サービスまでご紹介させていただきます。
様々なオンライン教育サービスを見る前に、まずは、オンライン事業のメリットと課題について考えていきたいと思います。
オンライン授業の最大のメリットといえるのが、通信環境と端末さえあればどこでも学べるという点です。
授業のために場所を移動する必要がなく、その分の時間の節約になったり、個人的な事情などで登校が難しい場合にもいつも通り授業を受けられたり、と臨機応変な対応が可能です。
また、オンデマンド型の講義であれば、さらに自由度が高くなり、いつでもどこでも誰でも授業を受講することが可能になります。一方で、教員と生徒の間の対話ができないため、一方的な授業になってしまう、というデメリットもあります。
リアルタイム型のオンライン授業では、現実の授業と同様教員と生徒が対話できるという大きな強みがありますが、今回の緊急事態宣言のようにへの急な切り替えの場合は、受講者や配信者となる教員のオンライン環境に依存するため、多くの課題も生じています。
例えば、昭和女子大が同大学の学生を対象に行ったアンケート調査では、回答者のうち約2%が自宅にオンライン環境がないと回答したということです。
教員側でもビデオやマイクの準備や教材をオンライン用に作り直すコストなどが生じる、というケースも少なくないそうです。
そのほかにも、使っているオンラインツールのサーバーがダウンしてしまった場合に、授業の出欠はどうするのかと言う事務的な問題や、実験などの大規模な設備を必要とする授業はどうするのか、著作権上配信できない教材について、など考えるべき事は数多くあります。
ここでは、ビジネスや日常生活で役立つオンデマンド型のオンライン授業サービスをご紹介します。
配信サービスの多くは、MOOC(Massive Open Online Course)と呼ばれる無料の教育サービスで、基本的には無料で誰でも講義を聴講できます(有料となる講座もあります)。また、録画した授業を公開しているものが多いため、自分の生活に合わせて好きな時間に講義を受けられることも魅力の一つです。
「JMOOC(ジェイムーク)」は国内最大のオンライン講座配信サービスです。東京大学や早稲田大学、明治大学で開講されている講義の一部を動画で学ぶことができます。料金は基本的に無料です。
このサービスでは、1週間を学習の基本的な単位として、1週間ぶんの講義の動画と学習課題が用意されています。この週ごとの課題と最終課題をクリアすると修了証が発行されるという仕組みになっています。
JMOOCの最大の特徴は、動画が1本あたり5分から10分に編集されているため、スキマ時間でも学びやすいという点です。またその動画ごとに小テストが課せられるので、学習内容が定着しやすい作りになっています。
配信内容も、「統計学」や「機械学習」などビジネスの分野でも役立ちそうなものが多い印象です。
より幅広く教養を身につけたいと考えている人にオススメなのが「Asuka Academy」です。このサービスでは、マサチューセッツ工科大学やイェール大学など海外の大学の講義や学習コンテンツを日本語字幕付きで配信していたり、中高生向けのサイエンス動画なども配信したりしているのが特徴です。
またSDGsや心理学に関するものなど教養科目の講義も多く、生涯学習という意味でより幅広い知識が身につきます。
またこちらも基本的な利用料は無料なので、気軽に学習を始めることができます。
国内外の一流大学の講義が多数公開されている国外のMOOCでは、講義のほとんどが英語で用意されています。そのため、英語学習などの一環としても活用することができます。
スタンフォード大学のコンピュータサイエンス分野の教授たちによって立ち上げられたこのたサービスでは、世界中の大学のほか、Googleなどの大企業も講義を公開しています。また日本からは東京大学の講義などが公開されています。
基本的に講義は無料で受けられますが、修了証を受け取る際に数十ドルの支払いが必要とされる場合があります。
このサービスの特徴は、ユーザーがつけた評価やコメントが可視化されているというところです。ほとんどの講義において、受講人数や評価が明示されているため、講義を選択する一つの目安になります。また、講義は有料となりますが、一定の基準を満たしていれば、MBAをオンラインで取得することも可能です。
このサービスはWeb開発に特化した講義を無料で公開しています。また2020年1月にアイビーリーグの450にわたる講義を公開するなど、レベルの高い教材が揃えられています。
初心者からすでにWeb開発に関わっているエンジニアまで学べる教材があるため、レベルに合った学習ができます。講座終了後大手のIT企業に就職するという人もいるそうです。
また、ユーザー向けにコミュニケーション用のチャットルームが用意されているため、1人で学習をやり抜くのは不安という人にもオススメです。
新型コロナウイルスのパンデミックの中で、人々の生活は大きく制限されるようになりました。しかし、オンライン授業のように様々な分野で電子化が進むきっかけとなり、制限がなくなったあとの生活はこれまでのものより、大きく進歩したものになるのではないでしょうか?
そんな大きな時代の変化についていく時に、知識は大きな武器となります。
大学で提供されている最新かつ良質な講義は、多面的な知識を身につけるためには非常に有用なものです。緊急事態宣言が全国的になされてなかなか外に出れない中、オンライン授業を通して新たな世界に触れてみるというのはどうでしょう?
(大藤ヨシヲ)
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